アルゼンチンタンゴコンサート It takes three to tango!?

大学院で共に学んだ田中芳裕さんのギタートリオコンサートを見にいきました。ハーモニーが快く、最後にフルートとの合奏もあって、あっという間の楽しきひととき。各曲のスペイン語タイトルの意味と背景の豆解説が興趣を添え、勉強も少々。

ショパンがギターを弾いていた!

脱帽!! Hats off to Tanaka san!

4月の我がコンサートではゲストのアコーディオニスト・ミホコさんが、やはりアルゼンチンタンゴを披露された、ありがとう! 今年の遠山はタンゴ力が少しついています。

ついでに、よく知られたイディオムに、
  It takes two to tango.(一人でタンゴは踊れない。協力者なくして、こうしたことは出来ない)
があり、プラスあるいはマイナスの意味で使われる。
 今回は、It takes four to play tango.でした。

今宵の君は The way you look tonight

The Freedom GirlのMorinaちゃんは、普通に笑う表情が自然で良いのに、

最近何やら特別な(キャラクターの?)笑い方を練習しているようだ。

鼻に皺寄せて笑うことをlaugh, wrinkling one’s noseなどと言う。
スタンダードThe Way You Look Tonightが聞こえて来たぞ。

With each word your tenderness grows,
Tearing my fear apart.
And that laugh, that wrinkles your nose,
It touches my foolish heart

君語るほどに優しさあふれ
我が恐れはかき消え
鼻にしわ寄せるその笑いは
愚かなるこの心に染み入る

お兄ちゃんと一緒に頑張れ。You go, girl!

考えるだに恐ろし I Tremble to Think

ある説のことを考えれば考えるほどそれが正しく思えてくる、ということが最近増えてきている。きみ、よほど熟考というものをしたことがない人なんだね、と言われれば、かも、と答えるしかない。ただ、それだけ考えることが多くなったんだから仕方ないじゃんとも言えそうだ。
 それにこれは昨今の激動世界に住む多くの人が感じていることではないだろうか、と考えるのは私だけだろうか。だからこの気持ちを英語で表してみて、”世界”の反応をチェックするのも悪くないのではないだろうか。ふーむ、これほど「だろうか」が多くては、古めかしく、かつ偉そうな印象を与えるのではないだろうか。これを「だ老化現象」と呼べないだろうか。

I TREMBLE TO THINK…(from Wikipedia, Le Penseur (1904), Auguste Rodin)

基い。まずある話題が出ていて、それをitで受け、あとはThe more the moreの形でもっていくとしましょう。とりあえず「考える」はthinkとして、The more I think about itで前半。後半の「それがただしく思えてくる」は<it+feels+right>として、2通りできました。

  ①The more I think about it, the more right it feels.

 これはthe more のあと、rightにフォーカスして比較級にしたもので、more rightはrighterより英語的。

  ②The more I think about it, the more it feels right.

 これはit feels rightということがもっと増えるといった感じです。

 あなたにとって語呂のいいのはどっちかな?

冬茄子!?

英国やアイルランドで茄子はaubergeneと呼ばれる。
ただこの寒さで

  aubrrrrgene

だ。加賀の千代女の

  えりまきを とらぬなすびの あつさかな

は、茄子のへたが襟巻きのようで暑苦しいという真夏の句だが、これをもじり、

  秋なすび えりまき厚く 冬もよい

global warmingを減じるためにビル・ゲーツはdimmingと呼ばれる遮光技術で太陽光を弱化せんとしているが、この寒さはそのせいなのか。

今日の表現 「大事なのはその一点」

「弾よりも速く、力は機関車よりも強く、高いビルディングもひとっ跳び! 鳥だ! 飛行機だ!」と来たところで、それって?と尋ねる方と、あれだ! と言う人に分かれるのが、オリジナルTVシリーズ『スーパーマン』の長いイントロのスタート部だ。それをvisual pun(視覚的語呂合わせ)にしてみせたのが次の作品。解説に、このジョークは50歳以下の人にはわからないだろうし、知っている人には保証付きのdud(駄作)だけれど、実に私は笑ってしまった、「ま、大事なのはまさにそれ(笑うこと)なので」とある。最後のコマで、このポジティブ表現をチェックしましょう。

But I laughed, which is all that matters.とカンマを配したほうがよい。
That’s all that matters.と単独でもよく使われる。
As long as they’re happy. That’s all that matters. (彼らが幸せな限り、それで十分だ)
Are you for or against what’s going on? That’s all that matters.(現状に賛成なのか反対なのか。そこなんだ、大事なのは)

ちなみに、懐かしき『超人』のイントロダクションです。

今日の表現 「これがおいしくないとまずいぞ」

カレーを久しぶりに作った。前回のはあまりよくなくて、冷蔵庫に保存したものにサヨナラをしてしまった悲しき思ひ出があるから、自分に向かって「まずいと承知せんぞ」という警告を込めた気持ちがあった。英語なら、

  This had better be good.

 通常、自分以外に使うことが多いが、一人の場合にも、こうして自分に向けて呟くことができる。ウスターソースWorcestershire sauce(発音:「ウスタシャソース」あるいは短く「ウスタソース」)が好きで、今回これをやや多めに入れた。さてその結果は?

  It’s better than good!

「わたしゃウスタシャ!」である。

太古に職場近くの駅ガード下にあるカレー店が生卵を割って落としてくれて以来、ひとつの癖になっている。自製のポテトサラダに自製の紫蘇の実漬け、それに猫の額から明日葉のお浸し。玄米少々を覆うカレーには紫蘇の実てんこ盛りだ。馬鈴薯が少々多すぎたのは加齢っ薯であろうか・・・(笑)

 この表現、例えば新政権に対して、It had better be good.と使うこともできる。道具は使ってナンボである。

A Kind of Salad  

ポテトサラダが好きで、ジャガイモが目に止まると、茹でる、皮むく、潰すか一口大に切る、胡瓜に人参とマヨネーズで混ぜる行程が、走馬燈のように浮かんで消える。既製品を見ればいざ涎ぞ出でる。昨日は衝動で親子丼(シンピーマン入り)と共に作りぬ。紫蘇の実も散らし、明日葉をのせる。


 ただ今回は、ドイツ語でwortsalat、フランス語でsalade de mot、英語でword salad、直訳で「言葉サラダ」の話だ。
 米国のある政治家の発言が「言葉サラダ」と呼ばれ、ここ数年有名だ。長短のポリティカルな言葉が発せられるが、多くの場合うまくつながらず、センテンスが収束せず、言葉が混ざったままの意味不明。彼女はその代表選手のように言われるが、このサラダ職人は政治の世界で大変多い。
 これは元々患者の言語的症状を表した精神医学用語で、それがこのように(偶発的あるいは意図的に)答えをごまかしたり真意を隠したりするための言語的曖昧さや(linguistic ambiguity)や矛盾(linguistic contradiction)のトスサラダ状態を表すこともできる。
 使い方例:
  ①「概念、無冠詞、s無し」He is full of word salad. He never gives an honest and direct answer to an important question.
  ②「量の複数か概念の無冠詞」She speaks in word salads/salad all the time
  ③「可算」The boss often uses a word salad that doesn’t lead us anywhere.