男子厨房にうんぬんという言葉があるが、厨房というより”だいどこ”のある家で育った私は、よく出入りしていた。ただ料理を最初にしたのはいつだったか、とんと見当が付かない。何でもエプロンをして調理場のようなところで包丁を握ったことだけは記憶している。
記憶にあるのはインスタントラーメンで、最初にタマネギをゆでるのが好きだった。また、「塩」の後半に卵を落とすときにときめきのようなものを感じたり、『麗しのサブリナ』のヘップバーンが片手で割る場面を思い出し、失敗を重ねたりした楽しい思い出がある。てなことを言いつつ、今でも「塩」が作りたくなり、タマネギを切ってはときめき、卵を落としてはときめいて食すことがある。
さてこの卵だが、料理がダメという表現によく使われる。
誰々 can’t boil an egg.
あるいは強調して
誰々 can’t even boil an egg.
がそれで、「卵一個も・卵一個すらゆでられない」というわけで、ユーモラスな表現だ。
ちなみにI’m a hopeless cook.(料理はどうしようもないです)という人もいる。が、結構上手であることもあり、世の中面白い。