ヤモリについて

今は遙か遠き英語島のヤモリgecko。

”It’s so hot out I can’t get going.”

日本の多くの地方でヤモリは家を守る神的な存在。英語島でも同様。家でケッケッと鳴く。爬虫類。ちなみにイモリは両性類で日本では井戸を守る役目があるらしい。
ヤモリgeckoの語源はその鳴き声から。
イモリはnewt。元はan ewteで、それが、a newtに変化したもの。

そのヤモリが変なときに顔を出すことがある。

 Her new album sounds perfect from the gecko.

これは
 from the get-go
というフレーズの聞き違い。
 get going(スタートする、始める)
から連想できるように、the get-goには「始め、最初」の意味があり。
 「彼女の新アルバムはスタートから完璧」
ということです。

get-goの発音は、getの/t/を言ったつもりで一瞬息を止め、goにつなぐ。「月光ウ」に似たもの(「月」の音を高く)。

geckoは、一瞬息を止めるところがないので、「下戸ウ」。

微妙に違う発音なので上のような空耳が起こる。

ちなみに、映画『ウォール街』でマイケル・ダグラスが演じる主人公の投資家mの姓名は、Gordon Gekko(Geckoでなく)で、欲にしんにゅうがついたような人物。彼の、
  Greed, for lack of a better word, is good.(欲は、より良い言葉がないので、よろしい、としよう)
というセリフは、80年代後半のバブル金融界を風靡し、やがてGreed is good.(欲はよろしい)と略された形で定着。
  Greed is good. ― Gordon Gekko
と、頭韻のGが並ぶ。名がWolfeのような威勢の良さがないところも興味深い。いや、get goの響きもありそうだ。
 相手役の名がFox、その他Wildman、Lynchなど、興味深い名のキャラクターが登場する。

インドネシアに
 Cyrtodactylus gordongekkoi
なる種名のヤモリがいるが、後半の種小名は,この映画のキャラクターにあやかった命名だという。

☆ He is rich that has few wants. ―― Kona Gecko, et al.

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