誰にも否定できないこの至言は19世紀前半に生まれた決まり文句だといいます。
Enjoy material things while you’re alive.(物質的なものは生きている間に楽しむこと)
とThe American Heritage Dictionary of Idiomsにありました。
日本の「持ってけない」の英語版です。
この言葉が人口に膾炙したのは20世紀前半で、ピュリツァー賞受賞の舞台喜劇(1936年)とその映画化(1938年)によってアカデミー作品賞を受賞したYou Can’t Take It with Youの成功で、一挙に大衆文化に定着したということです。日本では『我が家の楽園』という名で公開されています。
私はこの喜劇を学生時代に(英語で)やったことがあります。
思えば人生のスタート時に、この金言に親しむことができたわけです。
ストーリーは、個人主義者たちの一家a family of individualistsの生き様を描いたもので、主のマーティン・ヴァンダーホフの次のセリフに見ることができます。
(兵器工場を経営するMr. Kirbyに向かって)Maybe it’ll stop you trying to be so desperate about making more money than you can ever use. You can’t take it with you, Mr. Kirby. So what good is it?
ひょっとするとそれが、使え切れないほどの金を稼ごうと必死になっているあなたを止めることができるかもしれませんよ、カービーさん。あっちには持って行けませんからね。何かいいところがありますか?
(stop 誰々 from doing somethingはstop 誰々doing somethingとも言えます)