最後の一葉

散歩でよく通過するツタの這う長い壁。

 

これが秋の終わり

これがつい先日

O・ヘンリー「最後の一葉」を想起。

人生唯一の傑作をレンガの壁に残して逝った無名の芸術家の姿が、
無一文で世を去ったNYCの人気作家と重なる。

それにつけてもそのタイトル、The Last Leaf、頭韻も踏んで、よぉ、ヘンリー、お見事。

井上宏さんの本 「井上宏の見ーつけた!笑いとユーモア」

院生活中に頂いた本をやっと拝読しました。

 井上先生は「笑学」という分野を開発された方で、この本にはKeep on smiling!への言及が2カ所もありました!
 笑いやユーモアの真髄は意外性に有りと常々思っていますが、意外なことが多々ある本です。
 「ラジ英」を愛聴頂き、さらに著書をご恵贈頂き、ありがとうございます。
 正に、笑いやユーモアに興味のある方にお勧めです。

今日のラジ英 Hauntについて

hauntは動詞だと、まず「幽霊が取り憑く・たたる」という意味があり、ひと昔前のホラーものには、
  I’ll haunt you! I’ll come back to haunt youuuuuu!
といった場面がよくありました。
  The ghost of the dead wife haunts the house.
といえば、ラフカディオ・ハーンの「葬られた秘密」The Dead Secretの状況です。
そうした家で、かつ大きい所は、haunted mansion(取り憑かれた屋敷、幽霊屋敷)と呼ばれ、ディズニーランドにも一軒あります。

 映画に、The Haunting(『たたり』1963年)というタイトルの作品があり、ぼくは1999年のリメーク(『ホーンティング』)しか見ていないのですが、立派な出来とは言えず、そのネガティヴな後味が、It haunted me for quite a while.でした。1963年版のフルムーヴィーがYOUTUBEにあるようなので、いつかチェックしようと思います。
 見えないものを感じさせるというのが”古い”映画の良いところでもあり限界にもなっていましたが、今はCGIを使って出来る限り見せるという方向があり、見せるものがそれなりに怖くないといけません。見えないものが見えないままで怖いという世界が懐かしい。ぼくがラジオ好きなのは、古い人間だからかもしれません。

 このThe Hauntingについて、Rotten Tomatoesという映画評のサイトのapproval ratingを見ると、
  オリジナル:86% https://www.rottentomatoes.com/m/1009277-haunting/
  リメーク版:17% https://www.rottentomatoes.com/m/1090789-haunting/
 と圧倒的な差があります。
 映画の批評家とアマチュアのコメントがアップされています。興味と時間のある方は是非。

 「スターダスト」は、小学生の頃、意味もよく分からずにナット・キング・コールと一緒に歌っていた曲ですが、その歌詞には、
  The melody haunts my reverie.
 という部分があり、「(去りにし恋人を思うとき)このメロディーが私の夢想につきまとって離れない」ということです。hauntを形容詞にして、
  It’s a haunting melody.
などと表すこともできます。この形容詞は「忘れようにも忘れられない」といった意味合いを持ち、美しい、あるいは忌まわしいメロディー・出来事・イメージなどに使われます。

 さて今日のラジ英のタイトルOur Old Hauntsですが、このhauntは名詞で、「よく出入りする所、よく行く店」を表し、「たたり」とは無縁です。oldがつくと、「昔よく行った所」のことです。やっと出ました、hauntに明るい用例があるのです。「よく出る」でなく「よく出たり入ったりする」ほうです。

ビジュアル 内容語と機能語

去年の夏、量販店を歩いていたら、DVD売場で英語音読の基本を発見。

in theのポイントが小さく、singin(g)とrainがどーんと目に入ります。

内容語(文字通り内容情報を持つ語。名詞、動詞、形容詞、副詞など)を強調し、機能語(いわばテニヲハに当たるもの)を弱めるのは、英語を原稿から読んだり、話したりするときの基本です。このベーシックなお約束を(ベーシックですから例外もありますが)守ると、英語らしいリズムが生まれ、自己流でない、話しやすく聞き取りやすい英語が生まれます。

機能語の代表に前置詞、冠詞があります。これが上の『雨に歌えば』では何と音声でなく視覚的に弱化されています。話すように描いてあるのです!!!!

