寒い夜

夜の散歩は短いものになった。寒い。
夕刻に寄った和菓子店のご主人が「秋を見ないうちに冬になっちゃうわ」と至言。小生「だまされたようだね」というと何故か大笑いされる。笑うひまのないほど短い秋だったのだ。

10時過ぎ、7000歩に至るよう、夜の散歩に出る。寒い。気温は10度と出たから、いやでも早足に。両肘を体の前に出さずにあるくと足が速めになる。これで前傾し、脚を伸ばさずスタコラ行けば江戸時代人ではないか。それは他の歩行者を怖がらせるやもしれず、やめたが、こんな夜に腕をL字にしてニコニコエイエイなんて歩けるものか。てなことを考えながら進むが脚に寒さが貼り付いてくるようだ。ええい、と立ち止まり体感温度を見れば10度。そんなはずあるわけがない。

  My phone says the feels like temperature is 10. (携帯の体感温度は10度です)

ということだが、これを言葉を尽くして否定すれば、

  The feels like temperature on my phone feels like the wrong feels like temperature to me.

 しかしこれでは早口言葉のようだ。

  That feels like temperature doesn’t feel right to me. It feels more like six or five.

と言ったほうが自然だ。と、救いのようにコンビニの灯りが見えてくる。タッチして帰路、耐寒温度の夜に。

 


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