Ring out, wild bells 大晦日に英詩を

大晦日。この詩を第九と除夜の鐘に加えてみたいものです。
 英国では、桂冠詩人(poet laureate)が新年を祝う作品を書くという伝統があり、特に有名なのがこのアルフレッド・テニソン作Ring Out, Wild Bells「打ち出せ、荒ぶる鐘よ」です。
 1850年に発表されたこの詩は、行く年の汚れたものや不幸な出来事を打ち出し(ring out)、来る年への切なる願いを打ち入れる(ring in)ことを教会の鐘に託したものです。スエーデンでは大晦日の晩にこの訳詞を俳優が朗読する伝統が続いており、ストックホルムから全国にテレビで放送されます。こういう詩を聞いてから新年を迎える国があるのですね。YOUTUBEではコーラスやソロの作品を検索できます。拙訳が理解の助けになれば幸いです。良い年になりますよう。

Ring Out, Wild Bells

Ring out, wild bells, to the wild sky,
The flying cloud, the frosty light:
The year is dying in the night;
Ring out, wild bells, and let him die.

Ring out the old, ring in the new,
Ring, happy bells, across the snow:
The year is going, let him go;
Ring out the false, ring in the true.

Ring out the grief that saps the mind
For those that here we see no more;
Ring out the feud of rich and poor,
Ring in redress to all mankind.

Ring out a slowly dying cause,
And ancient forms of party strife;
Ring in the nobler modes of life,
With sweeter manners, purer laws.

Ring out the want, the care, the sin,
The faithless coldness of the times;
Ring out, ring out my mournful rhymes
But ring the fuller minstrel in.

Ring out false pride in place and blood,
The civic slander and the spite;
Ring in the love of truth and right,
Ring in the common love of good.

Ring out old shapes of foul disease,
Ring out the narrowing lust of gold;
Ring out the thousand wars of old,
Ring in the thousand years of peace.

Ring in the valiant man and free,
The larger heart the kindlier hand;
Ring out the darkness of the land,
Ring in the Christ that is to be.

打ち出せ、荒ぶる鐘よ

打ち出せ、荒ぶる鐘よ、荒れ狂う空へ、
疾駆する雲と、凍てついた月へ
行く年は夜の中で死にかけている
打ち出せ、荒ぶる鐘よ、そして死なせるのだ

打ち出せ、古きものを、打ち入れよ、新しきものを
響き渡れ、幸せの鐘、雪の世界に
この年はもう行く、行かせるのだ
打ち出せ、欺瞞を、打ち入れよ、真実を

打ち出せ、心萎えさせる悲しみを
もうここから消えた者たちへの
打ち出せ、富者と貧者の確執を
打ち入れよ、全人類の救済を

打ち出せ、次第に消えゆく大義を
そして古めかしい政争を
打ち入れよ、より高貴な生き様を
より優しき礼節と、より純粋な法律を

打ち出せ、欲望と心労と罪とを
時代の不実な冷たさを
打ち出せ、我が悲しきこの韻詩を
が、打ち入れよ、より十全な吟遊詩人を

打ち出せ、地位と血へのおごりを
 巷間の中傷と悪意とを
 打ち入れよ、真実と正義への愛を
打ち入れよ、善への普遍の愛を

打ち出せ、古き悪疾を
 金塊への深まる渇望を
 打ち出せ、古えからの戦を
打ち入れよ、一千年の平和を

打ち入れよ、勇敢で自由な人間を
より大きな心とより温かい手の
打ち出せ、この地の暗闇を
打ち入れよ、救世主となる者を 

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My sun sets to rise again.(Elizabeth Barrett Browning)

今月の「ラジ英」から The 12 Days of Christmas

The Twelve Days of Christmasは、愛する人がクリスマスの期間(25日から12日間)いろいろなギフトを運んでくる歌として有名です。今年は替え歌をリスニングしてもらうことにしました。新しい12のギフトは、元歌と同じくらいワイルドなものになったでしょうか。

 元歌の12種のギフトについては、

  http://dictionary.reference.com/slideshows/12-days-of-xmas#partridge

のスライドショーで理解を深めることができます。一日目の「梨の木にヤマウズラ」という鳥合わせがいかに難しいか、といったあたりから説き起こし、興味深い解説が続きます。

世界各地でご当地バージョンがあるようですが、ハワイ版は、YOUTUBEに、画像入りで、
  https://www.youtube.com/watch?v=RA_C-Whh9fo
 楽しきフラダンス付きで  
  https://www.youtube.com/watch?v=e9gfccoU9ug
 歌詞は
  http://www.huapala.org/ChristReligious/Twelve_Days_of_Christmas.html

 スルメまで登場します。全て単数、全て現在形といった歌詞で、第2言語を気ままに思い切り楽しんでしまっています。
 私はフラダンスはよくわかりませんが、この子どものフラは楽しさがストレートに伝わるところが気に入りました。
 
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♪ご近所の塀にポインセチア Mele Kalikimaka!

