ハワイ島へ渡り、東西の交わる場所の英語を聞いて学び、文化を見て感じる”定点観測”をしてきました。ただ今回の院体験で、大事をとって離れていましたが、7ヶ月振りに観測地に戻りました。飛行機から国際空港の地面に降りる”システム”は健在でした。その古さが好きです。
It’s old school and I like it.
清泉女子大学で長年教鞭を執られ、「ラジオ英会話」や「いまから出直し英語塾」、そして現在「ラジオ深夜便」を担当されている大杉正明教授の最後の高座、いや講義に出席しました。1時間半、英語の誕生から英語の将来まで、星の数に迫らんとする勢いの駄洒落と共に語られて、満員の聴衆を楽しませていらっしゃいました。
当方が10月帯広での鼎談をすっぽかしたこともあり、お目にかかれて嬉しき限りでした。
ご退官後は、また別の素晴らしき面白人生が待っているのであろうなあ。
先生とのお話を待つ長蛇の列に割り込んで、「英語熟」のプロデューサー高柳光治さん、大杉先生、落語・英語落語の桂かい枝師匠とご一緒に。撮影は最近ジュエリー・アイスをテーマにした写真で世界に飛び出したJOYイングリッシュアカデミーの学院長で写真家の浦島さんです。
あれだけの駄洒落が並んでも、大杉るとぞ感じさせないところは、やはり名人です。

大杉先生、まずはお疲れ様でした!
1週間前の今日はGroundhog Dayでした。毎日暦をきちんとめくらないとこういうことになる。
groundhogはリスの一種で、暦を見ると、

自分の巣を作るのに、(2ポンドが1キロ弱なので)700ポンドの重量の土を掻き出すという、タフなマイホームアニマル。
別名woodchuckで、ウッドチャックと辞書は読んでいますが、この名はおなじみ、次の早口言葉界の主人公。
How much wood would a woodchuck chuck if a woodchuck could chuck wood?
文が仮定法なのは、woodchuckあるいはgroundhogは、土を放るのであって、木材は投げないからでしょう。
groundhogはまた、この2月2日に、冬眠を終わって土の中から出て、自分の影を見たら冬はまだまだ長いが、影が見えなかったらそのまま次第に春になる、というドイツ移民のもたらしたfolk wisdom(民衆の知恵)の主人公でもあり、この「土ブタ」と直訳しては可哀想なほどかわいらしいところのあるマーモットは、英語圏の文化で活躍する結構大物なのだ。
上を言い換えれば、晴天だったらまだまだ冬、曇天だったら春は早いということ。元々、Candlemas聖燭祭という儀式(2月2日)が「節分」のポイントと考えられていたことが由来で、
If Candlemas be fair and bright,
Winter has another flight.
If Candlemas brings clouds and rain,
Winter will not come again.
といったゆかしきライム有り。ウッドチャックと鬼は別として、日本の節分と重なるところ大。
僕の好きな喜劇映画『恋はデジャ・ブ』は原題がGroundhog Dayで、

2月2日が延々と繰り返されるという、『ゴーストバスターズ』の名喜劇ライター、ハロルド・ライミスの脚本を、ビル・マレイとアンディー・マクダウェルが大変面白く盛り上げている。同じ日が繰り返される中、マレイだけが疑問を持ち、次に何が起こるかをやがてすっかり覚えてしまい、飽きてピアノを習ううち、なんとうまくなったり!という、継続は力的教訓が有りや無しや。リスニングの材料に持って来いかもしれず(同じ場面が繰り返されるので次第にわかってくるかも)、お勧めします。