たんぽぽに見る私のフォークエティモロジー

たんぽぽはひらがなで書くほうがしっくりする花で、生まれた町の空知川支流の斜面に溢れんばかりに咲き誇っていた初春の花。その上に寝転んだり、花輪を作った遠いぼんやりとした真偽の定かでない思い出のようなものがあります。
 (X) dandylion
と思い込んでいた花でもある。「ダンディリオン」から「ダンディライオン」へと言い方に進化はあったが、スペルの思い込みはより長く続き、やがてdandelion「獅子の歯」と知って驚いたのも懐かしい。 

湘南にも春が来て、たんぽぽもちらほら。
online Etymology Dictionaryに、古仏語のdent de lionからとある。tooth of lion(ライオンの歯)。「ライオン」は花のことに違いないが「歯」はというと「葉」。ライオンの歯のようだということで、あの「かっこいいライオン」はお呼びではなかった。
 こういう手前勝手に推量した語源を、folk etymology(民間語源)と呼ぶ。僕など子供の頃から日本語・英語両分野でフォークの旗手だが、好き勝手にあれこれ考えるのは人間に与えられた(AIには持てない、だろう)貴重な自由だという考えなので特に問題はない。
 ちなみにdent は歯車の歯を表す英語になっている。

 ついでに古でなく現在のフランス語でたんぽぽはpissenlitと言い、その元は英語で表すならpiss in bed(ベッドで小をする)。葉をゆでたものに利尿効果が大という。さらにここからpissabedという英語名もある。

つまるところ、「葉」が「花」よりずっと実用面で大切だったことがわかるべきなのだろう。「花」がライオンかどうかも怪しい。小生のフォークブームはまだまだ続くかもしれない。

とにかく、たんぽぽが咲き出した草地に寝転びたいのを抑え、shadowじゃとばかり横に!

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