Most Valuable Player: unanimously Otani!!!

Most Valuable Person: unanimously YOU! YOUnanimously!!!
けっこうやっかいな発言です。
誰に似ているのかにもよりますが、そう言われることがたまにあるなら(あまりなくとも)、とりあえず、
I get that. / People say that.「そう言われることあります」
Really? I usually don’t get that/hear that.「そうですか? あまり言われませんが」
あたりを使い、お終いになるよう祈りましょう。
よくあることなら、
I get that often./People say that often.
I get that a lot./People say that a lot.
と頻度を表してもよいですが、とにかくどんな有名人に似ているのかが引っ掛かりますね。それが億万長者で、あなたが百万長者なら、その「差」に相手の意図をはかりかねることにもなるでしょう。また、美男美女のセレブと比較されたとなれば、
Oh, thank you! That’s flattering!「お世辞にもありがとうございます!」
Really? You just made my day!「ええ? なんといい日になりました!」
あたりは必要ですが、相手がしつこく話を続ければ、Is s/he hitting on me?「自分を口説いている?」といった疑問も浮かびます。また、そのセレブについての話に持っていかれれば、S/he’s using me to talk about her/his favorite person.「大好きな人の話をするために私を使っている」という否定的な気分になるやも知れません。And vice versa.「そして逆(の立場になって)も(考え方は)同じ」です。

P.S. 加齢なる人生を送る者にとって、こうしたコメントを耳にする機会はもうあまりありません。
たとえYou look like Alain Delon.と言われたってあなた・・・You know what I mean.
古語「よとで」とは、夜に外出することで、万葉集にこの歌がある。
我妹子が 夜戸出の姿 見てしより 心空なり 地は踏めども
わぎもこが よとでのすがた みてしより こころそらなり つちはふめども
思う人の夜の外出姿を見て、舞い上がるこのハートよ、という作品のようだが、出る側、見る側それぞれに関して、いろいろな物語がふくらみそうで興味深い作品だなぁ。(night stalkerという危うさもありかな。)
万葉の頃の夜はどうだったのか。外には街灯もコンビニも、手には懐中電灯もない。
それにしても、「こころそらなり つちはふめども」は、そのイメージや響きのよさで、美事とぞ思ふ。
「戸出」という言葉に夜が付いているので、「戸出」は更に古い表現かも知れない。

ちょうどいい長さの仲見世通りと夜戸出の人々
富山県高岡市に「戸出(といで)」という町がある。油田(あぶらでん)という駅もある。一帯が灯油(ひあぶら)の元になる植物油の生産地だったことから、「ひあぶらでん⇒とうゆでん⇒といで」と読みや漢字の変換が起こったという。加賀藩から江戸初期に分藩された富山藩は、物流の要となる戸出地区開発の通達「戸出野開御印」を受けた。新藩は「『戸』を『出』でて『野』を『開』く」という思いを込めて取り組んだという。改めた地名に魂が宿ったような興味深い話だ。
古代や近世のこうした例を見るに、夜戸出、戸出とは、なかなかいい言葉ではないかな。
さて、なぜ急にこんな話になったのかというと、ここしばらく使っている言葉night walkerの分が悪いからだ。素直に「夜の歩行者・散歩者」で通ってほしいのだが、そうなりにくい定義があり、late night walkerにしようか、前回の最後のご教訓にあるようにnight amblerで行こうか、かつ日本語でも何かいい言葉はないかなと思い、まずは古語を訪ねたところ「夜戸出」にぶつかった。夜戸出人「よとでびと」がいいかも知れないなぁ。

モノレール通過を待つ夜戸出人の影。心空なり地は踏めども。おお、応用。

Seven-Eleven After Eleven
Omotenashiの一部を成すIt’s safe at night.という文句は絶対的なものではないけれど、ぼくは五体満足で何とかここまで歩いて来た。
車はというと、ハワイ州の免許は取得したけれど、何度もドボンするパドルボーディングのほうがまだうまいと自他共に認める腕前だけに、Sunday driverどころかsomeday driverというのが自分の正当なステータスだ。
一方、歩くのはそれなりに、昼夜を問わず、気が向けば夜の2時でも朝の4時でも、車のない道を行く。それにジェレマイア・ジョンソンやヘンリー・ソローのように大自然の中で暮らしているわけではないので、長くても2,30分歩けば、コンビニというサンクチュアリの灯が迎えてくれる。冬ともなれば、おでんや肉マン、ホットドリンクなどがあるので有り難さ倍増だ。

A Full Moon Over Lawson
今日の教訓 「老ナイトウォーカーは死なず、ただコンビニの中に消えゆくのみ」
Lesson of the Day: Old night amblers never die; they just fade into a convenience store.
What should I bring?「何を持っていきましょう?」
これはパーティ等に誘われたときに日英でよく使われる常識的質問。そして
Just bring yourself.「手ぶらでどうぞ」
が、これまたよく使われる返答です。

こうした楽しさ溢れるムードとは逆の表現に、「そこまで自分を持っていけない」、
cannot bring oneself to do something「何々するところまで自分を持っていけない」
があり、「思い切ってできない」「その勇気が出ない」「する気になれない」「するに忍びない」

といった否定的な心情を表すことができます。
気取ってエスカルゴを頼んだが、料理を目の前にすると、どうしてもひとつとしてエイヤ!と飲み込む気にはなれなかった、という次の例文をどうぞ。
I ordered escargot in an attempt to appear sophisticated, but when the plate of snails was set down before me, I could not bring myself to choke down a single one.
If you build it, he/they will come. 「それを建てれば彼(ら)が来る」
映画『フィールド・オブ・ドリームズ』から頻繁に引用される言葉で、itが何か、heやtheyが誰なのか、その謎が解けていく過程がうまく描かれています。主人公が若き青年の父とキャッチボールをするなど、一時野球少年だったぼくの心に(今様に)刺さるものがあちこちに用意されています。(初めて使ったけれど痛いね、この表現は。使い方をミスったかな。)

話は飛んで熊たちの出現が世を騒がせていますが、全国の森林を伐採すれば出て来るのは道理で、さっそく上のよく知られた構文を使い、予言風ですが、このように言えます。
If you cut down forests, they will come.
(後半は原典の味を残さず、they are bound to come out.のように「間違い無く」感も出せますが)。いずれにしても熊は森林伐採deforestationに行き場を失い、
I can’t even find the BARE minimum. They took it all away. I’m hungry as a BEAR. I can’t BEAR it. And it’s not us to BEAR the blame.
とこぼす余裕もないようだという話です。
冬眠もままならぬかな。手をくまねいては居られない。
