AIとユーモア

無私・滅私の精神がチームを作るという言い回しが英語にもある。
  There is no I in a team.
 たしかにTEAMの中にはIがない。
 次の新聞記事の見出しはこのよく知られた格言のもじりです。


このヘッドラインの意味は、「HUMORは、AIが入る余地のない分野」ということ。翻訳機の進化はめざましい。チェスも碁もAIは強い。英文を音読させても、内容語を拾い機能語を捨て、強弱や抑揚をつけて進むその能力はすごい。読み間違えてExcuse me.と言うこともあるかな。声も速度も色々に出せるようだし、知識の吸収力もAI並み・・・というか明喩の右に来るものがない。そのうち拙番組もやってくれそうな勢いだ。2045年に巨大な変化があるようだが、どうしてもその年を目指して突進を続けるのかな人類はAIと共に? ヘアカットなどという一番無理そうな分野まで進出するのだろうか。「サイドバーンを切るので脚は組まないでくださいね」とか言うのかな、新米のヘアカッターAIは。私のヘアカッターのお二人は楽しく面白く、真似をするのは大変だと思うけれど。そこで、いまのところ、
  There is no AI in humor.
というのがこの記事(情報下記)の趣意。たとえば、

  「魚釣り用のウキがうなだれてバーに入ってくる。それを見てバーテンダーが、どうしたんですか、浮かない顔して?」

と、このジョークを聞いたAIが、「すぐわかっちゃいました」「それって面白いのですかぁ?」「ブーッ」「あはは」「オモシローイ」「座布団1枚上げません」などと反応できるだろうか。それも雇い主に向かって。私に言うなら構わないが、たぶんそうした反応は無理だろう。ノックノックジョークを作らせる研究も進んでいるようだが、意味はわかっても面白さや、そしてこれがノックノックでは重要なのだが、「面白くなさ」(?)がわからないのではないのではないのでは・・・と迷ったりする今日この頃。高校時代SFマガジンを購読していたから言うのではないが、ロボットにコントロールされる人類の話はずいぶん読んだし、その老舗のアイザック・アシモフは20世紀前半から1世紀先を眺めてていたに違いない。ジェームズ・キャメロンもSkyNetを越えて創作を続けている。

 我々は「造物主」が作ったとよく言われるが、こちとら物は物でも「人物」だいと頑張っているところもある。AIは正にこうした人物たちによる造物実験の局地かもしれない。元IBMでThinkPadを作った友人がやっぱり2045年と言っていたなぁ。Singularityと呼ぶ世界がスタートするという。singularかpluralかで未だ騒いでいる私など、マイクにしがみついてもしょうがないような世界なのだろう。

 さて、さっきのウキの話は私が英語版をベースに造物したもので、そのオリジナルの英語ジョークは馬がバーに入ってくるというもの。そのひとつ、

  A horse walks into a bar. The bartender says, “Why the long face?”

 うかぬ顔long faceと馬を掛けたもので、こうした「ナニナニダレダレがバーに入っていくる」で始まるジャンルジョークが馬の数ほどあり、時と場を選んで語られる、そのTPOや語り方、語ったあとの謙遜・得意満面・自己嫌悪といった諸々を覚え込ませることができるのだろうか・・・。

バージョークのカテゴリになりつつあるロボットジョークの代表的なものがある。

  A robot walks into a bar and says to the bartender, “I had a big day. I need something to loosen up.” The bartender gives him a screwdriver.  
  1体のロボットがバーに入ってきてバーテンに「今日は大変な日だった。何か心身がほぐれるようなものを頼む」と言うのでバーテンはスクリュードライバーを差し出す。

 screwdriverとは日本語ではドライバーという名でおなじみの道具でありカクテルの名でもある。そこまでAIが解ったとしても、そのpunがなぜおかしいのかは不明ではないのか。

 この点でのみAIとIのあいだにはまだまだ大きなギャップがあると伝えるこの記事で特に注意を引いたのが次の部分だ。

For comedians, that’s job security. Bishop said her parents were happy when her brother became a full-time comedy writer because it meant he wouldn’t be replaced by a machine.

結論: 私はもう少し人物をやっているつもりだから、どうせなら2045年を最終目標にして、コメディーライター志望はさておき、駄洒落力だけでも磨いておきたいと思う。

 なお記事の出だしの、A robot walks into a bar. It goes CLANG.(goes CLANG.は「ガシャンと言う」あるいは「ガシャンとなる」)は、バージョークの世界に入ったロボットが、どうしたらいいのかわからないことを表している。

コメント: AI関係の皆さん、少しはボットしたところがあっても良いのでは。

なおこのThe Los Angeles Times発の記事全文は
https://www.latimes.com/business/technology/la-fi-tn-artificial-intelligence-humor-jokes-20190401-story.html

2 thoughts on “AIとユーモア

  1. >There is no AI in religion. AIに「神」という概念は持てるのでしょうか?

    Only God knows. でしょうか?

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