「荒野の七人」とキジバト

クリスマスソングThe 12 Days of Christmasの2日目のギフトになっているtwo turtle dovesはキジバトと訳されている。鳴き声はturtur。これが語源という。亀とは無関係で、愛を込めて人を呼ぶ言葉a term of endearment に使われたという。a turturm of endearmentであろう。日本でいうキジバトは鳴き声が違う。デ、ポッポポー、のようなオノマトピイックな音が当てられている。日本のキジバトは英語でOriental/Asian turtle doveとなる。

 1羽、近くに棲んでいる。毎日鳴いている。このところ家缶詰で仕事の私にGo-go for a walk. Go-go for a walk.と聞こえなくもない。

 ただひと鳴きの終わりになぜ、「ぽ」というかGo.というか、どうしてあの1音を発するのか、私にはわからない。わかるわけがない。旦那、私らの癖でね、とでも言ってくれれば一応納得もするが。とにかくあの休むことをしらないツクツクボウシでも最後を単独の「ヤァ」などで終わらることはあまりないし、法師とは違い英語名Japanese bush warblerを持つウグイスだって最後を「イェイ」で締めることはない。

 今日もまた「ディディダダダー」が数回続き、最後にお粗末!と言わんばかりの「ポ」である。何かの歌や曲に似ていないか。似ていれば気も紛れるし、親近感も湧く。せめてマリアの付かないカラスなら、もうすこし進化を待てば、「歌に生き、愛に生き」の最後でも断末魔的ハスキーさで歌ってくれるはずなのになどと苦しみ抜いた末にやっと今日見つかったのは喜ばしい。
 エルマー・バーンスティンはハリウッドの作曲家で「アラバマ物語」「大脱走」そしてあのThe Maginificient Seven「荒野の七人」などで有名だが、その「七人」のテーマのエンディングが東洋キジバトの〆の一節なのだ! と思いたい。全楽器がなだれ込むような最後の最後ではなくその直前、ディダダダー、ディディダダダーダの最後のダがポである、と信じてもう少し付き合うことにした。I think I made a magnificient decision for myself.
 

アスパラガスとシュワ―

発音面で喰えないものにasparagusがある。

英語は省エネ語であり、内容語を強めて内容を伝える言語で、特に内容語のアクセントのあるところが前に出る。だから内容語を強めよ、と言っても、アスパラガスの母音のすべてを滑舌っていくのは疲れる。この疲労感は英語がいやになる大きな原因のひとつ。でシュワーの登場になる。タダー。

Schwaはwaを伸ばしピッチ(音高)高く

一番力の要らない母音。力を入れず口を開き背中をつつかれて出る音。アスパラガスの発音は

/əˈspærəɡəs/

どうでしょう、高ピッチの母音以外は全部この半脱力系シュワ―です。
ウsペウグsに近い、「ウ」行音の力を抜いて。

アスパラガスと言えばガラパゴスを思い出す方もいるでしょう。こちらはラが高ピッチであとは

/ɡəˈlæpəɡəs/

となる。日本語ではア行音が多いのに英語はシュワ―満載。あいまいどころではない明瞭なその存在。
アクセントのない母音全てが əになるわけではないが、シュワ―音になることはe?と言ってひっくり返るほど実に大変多い。知らぬうちにそう仰っている場合も結構あるでしょう。
英語らしいというのは省エネをして楽に言うこと。聴いている側の耳にも、ウsペウあたりで、ああ野菜とわかることが多い。話すこちらはあくまで最後までしっかり言って自己確認となりがちだけれど。辞書がもうない方、あっても発音記号がない方はオンラインで発音記号があるサイトへ。onlinedictionaryであれこれ出て来る。schwaで脱力する力を。

I’m pretty ə what I’m saying.

アリタレーションの犬熟語

口ばっかりでまるで実行しないことを表すイディオム表現に

He’s/She’s/They are all bark and no bite.
がある。「吠えるだけでまったく噛まない」。
何度も吠えるだろうからbarksと言ったらよいのにとも思うが、これはコンセプト概念としてのs無しであり、biteは一回も噛まないからbitesよりよい、という考え方もできるけれど、やはりbarkとbiteで頭韻を踏み、かつ互いにコンセプチュアルなs無しが、見た目、聞いた耳に快いということだろう。

s無しといえば、固定電話の留守電通達ボタンを押すと、
  You have no message.
という声がするタイプがあるが、何だか嫌いである。1個もないよあなた、とはご挨拶だなお前、何だクールに気取って、という反撥心が私の中に湧き起こるからだ。
  You have no messages.
のタイプもあり、こちらは、いろいろあると思ったんすがね今日はないっすよ、という感じがあるのでよい。

それにしてもなかなか上手い熟語である、このall bark and no biteは。

同じような表現に
  all talk and no action
もある。が、こちらは頭韻も脚韻もなくそのものずばりの決まり文句で、barkとbiteで引っ張っておいて、じわっと陰の意味をつかませていくというイディオムマジックが欠落している。