 東方からの三賢者が贈り物を届けたのは、キリスト降誕後12日目の1月6日で、Epiphany(公現祭、顕現日)と呼ばれ、この日でクリスマスが終わります。私はクリスチャンではありませんが、娘がクリスマスデー生まれなので、クリスマスはギフト的にも重い意味を持つようになりました。

 短編の巨匠オー・ヘンリーには「賢者の贈り物」という傑作があります。原題はThe Gifts of the Magiで、高校時代にほぼ1行毎に挫折しつつ取り組んだ際には、このMagiを「マギー」とか「マジー」と心の声が読んでいました。
 そのmagi(メイジャイ)はmagus(メイガス 優れた魔法使い、占星術家)の複数形で、キリスト降誕時に東方より訪れた三賢者を表す語でもあります。magicianの語源でもあり、「マジ-」はそれほど遠い間違いではなかったかも。
 この3人が届けたギフトは、フランキンセンス、ミルラ、金と言われています。最初の2点frankincenseとmyrrh(英語では「ミルラ」より「ムー」に近い音)は「乳香」、「没薬」という高価な香料です。最後のgoldは、金色の香料turmeric(ウコン、タームリク)ではないかという新説があると最近聞きました。これはエッセンシャルオイル専門家の解釈のようで、当方一顕者には計り知れぬことですが。

娘が私に贈ってくれたのは、ugly Christmas pantsです。このシーズンには、ugly Christmas sweater partyなるパーティーがあちこちで開かれます。参加者は醜いクリスマスセーターを身に付けます。この季節以外には着られない柄のセーターで、uglyは「とんでも柄の」といったニュアンスでしょう。この画像のパンツはそのuglinessの流れから生まれた製品で、見ればその意味がわかるでしょう。もちろん、このパンツを履いて出向くほどの元気はありませんでした。
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私のペット・ピーヴ

クリスマスとは無関係な話題ですが、これ、何と言うのでしょう?
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 私はこれを外すことを考えるだけで、付け直すとき手を切るかもしれないと思ってしまうことを思い出すだけで、あるいはこのスペースインベーダーのような、あるいはプレデターの頭のような形を見るだけで、イライラ・ムシャクシャしてきます。
 こういうものを英語ではone’s pet peeveと言います。
 one’s pet …は「その人のお気に入りの・・・」、peeveは「しゃくの種、我慢のできないもの」という意味で、英国ではone’s pet hateという言い回しもあります。
 Cambridge Onlineには、Americanとして、
  Weak coffee is one of my pet peeves.
とあります。

 パンの袋などを止めるのに使われているので、What do you call that thing that fastens a bread bag?で検索したところ、何と出ました、Wikipedia。その名も、
  bread clip 
その他、bread tag、bread tab, bread tie, bread ribbon、bread-bag clipなど、bread用に開発されたようだけれど、元はリンゴの袋用とのこと。最後の名前が正確だと思いますが、単語を知っても嬉しくならないのは、よほど嫌なのでしょう。
 日本語では? と、Weblioに行くと、
  「バッグクロージャー」
とありました。スーパーヒーローのようで、ますますイライラしてきます。
 とにかく発明者には申し訳ないけれど、私はこのクリップを見るとすぐ外して全体に輪ゴムを回すか、開いた部分をひねってそのまま冷蔵庫の側面に押しつけるか・・・そんなことを思い出すだけでもムラムラとしてきます。
 というわけで、
  It’s one of my pet peeves.
です。ということはまだ他にもあるわけですが、いずれまた。

「赤鼻のトナー買い」 のような英語の小咄の紹介

赤鼻のトナカイ・ルドルフ君はこのシーズンの人気者です。これは当地のドーナツ店Holy Donutsで娘が買ったもので、ルーちゃんのプレッツェルの角(antlers)が見事です。

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それにつけても、クリスマスシーズンになると思い出すのが、赤鼻のトナカイ・ルドルフRudolph the Red-nosed Reindeerのジョークです。40年近く前に聞いたものを何故いまも思い出すのか。それは、分かって嬉しかったからでしょう。学びの基本です。内容は:

ロシア(当時はソ連でした)の町。カップルが道を歩いている。と、顔にポツンと来たので一方が「雨のようだ」と言う。もう一方が「いいえ、雪よ」と言う。議論になり、通りかかった知り合いのルドルフに向かって「同志ルドルフよ、教えて欲しい、今降っているのは雨か雪か」。ルドルフは「もちろん雨だとも」。女性が「でも雪のような感じよ」。ルドルフはそれに対して:「 <翻訳不能の落ち> 」
以下落ちpunch line入りのものです。解読に挑戦してみてください!

