へリコプターペアレント

ペアレントは英語のparentが日本語化したものですが、この言葉の主と僕が初めて遭遇したのは高校時代で、場所は手売島のユースホステルだった。列車で札幌から深川、そして留萌、そこから当時は目的駅の羽幌まで鉄道があった。羽幌からフェリーに乗り換えて手売島のYHまで行ったのだが、責任者がペアレントと呼ばれていた(今もそのようだ)。ペアレントの指示に従って・・・といった説明が旅行ガイドブックに載っていた。手売のペアレントは確か若林さんという方だったが、暖かく迎えてくれた。表札にそうあったから覚えている。中林さんだったらごめんなさい。
 往き帰りの荒れた海、オロロン鳥が住み着いた断崖絶壁の他に、部屋でのベッドメーキング指導が目新しかった。角にしっかりシーツを押し込める、英語で言うhospital cornersのような方法を実際に教えてくれた。お世話になりました。このあたりから「ペアレント」なる語がスタートしたように思う。

600年ほど早回し。同じペアレントでも、helicopter parentという言葉が英語の語彙に入り込んでいる。ヘリコプターペアレントとして日本でも飛び交い始めているかもしれない。要するに、子供の家庭生活と行動範囲全てに、上方から目をこらし、環境を整備してやり、周囲に口を出して、何としてでも成功への道を敷いてやる親といった、戦略的な響きのある言葉なのだ。1969年に生まれ、2011年に辞書の殿堂入りを果たしたという。
 その他、トラブルを未然に防ぐため、あらかじめ道を作り整備するという意味合いのsnowplow parent(除雪車ペアレント)、bulldozer parent(ブルドーザーペアレント)、lawnmower parent(芝刈り機ペアレント)といった言葉も生まれている。
 そして、このタイプで最新のペアレントとして殿堂入りを狙うのが、drone parentで、目立たず行動出来ることから、ライバル化し、ヘリを落とすのは目に見えている。

以上、親と気付いて取り上げました。

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