ちなみに、題名を忘れてしまったが、昔、犬を沢山飼っている悪王が主役の芝居に誘われ、野犬収容所(当時の名だったか)に録音しに行ったことがある。結構静かであったからそれなりに皆さんをけしかけたことである。その努力が報われて犬たちが光った作品になった。all bark and no biteの成功例である。

ちなみついでに、あるビジネスパースンから、彼の仕事相手のAT&Tとの交渉がなかなかうまくいかないという話を伺ったことがある。そのとき彼は、あそこはAll talk and talkですよ、と苦笑いをしていた。(義理の兄が働いていたことがあるから言うのではないが、コミュニケーションビジネスだから理想的な姿ではないかとも思われるが)

It’s all bread and no anko.と言いたくなるようなだらしないあんパンもたまにある。しかしこれには肝の頭韻がない。
頭韻矢のごとし、たとえば「駄洒落」と「要点」を並べて、
It’s all pun and no point.
と自戒したとしても、とりあえず作らないよりよいではないかと思う今日この頃である。


高砂さんの写真展

一度話を伺ったことがある写真家高砂淳二さんの写真展チラシです
フラミンゴでしょうか 地上天国のようなイメージ
https://www.nikon-image.com/activity/exhibition/thegallery/events/201706/20190604.html
会期:6月4日~24日(新宿)、7月18日~31日(大阪)
(両会場とも日曜休館)
場所:ニコンThe Gallery(新宿+大阪)
*東京
〒163-1528東京都新宿区西新宿1-6-1新宿エルタワー28階
TEL:03-3344-0565
*大阪
〒530-0001大阪市北区梅田2-2-2ヒルトンプラザウエスト・オフィスタワー13階
TEL:06-6348-9698

浜辺のふたり

携帯を離れ無心に遊ぶ小さな姉弟を携帯で撮ってしまった片瀬海岸 なぜか懐かしく

光る海のほとり
波は寄せ砂の砦を崩す
負け戦を黙々と遊ぶ
五月の末の浜辺のふたり
砦を護る姉よ
黒砂を運ぶ弟よ
初夏よ
Stay

On the verge of a shining sea
Waves come in to break a fort of sand.
Quietly this losing battle is played
By two on the shore at the end of May.
Oh, big sister protecting the fort,
And little brother bringing in black sand,
And early summer you,
Stay on.



 

アボカド・トマト・トースト

朝、トマトの輪切りを載せたトーストで元気にスタート。車輪のようなトマトを見て一句。

I WHEEL get started on my blog right now!

ということで早々と完了!

Avocado nothing on my plate today!
ということになったわけでもないのですが

MBI ファミリーデイ(アンドナイト)

84年から10年間で計650名のビジネスピープルを迎え、日本で1ヶ月、欧米でそれぞれ1ヶ月と教えたマッキンゼー&Co.のプログラムMBI(the Multinational Business Institute)の最後のリユニオンが東大の伊東国際学術研究センターで行われた。

Ken “James Bond” Adam set design?

2期から94年のラスト30期まで日本での英語コースを担当した私も午後2時から8時近くまで楽しい時を過ごした。記念講演やパネルディスカッションがあり、次にジャズバンドの演奏の中で、当時の参加者や講師の皆さんと歓談。

 いろいろ教えたつもりなのだが、ノックノックの遠山というイメージを植え付けたようなところもあり、今回は司会の松岡さんがお使いになり、MBI参加者作品中最優秀ジョークのモデルとなった鴨志田さんとも再会した。これがその作品で、これなら世界のどこへ行ってもお名前は忘れられっこありません。 
Knock, knock.
 Who’s there?
Kamoshida.
 Kamoshida who?
Kamo(n) sit down! (Come on! Sit down!)

現在東京大学で英語で教鞭を執っておられる「さあさあ!お座りなさいよ!」の
鴨志田さんと座らずに記念撮影

それ以降の全てのコースのノックノックジョークのセッションでこの作品をモデルとして紹介。もちろんその他の場でも紹介し続けております。ありがとうございます。お作りになった池田さんにはお目にかかれませんでしたが、感謝多謝です。

菅野さん、奈良橋さんと

そしてこれまたLong time no see! 学生演劇以来、『百万人の英語』や 劇団UPSで活動を共にしたキャスティングディレクター・プロデューサーの奈良橋さん、そしてMBIの総元締め!の菅野さんと、有り難きスリーショット。

お世話になったマッキンゼーの吉良さんや一橋大学の石倉さん、秘書の皆さんにもお目にかかれて幸甚でした。

参加者の皆さんへの私からの最後のノックノックはMBIネタでした。
Knock, knock.
 Who’s there?
MBI.
 MBI who?
So MBIs (envious) of your achievements! Congratulations!

盆石点のお知らせ

6月27,28、29日に東京目白駅そばの学習院大学構内で行われる第66回細川流盆石点のお知らせです。お時間がありましたら、古より伝わる黒い盆の上の3次元風景をお楽しみ下さい。遠山松奈も出品します(神代植物公園内の展示会には出品されません)。

歴史については
http://www.bonseki.gr.jp/history.html

Tray bon.となるでしょう。