A Russian couple are walking down the street in Moscow, when a man feels a drop on his face. “I think it’s raining,” he says. The woman says, “No, it’s snowing.” And the couple starts a heated discussion. Then a man they know walks by. They stop him and asks, “Tell us, Comrade Rudolph, is it raining or snowing?”
Rudolph says, “It’s raining, of course.” The woman says, “But it feels like snow!” And Rudolph says, “Rudolph the Red knows rain, dear.”

落ちは: クリスマスソング「赤鼻のトナカイ」Rudolph the Red-nosed Reindeerに掛けたものです。落ちの一部Rudolph the RedのRudolphは、ドイツからロシアまで広く使われている男性名です。the Redはソ連の掲げた主義を象徴する「赤」であり、「ルドルフ・ザ・レッド」は何だか皇帝の名のようでもあります。とにかく、舞台がソ連(ロシア)であるのも、雨か雪かと議論するのも、ただただこの言葉遊びを仕掛けるためであり、冷戦時代にこうしたとぼけたジョークがあったことは、英語圏のユーモアの持つふところの深さを感じさせます。というわけで無理に落ちを訳せば:「ルドルフ・ザ・レッドは雨が何たるかを知っていますよ、奥さん」

IMG_1160 Doughnut forget to give me a like.

甲:「こんな極寒の日にコートも着ないでどこへいらっしゃる?」 乙:「トナーが切れたのでちょっとそこまで」 甲:「おお、これぞ本当の赤鼻のトナー買いだ」。こんなやり取りを思いついたら、それを土台にストーリーを作って決めるのが西洋ジョークの特徴です。このルドルフジョークも元はと言えばおそらくプロが考えたもので、それが受けて人口に膾炙し、市民が市民に(相手が知らないことを願いつつ)語ることになったという背景があります。語る前にStop me if you heard this joke.と定型の断りを入れるのが普通です。一方プロは、新手のオリジナルジョークを作り語り続けます。予定調和の中で行われる日本の伝統藝とは趣を異にする世界です。

写真の下の部分にある細長いドーナツMaple Baconは、long johnという名のドーナツにベーコンをのせたものです。これは私に持ち帰ったと言われ、I’ll try anything once.の精神で挑戦。感想は安全表現It’s different!でした。

シュトーレンを頂く

クリスマスが近づくと、ドイツではシュトーレンという、砂糖の粉で真っ白に包んだような硬いケーキを食べるそうで、学生時代のMPという英語劇プロダクションの仲間で富山在住の角地さんが届けてくれました。

何でもbaby Jesusをくるんだ産着(swaddling clothes)を表すそうで、そう言われると小さな赤ちゃんほどの大きさかな・・・。

さっそく切って少し頂いたので、開けたばかりの、真っ白なシュトーレンの写真はありません。a German cake containing dried fruit and marzipan (= a food made from nuts), usually eaten at Christmas.(Cambridge Online Dictionaries)ということで、一種おせちを感じさせるような砂糖の大盤振る舞いで、リッチな味です。

英語でも綴りはstollen(ストウルン)で、やはりドイツ系の人々中心に食されるようです。

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カミさんがサロンの生徒さんにも一口食べてもらったようで、私の立場から言うと、My stollen was stolen.ということになります。その横のカップの底にはハートのの跡(coffee stain)が残って大騒ぎとなったようです。

私の長い人生で初めて(It’s a first for me!)です。生きれば生きるほど初めてのことが増えてくるので、This is not the first time for me to say it’s a first for me.ということですが。

富山市内で評判のベーカリーBobの作品で、ドイツの味と文化を頂きました。

高校サッカー記事の見出し

無くて七癖、自棄のやんパチ、十月十日、どこにでもありすぐにできそうなのが頭韻(アリタレーション、alliteration)です。佐久の酒蔵、水戸の民意、軽井沢の軽石、群馬のグライダーなど、いい加減でよければすぐできます。これに金がからむと真剣になるのが人間。特に広告やジャーナリズムの世界ではeye-catcherとして重宝されます。
  当地のローカル紙も頭韻を使って見出しを工夫しています。ただし、あまり深刻な内容のニュースには使用を控え、明るい、軽い、風刺やウィット・ユーモアのあるものによく使います。新聞はローカル紙こそチャンピオンだと私は思っています。New York Times、Washington Post、London Times、地元のTokyo Shinbun、そして当地のWest Hawaii Todayなど、町や地域の名を冠したものに勢いと矜恃と面白さがあると感じています。ただWest Hawaii Todayは、オンラインでも読めるようになってからずいぶん薄くなりました。が、この島の、特に西半分で起きた様々なstoryが全国や世界のニュースと一緒に載っている20ページほどの情報の束を75セントで手にできる。開けば、外国人の私ですら、前からここで生きているような気になってくるのはなかなかいいものです。
  前置き長し。そのWHT紙に高校のサッカー試合の見出しがこのように。Wの頭韻が目を引きました。
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なかなか凝っています。Waveridersというチーム名はサーファーを暗示しているのでしょうから、動詞部にサーフィン用語のwipe outを使っています。ただこのwipe outは、波がサーファーを転倒させるという意味で、主語は本来waveになりますが、ここでは「敵を一掃する」という意味と引っかけています。高校生もここまでやってもらえるとハッピーでしょう。敗者のヤマネコたちさえ、まんざらでもないのでは。頭韻矢の如し。命中。
  光陰も負けていないけれども。いや勝っているか・・・。新年へと進むしか手は無し足はまだ・・・。
IMG_1058  ウォーキングパークで見つけたアドバイスです。Keep on walking, man.

