10数年前のこの季節、近所を散歩中に、何だか夢のようなよい匂いがただよってきて、誘われて行き着いた先が、ニオイバンマツリ(匂蕃茉莉)という和名の木でした。「匂蕃茉莉」の蕃が外国、茉莉はジャスミンティー茉莉花茶の茉莉です。2メートルくらいにはなるらしい。
花の香りがジャズミンのそれとよく似ているので「アメリカジャスミン」という和名もあります。それに加えて特長がもうひとつ。花が三色に変化するのです。まず紫色で開花し、そのあと赤すみれ色に変わり、最後に白くなって終わる。
そして3つめの特長がその英語名。
yesterday-today-and-tomorrow!
語尾のあとの!はこちらの興奮によるもの。名の由来はまあおそらく、
The flower was purple yesterday: today it’s light-lavender: and tomorrow it will turn white…
ただ花は3日では終わらず、白くなっても香りは消えません。昔、イタリア映画にビットリオ・デシーカ監督の『昨日今日明日』というヒット作がありましたが無関係。関係があるのは下田にある了仙寺。境内には1000株のアメリカジャスミンが一斉に咲き乱れるとのこと。近隣に米国初代領事館となった玉泉寺があり、領事タウンゼンド・ハリスが職住一体にしていたところ。でも、ハリスが植えに行ったわけではなく、1960年代から同刹が独自に植え始めたらしい。この10数年、行こうと思って果たせずにいます。
英名は他に、morning-noon-and-night、kiss me quick、ブラジルやアルゼンチンが原産国のためか、Brazil raintree。
4月ハワイにて。ある廃屋の前庭で見つけたyesterday-today-and-tomorrow。向こうの茂みには車が放置されたまま。ちとセンチメンタルな気分に。