山茶花

daywalkerと言うと、昼間も歩けるバンパイアのことらしい。nightwalkerにしても何とかしないと。

円覚寺の入口でクリスマスカード用の写真を撮る。横須賀線の線路の反対側にある池のほとりに、白い山茶花が白昼の陽を浴びている。冬だなもうそろそろ。白鷺池(びゃくろち)と呼ぶとある。しらさぎいけでもよいような気もするがのう。

Sasanqua in the noonday sun

THE A-OKAY SHRINE

ゴルファー青木功選手は英語圏で「エィオゥキィ」のような発音で呼ばれているという。「最高」の意味のA-OK/A-okayと半ば共鳴させたニックネームだ。
 市境いを越えて横浜市に入り暫く歩くと栄区の青木神社がある。もちろんその名故に僕はA-Okay shrineと無許可で呼んでいる。

石段の天辺の木々の間から富士さんがよく見える、というか、よく見える季節になった。石段の要所要所に段数が記され、登り切ると左手に望遠鏡が置いてある。広くはない境内には祠をはさんで狛犬が2頭。横にはグッズの店がある。しばらく行ってないなぁ。まだ犬君たちはマスクを付けているのかなぁ。すたこら行ってみようか。

北北西2

ヒッチコック映画の和訳タイトルのように、「北北西に進路を取れ」と言われれば、前回最後の画像のような矢印の方向に向けて「ラジャー!」となるのが日本語です。
 ただGo north by northwest.という英語指示には問題があるようです。それは「北北西」の略号、

  NNW

のように、そのまま

  North-northwest.

と伝えるのが正式だという大方の主張があるからです。
 理由は、大元の海洋用語は全て「by無し」だからです。ship「船」は海のみか空ではairship「飛行船」、さらに上空ではspaceship「宇宙船」に応用され、動詞navigate「操舵・操縦・航行する」は陸海空宇宙で利用されています。ですから「船ではこう言う」という意見には歴史的重みがあります。それに(宇宙はともかくとして)、North by northwest.という指示だとbyのあとまで待たねばならず、North northwest.の簡潔さが好まれるのは当の然ではと思われるのです。ただ、「by付き」の使用例を挙げる説も一部ありーーこの映画タイトルの影響か? I choose not to choose.です。

 更に、この何ともてんやわんやのロマンチックアクション人違いサスペンスマザーコンプレックス克服物語の初稿段階では、最終地点がアラスカで、ニューヨークから「北北西」の方向にあり、それにNorthwest社の名を利用して両義的な意味を持たせたという話もあって、このタイトルは作品同様「大問題作」なのです。

 フーッ、どうも疲れる話で、四分の三まで来ましたが、残りは恐縮ながら次回に(^_^;)・・・

YesterdayのワーキングタイトルScrambled Eggsは有名。この作品のヒッチコック監督のオリジナルタイトルはThe Man in Lincoln’s Noseで、逃げる男がリンカーン像の鼻の中でクシャミをする場面を想定していたが、当然ながらスタジオ側にvetoされたとのこと。
 


 
 

『北北西』

前回、「西」の話になりましたが、そうなると「北北西」が出ずには締まらないかなぁ。あの、子供時代から中年時代まで、わかったつもりでわからなかったヒッチコック作品『北北西に進路を取れ』という映画タイトルのことです。原題の

  North by Northwest

は「進路を取れ」とは言っておらず、「北」と「北西」の間の方角を指しているように見えます。
 ただ、by Northwestで、「ノースウエスト航空で」ではないかという推測が生じ、「ノースウエストで北へ」という解釈もできそうです(邦題はここから「進路を取れ」になったのかも知れません)。
 で、実際の映画(もう何度見たことだろう)はどうかというと、主人公はニューヨークからスタートし、シカゴからサウスダコタ州のラビッドシティへと移動しますが、これだと方角が「西」westじゃん! 飛行機は2度出て来ますが、CIAと悪の組織のもので、民間機じゃないじゃん!というわけでノースウエストの予約はキャンセルするしかありません。
 ですから、いつノースウエスト機が出て来るのかなと思ったぼくのような観客は、完全な待ちぼうけを食わされたまんま、最強のお茶目なエンディングで幕が下りてしまうのです!

 誠に人騒がせな和英の題名で、半分まで来て疲れてしまい、残りは次回のお楽しみに(^_^;)

この赤いアローもまたTRICKYだ!
それにラシュモア山の巨大彫刻は一人多くないか。
NAUGHTYでCOCKYな面もあるようだ。

  

  

  

 I am but mad north-northwest. 

西向く2機

前々回、「Southern California(長いのでSoCalと表記されることもある)では決して雨が降らない」というヒット曲を紹介しました。その歌詞に、主人公が西行きのボーイング747ジャンボ機に乗ったという、次の文がありました。
  Got on board a westbound 747.

