The Thirty-First of Juneと『猫年 2月30日』

イディオムとまではいかないけれど、有りそうで有り得ないことを表すのがthe thirty-first of June。これを題名にした歌ではペトゥーラ・クラークが、思いの届かぬ人へ、

You’re as far away as the thirty-first of June.

と歌っている。J・B・プリーストリーの作品にも同名の短編集があるようだ。

最近、このクラークやザ・シーカーズのジュディス・ダラムの歌声に惹かれる。どうしたと言うんだろう。youtubeでチェックしたところ、ダラムは早世した妹に似ていたけれど、だからというわけでもない。何かこう澄んだ力強い悲しい優しい明るい歌声が良いのである。何を言っているのだろう。

さて私は詩人の西沢杏子さんの作品が好きだ。例えば見事な虫シリーズ。虫に語り掛けているような、虫が語りかけてくるような、虫それぞれのリズムで、素敵なテンポで、ユーモアの立派さで、カタカナ名や漢字名の虫たちのようなヒトのような世界に私たちを引き込み混ぜてくれてはゆっくりとあるいはささっと解き放ってくれる。出た処は別世界。よっ!と声が出るよな技巧。海底のディズニーランド。深く楽し。(暗喩が安易過ぎ)

さて本題。

この作品はショートストーリー集である。西沢さんの短編は初めて読んだ。姉が贈ってくれたこの本。まずタイトルが素晴らしい。
表紙絵は昨年逝去された娘さんが少女時代に描かれたものとある。
そして、たぶんこのように物語られる世界は、個人的にこれまで未体験だと思う。
もちろんショートストーリーに期待されるエンディングもしっかり、O. Henry endingならぬK.Nishizawa endingである。
馬齢重ねるこのおっさんをハッとさせるのさせないのって。
物語をこんな風に始め、こんな風にひもとき、こんな風に終わらせることができるのか・・・できるのだ・・・
澄んだ力強い悲しい優しい明るい語り、深いユーモアに包まれて・・・

Ameowzing.

西沢さんのブログ:http://www.ne.jp/asahi/mushino/otoshibumi/

 

underとoverのセンス

血圧の伝え方。日本なら「上が120で下が70」。

英語では、120 over 70.

「120が70の上(にある)」ということ。これは分数の読み方と同じで、たとえば7分の5なら

5
7

「5が7の上」つまりFive over sevenとなる。
天の邪鬼に、Seven under five.とも言えないことはないけれど、実際には上を先に言う。ただ、underのセンスも大切。

このoverとunderの使い方を利用して次の言語遊戯問題を解いてみましょう

stand  took  to   taking
I    he      throw   her

これはrebus(判じ絵。例えばI ❤ NY.のように絵と文字を組み合わせた遊び)の中でも文字のみのliterary rebusといわれるクイズ。全体でひとつの文になります。
答えはずっと下に。(Scroll way down for the answer!)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

Answer: I understand he undertook to overthrow her undertaking.(私は彼が彼女の事業を廃することを請け負ったと理解している)

昨日今日明日が・・・

根が張りすぎてそのまま置いてきてしまったyesterday-today-and-tomorrow(和名:ニオイバンマツリ、アメリカジャスミン)・・・

あの香りがすると思ったら何と隣家に音無しく・・・

A yesterday-today-and-tomorrow spotted the other day.

成就寺にも・・・

A yesterday-today-and-tomorrow spotted yesterday.

今頃伊豆は下田のジャスミン寺了仙寺の壱千本は満開だらうか・・・

唐人お吉っつあ~ん・・・

タウンゼント・ハリスさん・・・

匂蕃茉莉は匂がある蕃からの茉莉・・・

その他、morning-noon-and-night、kiss me quick、Brazil raintreeとも・・・

Tokyo mackerel sky

久しぶりに東京に出て久しぶりにクシャミの出た日。

見上げればうろこ雲。

英語では、うろこ雲が出ている空全体を、鯖の模様を当てて

「鯖空」mackerel skyという。魚ぉぉと出るほどなかなかの命名。そこで一句。

鯖空に くさめの数は うろこほど

麻布十番NISSIN前にて。

 

 

 

STAY-TION

江ノ電のこの駅は眼前に大海。電車をやり過ごしてはベンチでいつまでも眺め続けていきそうな風情のこの方は元サーファーか、沖にクジラを探す人、はたまた去りゆく方の船を見つめているのだらうか。

はたまた初夏の海を肴にひねもすのたりかな? とまれここは差し詰め彼のSTAYtion也。

今日は30分間、刑事コロンボをやってきました

My idea of Heaven is to wake up, have a good breakfast, and spend the rest of the day drawing. Peter Falk

そして

Photography is an immediate reaction, drawing is a meditation. Henri Cartier-Bresson

さらに

Drawing can be a meditation with exhaustion if you overdo it.  Ken T.

そしてやや深く

Life is the art of drawing without an eraser. John W. Gardner

おまけに:「ステッドラー消しゴム浮き雲を配した山門」

実際には1時間ほどコロンボしたようです!

「ご確認くださ~い!」

英語とは関係のない話ですが・・・

魚市場のマグロの柵セクションを通り過ぎ様 聞こえてきた売り手と買い手のミニダイアログ

売り手(元気よく): 一万円から・・・ご確認くださ~い!
買い手(小声で): 極悪人?

思わず振り向くと そこには小柄な女性がお兄さんをキリッと見つめている。

売り手(普通の声で); ご確認、ご確認。

ああオモシロやヒトの声。

市場が人一倍好きな訳です。

from m/s to km/h

風の名にZephyr(「ゼfゥー」的発音)があり、a gentle breezeを表す。「西風」が語源で、ギリシャ神話の神でもある。この音が大好き(発音のこと)でZephyrと言うといい気持ちになる。

話は飛んで石原裕次郎。彼主演の『風速40米』。子どもの頃、まだ日活のアクション映画など見に行けなかった時期、近所の中学校くらいのお兄ちゃんが年下の我々に語ってくれた映画のひとつがこれ。当時は近所にそういう「見てきたぞ」で始める語り部がいて、どこかの家の前や道ばたで子どもたちは聞き入った。子どもながらに風速は毎秒ベースだという知恵はあり、彼の話から、裕次郎だけが生き残れるくらい危険な速度だろうなどと想像を巡らせていた風速40メートルの印象は未だ変わっていない。

私には時速何キロの風のほうが分かりやすい。スマホの天気予報アプリのひとつにそれがあったのでホッとしている!長く生きてきたボーナスである。

そういえば野球投手の球速は時速何キロ。こちらを秒速にすると私はすぐ分からなくなるに違いない。

時速は風という車に乗ったイメージ。

秒速は現在の自分の視点を1秒後に40メートル先にさっと移すイメージ(子どもの頃は実際にそうしてみたこともある。何度も)。そしてそれに裕ちゃんが台風の下で暴れまくるイメージを重ねる。

英語圏だから言うのではないけれど、ハリケーン等の速度はkm/mile per hour。

メートルに3.7を掛けてキロをつけるという手もあるようだ。

というわけで時速キロメートル派の自分ではあるが、裕次郎の秒速は永遠です。

鳶入りで英首相(というより凧う上げる秘訣やな):

Kites rise highest against the wind – not with it.   Winston Churchill