第1話で主人公’(だろうか)が、炭を売りに村へ向かうところで、
「人生には空模様がある。移ろって、動いていく」
と言う。中高生に話をすることになって、今世代的に人気の高い作品を見てと思い、携帯を覗き遭遇したこの言葉が今も印象に残っている。不思議な言葉遣い。unconventional。イディオムは、奇抜さ・新奇な言い回しが受け入れられて慣用されていくプロセスを経て出来上がる。「空模様」と「人生」を並置したこのセリフが果たして慣用句になるかどうかは見えないが、ちぐはぐっぽい取り合わせが新鮮だと感じてしまった。
英語にすれば
Life is weather. It changes and moves on.
とでも。「動いていく」で、ロバート・フロストの言葉を思い出す。彼は人生を生きて、人生について、3語で集約できると言った。
In three words I can sum up everything I’ve learned about life: It goes on.
グーグれば、ジェイムズ・ソルターなる小説家が
Life is weather. Life is meals.
という言葉を残している。
イメージが言語となり、それらが組み合わされて、新しいイメージを作る。
人生は空模様だ・・・
か。この話は時間の関係もあってできなかった。
「何事もパーフェクトには行かない。前へ進むのみ」か。
Progress, not perfection.
この表現も定着している。
空模様と言えば、今日は久しぶりに江ノ島へ。これは柏尾川河口付近。絵に描いたような雲を見て、昼飯を食べて、海を見ずに帰ってしまった。これまた、Progress, not perfection.と言っていいかも。