Captain Nimono

生まれて初めて蓮根を洗い、生まれてこれまた初めて包丁を入れたら「シャカ」と澄んだいい音がして、葉に仏陀が座すのも納得。やがて、鶏、人参、厚揚、蒟蒻、玉葱、生姜、醤油、出汁、砂糖と一緒に煮物になった。カミサンも気に入って食べてくれた。

緑は明日葉(アシタバ)。半世紀前に伊豆大島の民宿で初めて口にした切りすっかり無沙汰の半世紀後に仲見世通りの花屋で見つけて2株植えてみたら強いんだね君たちはありがとうという私の半生記。お浸しにしたり、そのまま口に入れたり、有り難し。明日葉雨の予想だ。

  It’s good for the ground.

この頭韻定番表現は義理の父がよく言っていたという。床に何かがこぼれれば、It’s good for the floor.で、これも義理父の口癖で、ぼくも両方使う。

雨といえば、カリフォルニアの娘によると、昨日はカラバサスで今年最初の雨が降ったそうだ。
カラカラバサスじゃないか。

昔は、ジョニー・キャッシュ、ボブ・ホープ、スティーブ・ジョブズがいたなあ、というジョーク

は、こう始まる。

30 years ago, we had Johnny Cash, Bob Hope, and Steve Jobs.

それが、こう続き、

Now we have NO cash, NO hope, and NO jobs.

そして、こう終わる。

I hope Kevin Bacon lives a long life.

この落ちは、bring home the bacon「稼ぐ・家計を支える」を組み込まれており、その他の名も、掛詞になっている。

The Baby of the Yearに一票を!

You probably didn’t know my grandchild, Morina Pino, is in the running for Baby of the Year! She’s actually in 4th place right now. If you’d like to cheer her on, just click the link below and vote one for her!
If you have the time, you can vote on a daily basis as well!!

孫のMorina Pino が「今年の赤ちゃん」に立候補したことはご存知ないと思います。モリナは現在第4位にいます。応援する!という方は下をクリックし、清き1票を! お時間が許せば、毎日投票することもできますよ!!

babyoftheyear.org/2025/morina-ae5a





滑りやすい坂2

大岡山には坂がある。英語で岡はhill、坂はslopeとされる。規模的に、幅広い傾斜をhill、幅狭いものをslopeと呼ぶ。最近のヒット映画で、センスの良さ抜群の偉大なる娯楽作品『侍タイムスリッパー』には、「心配無用ノ介」なる時代劇のヒーローが出て来るが、そこから無理に想起されるのが「心臓破りヶ丘」だ。マラソンや自転車レースで参加者を待つ例の難関で、the heartbreak hill(slopeではなく)と呼ばれる。直訳が美事だが、heartbreakは「何かを失ったり敗北を喫したりして悲しみで胸が張り裂ける」イメージで、「悲痛ヶ丘(岡よりよいかも)」に近いかもしれない。(「ホテル悲痛館」はエルビスが止まりにいったホテルだ。)
  hillよりslopeは小規模だ。
  ラフカディオ・ハーンのMujinaには東京赤坂通りの「紀伊国坂」なる坂が登場する。ここで卵顔お化けの超常現象が起こるのだが、語り手(ハーンらしい)は、…which means the Slope of the Province of Kii. I do not know why it is called the Slope of the Province of Kii.と解説している。
  ハーンは、日本的物語を外国人読者に紹介するにあたり、「なぜ紀伊の国の坂と呼ばれているのか私にはわからない」と、余計な注釈をはしょって本題にすぐ行く(cut to the chase)ので失礼! で済ませることができるのだろう。ただ、日本人の語り手(私なども含めて)は、ここで立ち止まる方もいるだろうし、滑って転んで立ち直れない方もいるだろう。ハーン氏になったつもりで語ればそれでいいのかもしれないが(アクセントを付けたりして!?)、ただどう考えても日本人が「意味がわかんない」と言うのはいかがなものか。
  そこでこの部分をカットして進む方もいるのではないだろうか(実際一名存知上げている)。
  そういうぼくも転びそうになって立ち止まった。どうしようかなと思案したのだが、あ、これは語り手が狢(むじな)なのだ、えへへ、短い怪談の中で、the Slope of the Province of Kiiという長いフレーズを繰り返すような、学のなさそうな狢(失礼、狢)が語って遊んでおるのじゃ、という胸張り切るよな名案を思いつき、今日に至っている。