今日の『ラジオ英会話』 無冠詞のface イディオムを見つめて 3

「バツの悪い思いをする」 Having an Upsetting Momentというタイトルのダイアログです。冒頭に女性が、

I lost face at work. (職場で恥をかいてしまったわ)

と言います。lose face(直訳:顔を失う)に一番近い日本語表現に、「面目を失う」があります。

この英語表現は中国語に由来するとして、The American Heritage Dictionary of Idiomsには次の説明があります。

Be embarrassed or humiliated, especially publicly. For example, Terry lost face when his assistant was promoted and became his boss. Both this expression and the underlying concept come from Asia; the term itself is a translation of the Chinese tiu lien and has been used in English since the late 1800s.

ある中国語表記には「失面子」があり、これは日本語が「面子を失う」として借用吸収。

faceは無冠詞です。lose a faceだと「あるひとつの顔」、lose the faceなら「その顔」となり、実際に誰かの顔をなくす生々しいイメージが浮かぶ。lose my faceだと、怪談「むじな」で、シニアの男性を夜更けの紀伊国坂で死ぬほど怖がらせるノッペラボウの蕎麦屋的現象が自分に起こることになる。というわけで概念的象徴的な無冠詞・無所有代名詞の”手”が施されています。

ちなみに「面目を保つ」という意味のsave faceという表現もあります。

11 8月4日 遠山顕先生 092 (1) 八雲作「むじな」  自分の顔を失って相手の肝をつぶす趣味の悪い蕎麦屋を語るYours Truly

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