また前回の歌「朝の雨」Early Morning Rainでは、ボーイング707機が登場する部分を紹介しましたが、実はそのあと、同機に再び言及する、次のような一節があります。

Hear the mighty engines roar.
See the silver wing on high.
She’s away and westward bound.
Far above the clouds she’ll fly,

Where the morning rain don’t fall
And the sun always shines…


男性が、早朝の冷たい雨の中、飛行場の草地に酔って座り、飛び立つ飛行機を眺めている場面です。
Sheは乗り物によく使われる代名詞で、ここでは707機を指しますが、それが滑走し、「遠くなり、西へ向かって雲の彼方へ消えていく」She’s away and westward bound. Far above the clouds she’ll fly.と、ここでまた「西へ」が。そして「そこでは朝の雨なぞ降らず、いつも晴れている・・・」と続きます。

西へ向かう、言い方。
go west、go westward、go westbound
take a westbound flight/plane (a westward bound …ではなく)
be動詞+westward bound (I’m/She’s westward bound)

東海岸からGo westとなり、海と晴天続きのハリウッド気候のある「西」へのベクトルが米国人に内蔵されているかのようです。「夜汽車よ!ジョージアへ」Midnight Train to Georgiaは、SoCalのL.A.で一旗揚げられず東の故郷へ戻る歌でしたが、この曲は未だ見ぬ明るい未来を渇望する歌かもしれません。ちなみに、中西部の文化が合わず故郷の東部へ戻る女性が汽車の中で昔の思い人に遭遇するという短編小説Hearts and Hands「心と手」(オー・ヘンリー作)は、ラジオでドラマ化した思い出深い作品のひとつです。

747

前回の最後にアルバート・ハモンドの曲「カリフォルニアの青い空」の歌詞の一部を紹介しましたが、その1行目

  Got on board a westbound seven-forty-seven (747).「西行きの747に乗り込んだ」

の747は「ボーイング747機」のことです。(I got on a westbound 747.とも言えます)。
 この横幅がぐんと広がった大型ジェットは、頭韻矢のごときjumbo jetの走りとか。

WikiPediaより

この飛行機の機種で思い出されるのが、もう1曲、PPMのバージョンで人気のあったEarly Morning Rain「朝の雨」だなぁ。遠く故郷を離れ、金も行くところもなく、酔って早朝の雨の中、恋人を想い、空港の草地に坐り、飛び立つ飛行機を眺めているという設定。カナダの国民的歌手ゴードン・ライトフットの詞の

  Out on runway number 9
  Big 707 set to go.

  But I’m stuck here on/in the grass,
  Where the pavement never grows.

  (これは「(草のように)滑走路が生えるわけもなし」というウィットだろう)

この「でかい707」はボーイング707機を挿す。

WikiPediaより。747よりスリムだ。

この707機の初飛行が1957年、Early Morning Rainのリリースが1966年。
747機の初飛行は1969年で、It Never Rains in Southern Californiaのリリースが1972年。
という訳で事実関係に問題無し。

ぼくの初飛行は1981年。たしかチャイナエア。飛行中あちこちで乗客が立ち話をしていた。紫煙も上がっていたような。

Heavens, things have changed.


It Never Rains in Southern California

これはアルバート・ハモンドのヒット曲のタイトルで、1972年リリースとあるから、まだ海を渡ったことのない頃に、日本中に流れていた唄でした。嘘だろう?と思ったのだが、そのしばらくあとにサンフランシスコ・ロサンゼルスの旅に出たときの記憶に雨の日はない。
 ハモンドの唄は、「南カリフォルニアでは雨が降らないようだけど、もう降ること、降ること」とサビで盛り上げる。このpourは、It never rains but pours.(降るときは必ず土砂降り)、あるいはもう少し新しいWhen it rains, it pours.、つまり「悪いことは一度に来る」ということわざにあるpourなのです。いいことばかりの新天地だと思い込み、一旗揚げようとやってきた男が、聞いてないぞぉ、甘かったぁと嘆く内容で、「夜汽車よ!ジョージアへ」や「サンホセへの道」に通ずるものがある。
 ただ気候面ではドライそのもので、孫二人が育つ同地方のカラバサスは、10月におそらく初めて(今年!)の、そして今2度目の豪雨に見舞われているという報告と写真が届いた。といっても、頭韻も恐ろしいflash floods(突発性の洪水、鉄砲水)のそれではなく、孫娘が生まれて初めて外で雨にあたり、お兄ちゃんも入って、小雨の中、楽しそうだ。

Keep on smiling, Mori chan and Riki chan.

人生60あたりで打ち止めと思っていたのだが、アルバート・ハモンドから随分長く来てしまいました。
では最後に、It Never Rains in Southern Californiaの出だしをどうぞ。

Got on board a westbound 747.
Didn’t think before deciding what to do.
Oh, that talk of opportunities, TV breaks and movies
Rang true, sure rang true.

Seems it never rain in southern California.
Seems I’ve often heard that kind of talk before:
“It never rains in California.”
But, girl, don’t they warn ya!
It pours, man, it pours.

はらはらと枯葉ら水路に落ちて候 

It’s time to collect some of them and put them underground. They’ll make a great fertilizer.(^_^)

Fall seems to come to me to remind me of the next passage from the Bible. Although I’m not a Christian, I can’t say no to it.
Part of it was made into a song, I believe, and it was sung by Joan Baez if my memory serves me right. If it doesn’t, well, it’s ITS fault, not mine.(^_^)

          ********

To every thing there is a season, and a time to every purpose under the heaven:

A time to be born, and a time to die; a time to plant, and a time to pluck up that which is planted;

A time to kill, and a time to heal; a time to break down, and a time to build up;

A time to weep, and a time to laugh; a time to mourn, and a time to dance;

A time to cast away stones, and a time to gather stones together; a time to embrace, and a time to refrain from embracing;

A time to get, and a time to lose; a time to keep, and a time to cast away;

A time to rend, and a time to sew; a time to keep silence, and a time to speak;

A time to love, and a time to hate; a time of war, and a time of peace…

             Ecclesiastes 3 King James Version