暑くなると、♪フェニックスに着くころには、で始まるグレン・キャンベルの透き通るような声が聞こえる。用件があってアリゾナの町へ何度か行ったのはいつも真夏。現地で何とかこの有名曲の出だしを使おうと思ったが、40数度の町では、♪By the time I get to Phoenix, I’ll be melting…しか思い付かず、これは現地へ着く前にしか使えませんし、マイクもない。
『オズの魔法使』で西の悪い魔女が、I’m melting!と言って消えてしまう場面は有名だ。『フィールド・オブ・ドリームズ』では、時空を越えて出現した野球選手が、トオモロコシ畑の”宿舎”に消えるときに、このセリフを言う。
訪れた時期はもうかなり前で、その後スマホの天気予報アプリに作ったフェニックスのボックスを見れば40度半ば台が続く。体感温度feels-like temperatureは50度を越えるかもしれない。煉瓦塀で大きく区切った、外に人が全くいない、焼けるような空気の住宅地を思い出す。木々が緑で美しかった。
燃えて再生する不死鳥にちなんで命名された町? まさか!
あるサイトに、19世紀後半、南北戦争後に、過去の文明のあとに新しい町作りが始まったことから命名されたとある。「過去の文明」とは穏やかではない。
On a lighter note. 涼しく明るい話を。
あるとき、客室乗務員がユーモアをねじ込んだ機内放送をすることで知られるSouthwest航空を使い、フェニックスからサンフランシスコへ向かったことがある。そのときの「手荷物タグ」。
tag along あとについて行く お供する
荷札までsTAGgering humor(足許がよろめくほどのユーモアか)。