英語島に来て気付いた猫の額ほどの池の水の底知れぬ濁り。ここまで「の」を使うとワープロも黙るようだ。深刻さを感じてのことかもしれない。底知れぬといっても実際にはすぐ底なのだが、 過去に見なかったこの出来事。温暖化だろう。英語で藻類が花咲くとしてalgal bloom、日本語でも美しめに水の華と呼ぶ。これが酸欠状態を産む。それが海に発生するとその海域をdead zone(生きている魚もいるのだが)、日本語ではやわらかめに酸欠海域と呼ぶ。
そこで海は無理だけれど猫額池の水を出すのに登場する仕掛けがおなじみのサイフォンsiphonで、動詞にもなり、
We need to siphon the water out/siphon out the water.
と、現状で行うべきことを表せる。
siphon(syphonとも)は、ワイン樽wine-caskまたはwine barrelから中身をとりだすものpipe or tube for drawing wine from a caskを指し、その語源は不明とある。自分ではSiphonという人物が発見したのだろうと思って気にも留めなかったのだがネット上で数秒の間に?が!となる現代魔術。
桜花を愛でていたところに別の華が水を差し、金魚逝く。世界で一番短いとされる詩のひとつを想起。オグデン・ナッシュによる逝った金魚へ捧げる叙情詩を捧ぐ。
Ode to a Goldfish
Oh, wet
Pet.
とまれここはカート・ヴォネガット式に、
So it goes.