(と、驚くなかれ、こうした例は無数にあります)

となりをみると、さらにこんな例も。

これはぎゅっと狭いスペースで目立たせるためのテクニックであり、それはそのまま、ぎゅっと自然な速度にして話すときに機能語を弱めるテクニックにつながっているのです。

日本語では、一語一句をはっきりと、という基本があるので、DVDのタイトルでこうしたテクニックは通常使いられません。長いタイトルの映画としても有名な次の作品でさえ例外ではありません。

これを「の、で、を」を弱化し、「世界、中心、愛、叫ぶ」を強調すると、英語的な日本語になります。試しにどうぞ。

ただ、日本にも、たまにこんな例もあります。

といっても「の」の弱化を求めるものではありません。省スペースのためのみです。それに最近の日本語には逆にテニヲハを目立たせる傾向すらあるようです。それにしても、こりゃまた、なかなか深そうなタイトルですが。

今日の暦 さくら草

カミさんからクリスマスにもらったガーデニング暦の今日のページには、primrose(さくら草)の由来が載っています。first roseの意味を持つprime roseがその語源。バラに似ているのと、春一番に咲くことから、「第一のバラ」ということでしょうが、ただ現代では、すでにこの季節に元気に出回っています。これもひとつの温室効果でしょうか?!

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この暦は、米国の伝統的な年鑑The Old Farmer’s Almanac(老農家の年鑑)をもとに、特にガーデニング好きのために作られています。その年鑑は1792年から続く北米最古の出版物で、天気予報からファッションまで、果敢な年間予想が立てられています。例えば3日前の13日の金曜日にあったのは、

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「伝統的に、この日が一年で最も寒い日である」とあり、実に”果敢”なところを見せています。ただ、1月という月は2月より寒いという話もあるようですし、とにかく225年の歴史を持つこの本に楯突く気はありません。

この年鑑に興味のある方は、このサイトのLOOK INSIDEをクリックすると中身を覗くことができます。https://www.amazon.com/Old-Farmers-Almanac-2017-Anniversary/dp/1571987029

ちなみに「暦」の語源は「日(か)読み」とのこと。

また、primroseが「第一のバラ」なら、さくら草のさくらもバラ科のようで、おお、マッチングOK! ですが、ただ、さくら草はバラ科ではなくサクラソウ科の植物だそうで、小生の脳内がサクラんしソウ也。素人のガーデナーにはある程度のいい加減さが必要也と見ています。

蝶を見て思い出すこと

夏の始め、散歩中に、道ばたに横たわっている蝶を見つけ、手に取って、しばらく一緒に歩きました。

手に乗ったまま、こちらを見て羽を一生懸命広げているようで、思わず感情移入。

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蝶をじっくり見ていると、「胡蝶の夢」という中国の話を思い出します。荘周という男が自分が蝶になった夢を見た話で、すっかり蝶になりきって飛びまわり、忘我の幸せを感じるほどだったのだが、やがて目を覚ませば、そこには紛れもない自分がいる。さあそこでわからなくなる。あのときの私は人間で、自分が蝶になった夢を見ていたのか、それとも今の私は蝶で、自分が人間である夢を見ているのか。

この話の出典は荘氏(Zhuangzi)で、英語圏でもある程度知られていて、例えば次のような英訳があります。

“Once upon a time, I dreamt I was a butterfly, fluttering hither and thither, to all intents and purposes a butterfly. I was conscious only of my happiness as a butterfly, unaware that I was myself. Soon I awaked, and there I was, veritably myself again. Now I do not know whether I was then a man dreaming I was a butterfly, or whether I am now a butterfly, dreaming I am a man.”

