Unseeing It

だまし絵のように、一旦目で認識したものを、認識前の状態に戻すことは結構むずかしい。ぼくの例を挙げれば、「トレイ」が「トイレ」に見えるときがよくある。トイレが近くになかったり、トイレが近くなってないときにも起こる。

この「ある視覚的認識(ここではitとして)を認識していなかった状態に戻す」つまり「見ても考えないようにする」ことをunseeという。接頭辞un-には「元の状態にする・戻す」という意味がある。
そして日々日本の生活文化に身を置けば現れる、「トレイ」や多くのだまし絵より、もっと頻繁に遭遇する厄介物がこれだ。

昨年だったか一昨年だったか認識してしばらくは「しないのにするとはアッハッハ」と楽しんでおったのじゃが、「庶民には漢字が難しいからのー」と鼻が高くなり、昨今は「ああここにもあそこにも! あああの穏やかな日々を返せ-」「ビックリマークを付けて両義的ambivalentな意味をひとつにせよ!」と錯乱状態になって店に乱入したくなる(薬師殿これは病じゃろうのう)。この心境を英語で冷静に言うなら

  Once you see it, you can’t unsee it.

だが、熱に浮かされて言えば

  It’s soooooooooo haaaard to unsee it!

もしあなたが、看板の最後に黒いマーカーでエクスクラメーションポイントを書き足している人を見たら、それは私に違いない。そのときは I came. I saw. I unsaw!「来た! 見た! 見なかった!」でよろしく。

en masse 大挙して 一斉に まとまって 

「アns」のように英語らしくない発音のラテン語からの表現で、報道でよく耳にします。
SNSに目に付いた投稿があり、そこで使われているので、紹介がてら転載します。

英国の兵士が大挙して退職、ウクライナ・ロシア紛争の代理戦争proxy war参加を拒否、という内容です。

・(?)We went to a yakirori shop en masse.
これはバランスがよくないため、その場合は、We all / A lot of us went to a yakigori shop.などと言い換えられます。

en masseの使用は、やはり”硬い”内容に合います。
・It’s getting unsafe in the city and the residents are leaving en masse. 治安が悪くなり住民は一斉に町を離れている。
・Older workers are being pushed off into early retirement en masse, and younger ones labelled as unproductive. 年配の社員はまとめて早期退職へと追いやられ、若い社員は非生産的というレッテルを貼られる。

世界は地殻も含めて激動ですね。

At “the White House”

6月に娘の家族と行ったロナルド・レーガン大統領図書館・博物館で。ホワイトハウスの執務室the Oval Officeを模した部屋もあり、そこでのフォトショップ写真。係が最初にオリジナルの集合写真を撮り、あとは退館時に、全室のフォトショップ写真をアルバムの形で手渡してくれる。

その他、当時の大統領専用機 Air Force Oneの実物やハリウッド時代の写真など。同時に、the Dead Sea Scrolls(死海文書・写本)の巡回展traveling exhibitionも開催されていて2000年以上前の旧約聖書の写本を目にすることができた。へブライ語はThat’s Greek to me.で、わずかにギリシャ語もあるとのことだが、That’s Hebrew to me.でしょうか。

涼風に外で煮染めをつまむ宵 

夕陽のがんもン 或いは 夕陽のパックマン でも通るかな? 丸い人参はつまらないのでパックマンにしたところ、題名にもなりました。紫蘇はベランダより。毎年出て来る紫蘇繁栄。

雁の肉に似ているという精進料理的語源説がある。ウィキ売りを披露すれば、関西では「飛龍頭」(ひろうす、ひりょうず)と呼ぶ。三菱商事サイト「味な話」https://ajibana.jp/trivia/463/によれば、

  「ひりょうず(飛竜頭)」はポルトガル語の「Filhós(フィリョース)」に日本語の音を当て、漢字で表記したもの。「Filhós」とは小麦粉に卵を混ぜ合わせ油で揚げた花の様な形のポルトガルの伝統菓子で、戦国時代に日本に伝わったとされます。つまり当時は、豆腐料理ではなくお菓子の一種であったようです。しかし、江戸時代末期頃には現在の「がんもどき」に近い「豆腐巻(とうふけん)」が、部分的に製法が似ていたため「ひりゅうず」と呼ばれるようになったとされています(諸説あります)。

  一方「がんもどき」は、江戸時代に考案された精進料理ですが、もともと材料は豆腐ではなくコンニャクで、味が雁(ガン)の肉に似ているからそう呼ばれるようになったと言われています。
しかし、いつからコンニャクが豆腐に変わったのか、なぜ、「がんもどき」と「ひりょうず」が同じものになったのかなど、はっきりした由来は現在も謎のままのようです。

「雁」は英語でwild goose。イディオムもあり、そうした話はまた。

  

キシャの旅

弟妹を訪ね、免許書き換えも含めて、ロサンゼルスと中西部間を空陸で旅したカミサンからの画像です。帰路の陸の旅は豪華で安価とのこと。ぼくは未だに「キシャ」という単語を使う癖があり、笑顔になってしまうけれども、いつかこのキシャの旅(食堂車を含む)をと思うようになってしまった。(^_^) 

キシャで思い出すのが、デンバー発の「汽車」で起こる男女のほろ苦い再会を描いたオー・ヘンリーの短編Hearts and Hands(1902)。ヒッチコック監督のStrangers on a Train(1953 )はディーゼル機関車の見知らぬ乗客二人を巡るスリラー。ボブ・ディランの”Slow Train”(1979)、よく聞いたな。再訪するに、いつもながら大事なことを歌っていたのだな。カーブをゆっくり曲がってやって来るキシャの意味を改めて噛みしめれば歯こぼれが。

All that foreign oil controlling American soil
Look around you, it’s just bound to make you embarrassed
Sheiks walkin’ around like kings
Wearing fancy jewels and nose rings
Deciding America’s future from Amsterdam and to Paris
And there’s a slow, slow train comin’ up around the bend

People starving and thirsting grain elevators are bursting
Oh, you know it costs more to store the food than it do to give it
They say, “Lose your inhibitions
Follow your own ambitions”
They talk about a life of brotherly love; show me someone who knows how to live it
There’s a slow, slow train coming up around the bend

花たち

帰国すると花瓶の百合はこのとおり。

庭を見るとまだあった! ユリカ! 

さっそく花瓶へ。

Yesterday-Today-Tomorrowを見ると、新しい小枝にたった一輪咲いている。 
先月の満開のあとの現在は、ルーキーがちらほら入団ということか。