IMG_1056 当園へ入いり頭の頭韻也

 

Time flies like an arrow.考

また1年が終わらんとしています。終わらんといけませんかと尋ねたいほどです。英語ならここで
  Where does the time go?(時間はどこへ行くのでしょう?)
  Where did the time go?(時間はどこへ行っちゃったのでしょう?)
そして
  Time flies.(時間とは飛んでいってしまうものですね)
などと言うわけですが、ちなみに最後の表現は英語ではfliesでピリオド。日本語のように「矢の如し」は付きません。

 英語圏のユーモア志向の人々は、日本人がよく「矢付きで」、
  Time flies like an arrow.
と言うのを聞きつけては、そのあとに
  (But) Fruit flies like a banana.
と付け足して、共に笑ったり驚いた表情を作ろうとします。

  Time flies like an arrow; fruit flies like a banana.

 私が仕事を始めた70年代には、英語の言葉遊びに興味を示す変な日本人教師のために、職場のネイティブスピーカーの何人かが、このセットを口走り、目をくるりと回してはおどけていましたので、このセットはそれ以前から存在していたようです。これには2つの”意味”が雑居しています。

  Time flies like an arrow; fruit flies like a banana.
 
 ”意味”1。「時は矢のように飛び、フルーツはバナナのように飛ぶ(冠詞がないので「果肉は」がベターですが)」これだけだと丸で無茶苦茶、花菱アチャコであるのですが。

 ”意味”2。「トキバエは矢を好み、ミバエはバナナを好む」。これはまず、time flyというハエがあると仮定して、その複数のtime fliesは矢が好きである。一方、ミバエ(こちらは本物で、果物に卵を産むハエの一種fruit fly)の複数fruit fliesはバナナがすきである、という意味になります。

  Time flies like an arrow; fruit flies like a banana.

 fliesは動詞であり、名詞の複数形にもなります。likeは前置詞であり、それが動詞にもなります。ここがミソです。

 前半は良いとして、後半に来るとどうつながってこうなったのかということが分からなくなり、前半に戻って考え直す。相手にこの作業を繰り返させて”楽しませる”というのが、このセットの目的のようです。

 さらに昔、高校時代に市立図書館で、メビウスの輪という、細長いい紙片を一度ねじって両端をつなげた輪のことを知り、その場でノートのページを破って試し感動したことがあります。(これは発見者の一人の名を冠してMöbius strip、Möbius bandと呼ばれていて、英国でマーヴィアス、米国でモウビアス)。それから家に帰って正式にのり付けしてみると、表だったものが裏になったかと思うとまた表になって延々と続き、鉛筆を動かさずに、裏表(のない表面)に1本の線が引かれるではありませんか。これは私にとって正に”紙技”でした。

  Time flies like an arrow; fruit flies like a banana.

 黙読や音読をしながら迷い込む言語遊戯の奥の院でしょうか。メビウスの輪的言語世界でしょうか。師走のピーク時にお邪魔しました。

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芭蕉の花序にヤモリ A Gecko on a Banana Heart

大福の陰にサンタ

新年を迎え始めたハワイは大福が大活躍。観光ガイド的説明付き。餡は餡まり入っておりませんがゆかしき3丁目というか1丁目の夕陽的味也。小生このくらいで大幸福也。

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みどり大福もあるぞ。ああ薄甘い正月也・・・と思いきやよく見るとサンタの顔。

IMG_1013 この画像をクリックし、さらにblow upするとサンタ出現。

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IN GOD WE TRUSTとは米国紙幣に見られる国家のmoneyに対するmission statement的定義でしょうか。それが何とワンビリオンダラービル10億ドル札にサンタ。そしてIN SANTA WE TRUSTとあり。

IN SANTA WE BELIEVEどころではなく、商店主たちに頼りにされ切っておるようで2度ビックリでした。