槙の木

まきと読む。まきのきと俗名。おっと切ってしまった。もとい。好きな木だ。理由はまず音。マキもノキも、一度聞くと忘れない。大昔、ジュラ紀の頃だったか、自動車会社の海外営業部で英語を教えていたことがあるが、車の名にカ行やラ行の音があると売れると聞いた。車に限らないかもしれない。私は「マイク眞木」という名は問題なく忘れないと思っている。ほらあのバラが咲いたバラが咲いたのあの歌手の・・・とは生涯言わないと確信している。この槙の木も同じ。

あちこちの庭に見かける。思い切り見上げるほどのものはまだ見たことがないけれど、「見上げ」くらいのはある。新美南吉の「花のき村と盗人たち」に、鍋泥棒が「槙の木の生け垣に鍋が干してありまして」というところがあってたまらなく好きである。

生け垣にもよく使われる。英語島ではノニの木、この島では槙の木が、どこか硬くまじめで神聖な趣がある。常緑だからいつも硬く、まじめで、神聖な趣を絶やさない。

散歩のルートにある4畳ほどの極小公園に槙の木を祭ったようなテーブルがある。将来はそう2060年頃には日陰を作っているかもしれない。

一名にBuddhist Pineとか

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