「オートバイ」

オートバイ。何となく懐かしく何となくやぼったい響きながら「モーターサイクル」と長いのも「単車」と短いのも何となく会話に合わないので結局使ってしまう不思議な言葉である。和製英語だと定義している辞書もある。月光仮面のおじさんが使うのは誰もがみんな知っていたし、少年ジェットが改造車でゼームズを追い回し、視聴者の私は、オートバイはかっこいいと思っていたことがある。そのあと「モーターサイクルマガジン」(だったか定かでない)の出現があり、オートバイはBye!、モーターサイクルにHi!という印象を持ったことがある。私はしばらくモペッドに乗っていただけだからファンでも何でもないが、とにかくこれは個人的印象である。以後モーターサイクルが英語、オートバイが和製と思っていた。モーターサイクルはほぼ日本語化しているのかも知れないが、日本語会話で「モーターサイクル」と自分で言うことはない。英会話で「オートバイ」を使うこともない。そんなところに、ついこのあいだ、かなり気に入っているケーブルTV番組『 アメリカンピッカーズ 』の骨董品ハンターの2人がAuto-Biを見つけるシーンがあって驚いた。

Thomas Auto-Bi

という文字が刻まれたなかなかクールな米国製の原付自転車。20世紀初頭の発明品か。もののサイトによると日本には1901年に輸入されたというこの「トーマス・オートバイ」。auto-bicycleの略なのは一目瞭然一読陶然。 語源はやはりこれかな。 おそらくこのAuto-Biの商品名は米国では流行らず、日本では100年後の今も「原付自転車ではないオートバイ」として頑張っているようだ。というわけでこれは和製英語ではないのではないかという気がしないでもないと思われる今日この頃である(日本語はこの文末トリックが絶妙で時に奇妙でもある)。奇妙ついでにこのトーマス製品を「自動自転車」と直訳したのだろうかとふと思い検索すると、この私的二輪史研究家の方のサイトであれこれ蘊蓄が傾けられていた。

http://airinjuku.jp/michinoku/nirinshi/akebono.html

僕はオートバイの音がいやでモペッドで終わったが、ファンの方には興味深いのではないだろうか。disclaimer免責条項まで付けてのこうした威張らない詳細情報は、つい最近まではまずその道の好事家を知らない限り手に入らなかったものだと思う。感謝の意味も込めてriddle。

Thomas Auto-Biが書いた自伝は?

Thomas-auto-bi-ography しかないのではないだろうか。

コーヒー豆55

ビーソウヴェンとスペルしてベイトウヴェンと読むあの乱れ髪の楽聖がコーヒー好き(当時ウィーンを中核に喫茶店coffee house大人気中)で豆を55個数えて挽いたと知ったのは、東京フィルのプログラムに記事を連載していた頃(楽しい仕事でした)。このところ忙しく、やっと暇ができたので、実に暇に見えることをした。初めて豆を数えたのである。これが55(だと思う)。

私が髪振り乱して数えた豆

ストロングを沢山飲む僕には足りない。ただ暇に飽かせて思ったのが、彼はこのあと家には豆がたった4個しか残っていないことに気付いたのではないか。

その4つの豆がこんな風にカップの横に並んでいるのを見つけて愕然としたのではないか。そして丸いものなら何でも音符に見えるベ氏は、その豆たちをDa da da dum! と読んで5番のイントロが完成したのではないか。

これはあくまで仮説である。あまり広めないように。

♫一杯のコーヒから 暇の花咲くこともある。

This little piggy

足指は十(toe)と覚えたころ有り。10あればtoesだろうけど懐かし。長い間お世話になっております。30代でマザーグースをビデオ化して教えたころの1作品。赤子の足親指large toeから1本ずつつまんで1行ずつ言い、

This little piggy went to (the) market,

This little piggy stayed home, 

This little piggy had roast beef, 

This little piggy had none. 

