世界に”bokeh”(ボウケイ) が進出

ホトトギス (いつかボケでボウケイを)

持ちタイルから単語を作り、それを盤面に並んだ単語とクロスさせて競うワードゲームScrabble(スクラブル)では、使う言葉を制限する必要があり、何々に載っていない言葉はダメ、という具合に通常辞書に審判を頼みます。
 ただ、オンラインスクラブルとして人気のあるWords With Friendsの場合、世界各地の人々が参加している関係上、見たこともないような新語が次々と承認されてはプレイヤーを驚かせます。

最近、ある人が打ち込んできたBOKEH「ボウケイ」もそのひとつで、まさかと思って検索すると、この語源を含む説明がいくつかの辞典に次のように載っています。日本語が語源の写真撮影テクニック用語でした。BOKEHも捨てたものではありませんね。

OXFORD LEXICO: 

The visual quality of the out-of-focus areas of a photographic image, especially as rendered by a particular lens.

‘a quick, visual survey of the foreground and background bokeh of a variety of lenses’

Origin:
1990s from Japanese boke, apparently shortened from pinboke ‘state of being out of focus’, from bokeru ‘become befuddled’.

CAMBRIDGE ONLINE:

a blurred (=not clear) effect used in photography

This lens produces that nice bokeh in the background that looks great in portraits.

MERRIAM-WEBSTER ONLINE:

the blurred quality or effect seen in the out-of-focus portion of a photograph taken with a narrow depth of field

良いボケ悪いボケの説明も。

Good bokeh is smooth and pleasing, whereas bad bokeh produces a jagged and discordant effect. … The quality of bokeh is largely dependent on the construction of the lens. For this reason, lenses that provide high-quality bokeh are prized.— Harold Davis

この花ホトトギス: toad lily(ヒキガエルユリ?) hairy toad lily(タモウヒキガエルユリ?) 斑点や羽毛からでしょうが・・・トホホとしましょうか 

シーザーの ‘3’

「来た、見た、勝った」は英語で

I came, I saw, I conquered.

ラテン語オリジナルは

Veni, vidi, vici.

「ヴィニ、ヴィディ、ヴィチ」と発音されることが多いけれど「ウェィニ、ウィディ、ウィキ」が当時の発音により近いとされる。

20世紀後半から現在まで生きながらえているパロディが

Veni, vidi, VISA.

訳はほぼ変わらず「来た、見た、買った」。忙しい現代人、旅行者というイメージ。

これすべて「3」のリズムの力による。

なおvidiの現在形はvideo(I see.)とのこと。

このブログを見に来た方へお勧めのコメントが

Vini, vidi, viva!

かな?

November 11, 1620

400年前の今日は、現在の米国マサチューセッツ州の岬に、イングランド国教会から離れ、信仰の自由を求めて出帆した102名の人々が到着した日です。(時差の関係で、米国では明日がその日です) 季節的にタイミングが悪く、半年ほど収穫が獲られず、半数が亡くなり、翌年秋に収穫があり、感謝祭の起源になったという。このあたりから北米大陸に様々な境界線が引かれていくアメリカ物語のスタートとなります。

2つの名を持つ季節

お、もうすっかり秋。

放送センター横。

spring、summer、winterと違い、英語の「秋」にはfallとautumnの2つの名があります。
 元々イギリスで使われていた「秋」を表す言葉はharvest。ただ、harvestには「収穫」という意味もあり、その紛らわしさを解消したのが借用語のautumnでした。
 その後、詩的なfall of the leaf(「落葉・らくよう」でしょうか)という名が生まれます。
 「春」springは、spring of the leaf(葉が吹き出すイメージでしょう)が略されてそう呼ばれるようになりました。おそらくこの流れで生まれた雅語fall of the leafも同じ道を歩んでfallと略され、この2語のうちautumnが定着します。
 一方、この両語を携えて大西洋を横断し、新大陸に移住した人々の間ではfallが好まれて定着。autumnも使われますが、ちょっと襟を正したfallという印象があります。

 冒頭の驚きの言葉は
  Wow, (the) autumn/fall is in full swing.
とでも。


20世紀中庸の日本ではautumnで教わりました。

熟語 – SIT UP

sit up  寝ずに起きている

All eyes are on the election. A lot of people are sitting up watching the ballot count results come in. (選挙に注目が集まっている。寝ずに起きて票読みの結果が入って来るのを見ている人が多い)

映画や海外でのイベントを見て、遅くまで起きていることがありますが、そんな時に使われるのがこのsit up(寝ずに起きている)というイディオムです。同義表現にstay upがあります。

 また、I was up till 3.(3時まで起きていた)のようにbe up でも同じことが言えます。 I waited up all night.なら「寝ずに待つ」こと。

 sit upには、「上半身を起こす」や「腹筋(運動)をする」という意味もあります。例えば、
 The wolf sat up and talk to Little Red Ridinghood.
 I do 30 sit-ups.

月を跳び越えた牛の新しい話

これまたLINEで拝見し、一葉お借りしてしまった。写真家の杉山さんが最近撮られた作品です。

                            Eikoh Sugiyama

個人的トップ3に入る映画『2001年宇宙の旅』の月のようなたたずまい。この白さ、黒さ、たまりません。ここに蕎麦屋があって、その二階から地球が見えて、バックに「美しく青きドナウ」が流れていれば、滞在したいほどの美しさ。
 月の斑点もはっきり。あの上部中央から向かって右下方へヨコに寝たV字のような部分が、英語島から眺める月だと、向かって左半分の上部に位置するような気がする。で、お、立った耳だ、そしてその下に体のような・・・と、”ウサギ”をより強く感じる。ただ、しばらく行っていないので確かなところは不明。それに自分のアイフォンではそのあたりを撮ることはできない。やはりこうしたキューブリック的レベルへ向かうには、高価な機器を不動に設定し、あとは期待と忍耐とにまみれなければならないのでしょうね。
 こんな月が地平線か水平線近くに浮かんでいたら、マザーグースの雌牛でなくても、いっちょう跳び越えてやろうと思ったりするのでは。と、終わろうとして、思い付く。いや、思い月ました。あの

  Hey, diddle diddle,
  The cat and the fiddle,     
  The cow jumped over the moon.

のmoonには牛の鳴き声が入っていた! それで牛だったのか。ああああああ!!!!!!!!!!!!!!!!! 半世紀前にこの牛のライムと遭遇して幾星霜。その果ての2001年の名月に照らされて謎が解けるとは。MOO恨の至り。残念MOO念。

鹿は紅葉、さんまは目黒、moonはcowに限るということか。

馬でも羊でもTレックスでもいかん。じゃ、日本で月をジャンプして越える動物は何?・・・・・・ 日暮れまで話は月無いところだが、I have promises to keep. And kilos to go before I sleep.

杉山さんの名月からいろいろ出た出た。多謝です。