ルールの説明で:「すべてに当てはまるわけではない」と言いたいとき

英語なら文法、そのほか広く規則一般に関して使われるのが、

  It’s not a hard and fast rule.

という表現です。hard(厳格な、確かな)とfast(固定されて揺るがない)のコンビで、名詞rule(s)と共に使われることが多く、「鉄則」、「一定不動の規則」、「例外を認めないルール」のことであり、かつ否定の形は使い勝手がよいものです。

hard and fastの語源は、of a ship on shoreとあり、陸に打ち上げられて動かなくなった船のイメージから来ています。

on shoreでなくon the rocksといえば、船が座礁したイメージで、寄せ来る波に揺られて崩壊直前といった意味合いです。

とにもかくにも、多くのルールには例外があり、たとえば文法に関してそういう考えに至ることは、言語面で子供から大人に育った証拠になります。そこが言葉の面白さでもあるわけで、profound(深遠な)、deep(深い)といった形容がなされる大きな理由のひとつです。外国語の文法ルールを知ると、例外が気になるもので、不満、嫌悪、怒り、唾棄といったところまで心が動いていくこともあります。そうした「外れたように見えるもの」を受け入れるのが右脳です。例外(がとても多いのです)が左脳に入ったら、うーんと入って頭を右にかしげて右脳に落としこみましょう!

非科学的なお話で恐縮。

Those Who Wander さまよう者たち

All that is gold does not glitter,
Not all those who wander are lost;
The old that is strong does not wither,
Deep roots are not reached by the frost. J.R.R. Tolkien
黄金であるものがすべてきらめくわけでなく
さまよう者すべてが道に迷ったわけでもない
老いて強きものは枯れず
深き根に霜は届かない  J.R.R. トールキン

                      辻堂から江ノ島へ続く浜で

Glass dismissed!  紙ボトルが登場

Class dismissed!(授業はここまで)は教室で先生が使うことばですが、それをもじったのがこの記事(ザ・ガーディアン)のヘッドラインです。

Glass dismissed: wine goes green with paper bottle drive

「ガラスはここまで。ワインが地球に優しくなる(go greenで頭韻)、紙ボトルの運動に合わせて」

Someone holds When in Rome's paper wine bottles

そして、「When in Romeというサステイナブルブランドのeco bottle(イーコゥ/エコゥ バ/ボトゥ)がオカドゥ(英国ネットスーパー)から今週販売される」と。

Eco bottle from sustainable brand When in Rome goes on sale through Ocado this week

シャンパンの紙ボトルはやや無理があるかも。

西沢杏子さんの童話 固まってしまった日本語をほぐす

詩人・虫博士・草花博士・作家の西沢さんから近刊の童話を頂きました。

童に話すから童話。童になったような気にさせる話だから童話。

快い音やリズムを感じながら物語を追い始めると、じきに誰かに読んで聞かせたくなる本です。

これでけっこう最後に感動したりして、と思っていると最後に感動します。

北鎌倉円覚寺の茶店で見たことがある「たらよう」という葉の使い方も楽し。左脳に偏っちまった悲しみの日本語をほぐしていくのによろしいです。