「うなぎが私、こちらが刺身定食」という日本語がどうも“変”なので、「私はうなぎです」を「うなぎ文」と名付け、日本語にしかない特別な言い回し、かつ、英語で伝えるときは直訳せずに正しく・・・という異言語摩擦回避のアドバイスさえ生まれています。が、このカジュアルでわかりやすい表現はどこの国にもあるに違いない、と大見得は切らず、あるのではないでしょうか。英語ではとっさの言い方として使用されます。例えばサーバーが誰がどれだか覚えていないときに、
I’m the coffee. He’s the tea. And she’s the latte.
と説明することができます。英語でもどこか”変”なので、やや苦笑しつつ言うことが常で、真顔だと”変な人”になります。それはともかく、ここで大事なのはtheの使用です。the coffeeで、「注文した・そのコーヒー」という限定感が加わります。(I am coffee.は、話者の存在全体が珈琲化するのでイマイチです。)
というわけでうなぎ文を英訳すれば、
I’m the eel.
コリアンやフレンチ、イタリアンやチャイニーズではどうなのでしょうか。
I’m the coffee.
式の言い方をネイティブが実際に「つい」してしまった、というエピソード、
当方も、池上義彦氏の著書(具体名は失念!)で見た記憶があります。
そうでしたか。
こうした状況でのこうした言い回しは、繰り返しになりますが、
どの言語でも存在、と想像します。