このお話、人生振り返れば夢かうつつか、栄華も幸せも短く儚いもの、といった風にまとめられることもあるようです。なるほど、強者が弱者の犠牲の上に殺戮と国盗りの日々を送った二千数百年前の中国は戦国時代の枯れ野に咲いた一輪の小百合のような想いではある。

すこし誇張した結論かもしれませんが・・・

 

 

風から生まれたフレーズ

音量を下げてからご覧ください。

12月の街角。

慌ただしくやって来てパッと消えるこの「つむじ風」。英語ではwhirlwind、「ワーウィンd」的発音で、whirlに第一アクセントが来ます。whirlは「渦卷き」で、そういえばあのニール・セダカのヒット「カレンダーガール」の一節にあったのが
“…yeah, yeah, my heart’s in a whirl …” 「・・・そうさ そうさ ぼくのハートは大混乱・・・」

Calendar Girl: https://www.youtube.com/watch?v=8CMGSMYcg0s

その真偽はともかくも、つむじ風の特徴である短さと慌ただしさをとらえた表現に、
  It was a whirlwind visit.(慌ただしい訪問でした)
があります。
その他に、
  a whirlwind romance(短く燃えて消えた恋)
  a whirlwind tour/trip(次々に目的地を訪れる大急ぎの旅)
など。

これはネットで見つけた、つむじ風と一枚の木の葉の、役割付き変わりノックノックジョークです。

木の葉: Knock, Knock
つむじ風: Who’s there?
木の葉: Leaf.
つむじ風: Leaf who?
木の葉: Leaf me alone.

ダコタの言葉

Dakota also says,
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“Enjoy life now. This is not a dress rehearsal.”

注:色々なバージョンのある詠み人知らずの言葉。dress rehearsalは公演前の最後の総合通し稽古で、日本では「ゲネプロ」と呼ばれるものですが、外猫の世界には無いようです。スポーツ界に「稽古横綱」あるいは広く「練習横綱」なるイディオムが有りますが、これはリハで堂々名人、本番で緊張し過ぎて・・・ということ。

ビジュアル早口言葉 

ある程度手強し。
逆にしてもやはり。
二語をくっつけることができるまで面倒かも。
一息5回どうぞ。

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/r/と/l/音がまだまだという方はすぐに練習習得のこと。話すのが嫌いな一大原因となる恐れあり。
Risten and plactice!?

2017年 元旦な話

久しぶりに国内で元旦を迎えました。
無風快晴!
ゴーストタウンのよう、という噂を聞いていたので、様子を見に朝の散歩に出たところ、歩くのがいとも簡単!

駅前にて。9:00 a.m.

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ロスアンゼルスの知人がNew Year’s EveやNew Year’s Dayはどこもpeoplyだと、新語(未だ市民権は得ていませんが)を使って嘆いていましたが、東京は逆。地理用語を借用すればpeoplessでしょうか。

この東京は映画『渚にて』のサンフランシスコやサンディエゴのようです。
その映画On the BeachのWikipedia以外のリンクとしては:
href=”http://www.imdb.com/title/tt0053137/”>http://www.imdb.com/title/tt0053137/

いつもは賑わっている公園に、バギーを押す人などちらほらのどか。

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英語でIt’s a walk in the park.というと「公園を散歩するようにとっても簡単、楽勝、朝飯前」のようなvery easyという意味で学業や仕事を表すことができます。ある辞書に「ちょちょいのちょいだ」もありました。

Online Oxford Dictionaryの定義では、
Something that is very easy to accomplish:
‘As any director will tell you, doing Shakespeare isn’t a walk in the park.’
この例文は否定の形で、「大変なこと、あなどれないこと」を表し、同義表現にno picnicもあります。

これらのフレーズでで私的例文を作るとすれば、
The year 2016 was no picnic. I hope it’s going to be a walk in the park this year!

元旦な散歩のお話でした!

今年もどうぞよろしく!
Keep on smiling!!
And I’ll keep on walking and smiling!