こんな夢を見た

という気持ちになるような、狐につままれたような体験をした。ある町の小さなトンカツ屋でのこと。小腹が空いたのと、トンカツが食べたいのとが混じって、その路地だらけの商店街の、失うものは何もないと思わせるような価格を入口に貼った店に、薄く短いカツだろうから腹に合うぞと踏んで入る。間口狭くカウンター1本に6、7席。こういう店が学生の頃によくあった。昼下がり、無人のカウンターの反対側に小柄なお上が座っているのでランチを頼む。しばらくして出て来たのは、何だか懐かしい風情のセット。

外で自分が食したものを絵で見せるのは気が進まない。しかし、まずキャベツの横にプチトマトが3個伏す。漬け物の大根の二切れは厚く重なり、胡瓜は切りの良い3切れ。その横にピクルドプラムがにらむ。湯飲みの中の季節外れの麦茶のようなその中に、なにげに厚い檸檬のスライス。再度大皿を見ればカイワレの勇姿ではないか。飯の多さに気を取られ、気付けば汁は蜆汁。周囲から、ソース(1種のみもまた良し)、塩(など中々置いてない)、醤油らが見守る中、再再度大皿のキャベツの彼方を覗きこめば、

苺一会だ

お上は、1960年代にこの店を始めた男性と結ばれて店に入り、その後、彼を亡くし、一人切り盛りして現在に至ったという。食器をカウンターの高いところに載せると「悪いね」。「いやいや美味しかった」。と、お上、ご飯茶碗を見て「残したね」。「いや小腹がね。その割にはしっかり食べたよ」。「梅干しは嫌い?」。「しょっぱいのは今は」。「蜂蜜に漬けてあるよ」。「それじゃあ」と口に入れればやはり梅干し。「やっぱりしょっぱい?」。「いやそうでもないよ」などとやり取りをして店を出る。そういえば近くに稲荷があったような。これがほんとのRESTaurantか。

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