This little piggy went wee, wee, wee, all the way home!

最後にlittle toeをつまみ、wee, wee, weeと言いながら足をくすぐって赤子を笑わせるという親子のコミュニケーション用詩。21世紀も健在。教えた方々、今孫の足を使って笑わせていると良いが。

さてコンマリ風なKeep it or dump it.の日々に現れたこのclipping。その昔にどこかの雑誌で見つけた作品。It sparked joy, so here you go.

リスニング力のある八百屋さん

朝10時開店の八百屋地区。

セロリジュース党には夢の一本丸ごと提供。今朝も愛を知ろしめる県より。その名も 「セルリ」で celeryに最接近音。「ウエスケ」whiskey/ whiskyや「ラムネ」lemonadeを産んだ日本の耳がここにも。カミサンがよく行くからか。

ときめくもの

整理整頓tidying upのアドバイザー近藤麻理恵さんが英語島でも話題になっていた。

Keep the things that spark joy. ときめくものはとっておく

これが合い言葉になっている。「喜びの火花散る」か・・・。それが、部屋整頓中の自分の助けにもなるかもと思って帰国した私の前に引っ越しの度にトラックに積まれる開かずの段ボール箱たち。それらを開けている。 と、出てきたのが1963年に見に行った『駅馬車』のプログラム。日比谷映画。ジョン・ウェインである。 アメリカの俳優の中で最も短い名前で覚えやすいのも人気の一因だったのか。そういえば、英国ハマープロダクションの怪優Christopher Leeには、映画館に足繁く通った高校時代にお世話になったが、10年ほど経って、知人のお子さんが彼のことをクリスト・ファーリーと呼んでいたのはかわいらしかった。長い名は大変である。これがそのプログラム。

そうか。高倉健とジョン・ウェインを比べたことがあったが、この面構えは健さんだ。そういえば高倉氏は『駅』という映画にも出ていたな。それはともかく、この映画を見に行ったぼんやりした記憶にときめいて、日比谷映画の名にもときめきのときとなり、このプログラムはIt’s a keeper.である。もうひとつ。ナタリー・ウッドのこれ。

も同じ理由でキープ。『ウェストサイド物語』よりあとだけれど、個人的にはこれが最初に見たミュージカル映画。ロザリンド・ラッセルの歌うEverything’s Coming Up Rosesも印象的で、それが超有名な芸能界賛歌で、かつイディオム表現であることを光年直り後年に知った。その歌の最後。

And nothing’s gonna stop us ‘til we’re through! Honey,

Everything’s coming up roses and daffodils!

Everything’s coming up sunshine and Santa Claus! 

Everything’s gonna be bright lights and lollipops!

Everything’s coming up roses for me and for yoooooou!

鶴文乃さんの本

8月9日は私の誕生日であり、大好きな俳優の1人ロバート・ショーの誕生日でもある。そして作家の鶴文乃さんが1945年に長崎で筆舌に尽くしがたいほどの体験をされた日でもある。この本は、その体験を短い物語に凝縮し、お子さんたちが描いた挿絵と共に展開する。4年あまり前に頂いたこの物語をさきほど夜明け前に思い立ち初めて音読した。

中国語訳を読むのは有大問題であり、添えられた日本語の原文を声に出した。

英語版もありThe Song of Tokorotenとして出版されている。

私は45年よりあとに生まれたが、子どもの頃にこの日のことを知って以来、誕生日と長崎とを離して考えることはできない。「ピカ!」で、7万9千人の方々が犠牲となったという。

この物語を声に出して読めたこと、鶴さんに感謝します。

彷徨の方向へ咆吼

Wandering, Not Lostのトールキンハットが厳寒デビュー。


ROAR!

パソコンとマウス持ちふらりファミレスへ。ドリンクバーして食べて書いて原稿がはかどるの何のってあなた。昔ルノアールでよく書いたけれどあの頃は紙と鉛筆だった。