何気なく始まる。これは詩だぞと声を大きくせず、日常英単語が並ぶ中で、実は絶妙の韻を踏み、最後にとても深い場所へと読む者を招き入れる。木と道と雪の詩人、ピュリツァー賞を4度受賞したロバート・フロストの、これは特によく知られた作品(1923年発表)です。
6歳まで一年の半ば近くを雪と暮らした北海道を想いながら。拙訳が役立つことを望むばかり。
アイアンビック(弱強)のリズムで、強拍は各行4つあるので、その辺りを意識して進むと楽です。
Stopping by Woods on a Snowy Evening
Whose woods these are I think I know.
His house is in the village, though;
He will not see me stopping here
To watch his woods fill up with snow.
この森の持ち主が誰か私には見当がつく
彼の家は村にあるのだが
彼には見えまい私がここで歩を止めたのが
彼の森が雪で満ちるのを眺めるために
My little horse must think it queer
To stop without a farmhouse near
Between the woods and frozen lake
The darkest evening of the year.
私の小馬は奇態に思っているはずだ
あたりに農家もないのに止まったことを
この森と凍結した湖の間で
一年で最も暗い夕刻に
He gives his harness bells a shake
To ask if there is some mistake.
The only other sound’s the sweep
Of easy wind and downy flake.
彼が面懸(おもがい)の鈴を一度揺らす
何かの間違いではと問うために
音はといえばあとは吹き過ぎる
わずかな風と降る綿雪
The woods are lovely, dark and deep,
But I have promises to keep,
And miles to go before I sleep,
And miles to go before I sleep.
森は美しく、暗くて深い
が私には破れぬ約束がある
まだ何マイルも行かねば眠る前に
まだ何マイルも行かねば眠る前に
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ライム構成(脚韻の踏み方)を見ると
AABA BBCB CCDC DDDD 最初のスタンザで”余った”Bという音節が、次のスタンザで主たる韻となり、そこで韻を踏まなかったCが、次のスタンザの主役となりという具合に無駄なく繋がっていくchain rhymeと呼ばれる構成になっている。高校の頃習い当方は名前だけ覚えているルバイヤート(ペルシャの詩人ウマル・ハイヤーム作)に現れ、以降大小の連鎖のようなライムが作られ、フロスト氏もこの作品で応用したという。
テレビ番組を観て思い出しました。
1999年ごろにJICAの仕事に加わることができました。
英語を学んでいたことが大きな理由です(あとは派遣先で潰れないであろうタフさ)。
嬬恋村の山奥で電波の良いところを車で探しながらぐるぐる回りながら口ずさんでいました。
先生は北海道出身なのですね。
たいへん心強く思います。
今は北海道の安平町に住んでいます。
道央育ちの五十代の男です。
冬です。
くれぐれもご自愛ください。
有り難うございます。なるほど口を使うことこそ基本ですね。元気で雪ましょう。