スピルバーグの携帯電話感

大学を出たての若者2人がサイモン&シュスター社を立ち上げ、その最初の出版物として、削ってとがらせた鉛筆を付けて世に問うたクロスワードパズル集が、超爆発的ヒットとなったのは1924年のアメリカです。通勤電車の乗客の7割が、消しゴム付き鉛筆を握り締め、クロスワード本に向かって頭を傾けていたという記録があります。各車両の両端には辞書が用意され、ミニ辞書の付いた腕時計が流行しました。私は携帯をのぞき込む人々(自分も含め)で一杯の電車に乗ると、見たことのない90年あまり前のその光景を思い浮かべることができます。

今日は散髪に行き、頭も軽く気も軽く、帰り道にコーヒー店で、パソコンや携帯から離れ、手書きで原稿の構成をしてみました。と、ラッキーにもうまくいくではありませんか。さらに歩くと、その褒美のように、ある花屋に半八重と冠したタチアオイ(hollyhock)が置いてあり、大好きな花なので持って帰りました(もちろん払ってからですが600円でした)。

以下、テクノロジーのチャンピオンでもあり、CG無し映画Jawsの監督でもあるスピルバーグの言葉です。food for thought(考える食べ物、思索の種)にどうでしょう。拙訳はYours truly。

Technology can be our best friend, and technology can also be the biggest party pooper of our lives. It interrupts our own story, interrupts our ability to have a thought or a daydream, to imagine something wonderful, because we’re too busy bridging the walk from the cafeteria back to the office on the cell phone.  Steven Spielberg

(テクノロジーというものは私たちの最良の友になることができますが、同時にテクノロジーというものが私たちの人生最大の楽しみを台無しにすることもあります。私たちが自分で自分の物語を紡ぐ邪魔をする、あることを考えたり、ボーッと夢想したり、何か素晴らしいことを想像することができる私たちの能力を使わせまいとするのです。なぜなら、私たちは社員食堂からデスクまで歩いて戻るその道筋に、携帯電話という橋をせかせかと架けてしまうからです。   スティーヴン・スピルバーグ)

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