「赤鼻のトナー買い」 のような英語の小咄の紹介

赤鼻のトナカイ・ルドルフ君はこのシーズンの人気者です。これは当地のドーナツ店Holy Donutsで娘が買ったもので、ルーちゃんのプレッツェルの角(antlers)が見事です。

IMG_1159

それにつけても、クリスマスシーズンになると思い出すのが、赤鼻のトナカイ・ルドルフRudolph the Red-nosed Reindeerのジョークです。40年近く前に聞いたものを何故いまも思い出すのか。それは、分かって嬉しかったからでしょう。学びの基本です。内容は:

ロシア(当時はソ連でした)の町。カップルが道を歩いている。と、顔にポツンと来たので一方が「雨のようだ」と言う。もう一方が「いいえ、雪よ」と言う。議論になり、通りかかった知り合いのルドルフに向かって「同志ルドルフよ、教えて欲しい、今降っているのは雨か雪か」。ルドルフは「もちろん雨だとも」。女性が「でも雪のような感じよ」。ルドルフはそれに対して:「 <翻訳不能の落ち> 」
以下落ちpunch line入りのものです。解読に挑戦してみてください!

A Russian couple are walking down the street in Moscow, when a man feels a drop on his face. “I think it’s raining,” he says. The woman says, “No, it’s snowing.” And the couple starts a heated discussion. Then a man they know walks by. They stop him and asks, “Tell us, Comrade Rudolph, is it raining or snowing?”
Rudolph says, “It’s raining, of course.” The woman says, “But it feels like snow!” And Rudolph says, “Rudolph the Red knows rain, dear.”

落ちは: クリスマスソング「赤鼻のトナカイ」Rudolph the Red-nosed Reindeerに掛けたものです。落ちの一部Rudolph the RedのRudolphは、ドイツからロシアまで広く使われている男性名です。the Redはソ連の掲げた主義を象徴する「赤」であり、「ルドルフ・ザ・レッド」は何だか皇帝の名のようでもあります。とにかく、舞台がソ連(ロシア)であるのも、雨か雪かと議論するのも、ただただこの言葉遊びを仕掛けるためであり、冷戦時代にこうしたとぼけたジョークがあったことは、英語圏のユーモアの持つふところの深さを感じさせます。というわけで無理に落ちを訳せば:「ルドルフ・ザ・レッドは雨が何たるかを知っていますよ、奥さん」

IMG_1160 Doughnut forget to give me a like.

甲:「こんな極寒の日にコートも着ないでどこへいらっしゃる?」 乙:「トナーが切れたのでちょっとそこまで」 甲:「おお、これぞ本当の赤鼻のトナー買いだ」。こんなやり取りを思いついたら、それを土台にストーリーを作って決めるのが西洋ジョークの特徴です。このルドルフジョークも元はと言えばおそらくプロが考えたもので、それが受けて人口に膾炙し、市民が市民に(相手が知らないことを願いつつ)語ることになったという背景があります。語る前にStop me if you heard this joke.と定型の断りを入れるのが普通です。一方プロは、新手のオリジナルジョークを作り語り続けます。予定調和の中で行われる日本の伝統藝とは趣を異にする世界です。

写真の下の部分にある細長いドーナツMaple Baconは、long johnという名のドーナツにベーコンをのせたものです。これは私に持ち帰ったと言われ、I’ll try anything once.の精神で挑戦。感想は安全表現It’s different!でした。

2 thoughts on “「赤鼻のトナー買い」 のような英語の小咄の紹介

  1. 遠山顕さんのラジオ英会話をいつも楽しく勉強しています。このテキストを使い初めて3年くらい経過しています。本を読むだけでは無くて、ラジオでのケイティさん、ジェフさん、もちろん顕さんのアドリブや動物の鳴き声も 聴き取るのが、楽しみです。ちなみに Link site, D group に書きましたが、私達のDグローブは、ラジオ英会話テキストを使っています。このテキストで、レインディ、アトナカイ、スペルは、覚えられなくても 音は、忘れなくなりました。英会話literacyも楽しいです。質問ですが、何故英語では、単数複数にこだわるのかな?と。… ウキペディアでも調べられますが、トナカイと同じで、何か心に残る覚え方が、ありがたいです。来月からも楽しみです。北海道出身なんですね。もし機会がありましたなら 金曜日夜7時からのサークルに遊びに来て下さい。大畠、

    • 貴グループACCESSへアクセスしました。札幌でユニークな活動をされているのですね。うーむ、単複へのこだわり、それに誰のものかへのこだわり、インド・ヨーロッパ語族の原点へ戻ってもわからないかもしれませんね。ただ、このあたりから生じる人間関係での水平感覚はすごいものがあるかもしれません。Dグループ、頑張れ。機会があれば是非!

大畠洋一 へ返信する コメントをキャンセル

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です