綿空か綿飴空か春日暮れ

綿雲の空を英語でcotton skyと言う。わた空でしょうか。その綿雲たちが落ちかかる陽に薄桃色に染まった空は英語でcotton candy skyという名に変わる。わたあめ空。
綿といえば、大学の頃、学際的な英語劇の連盟に参加したある日、リハーサルのあとにある学生がCotton Fieldsという歌をギターをかき鳴らして歌い、その美事さに衝撃を受けたことがあった。カ・ンフィイイーldzノ・モウ。

小学校で刺繍の時間があった。キャラコの生地にローズステッチとか何とかやらされて、友だちのK君の家に行って一緒に黙々と針を動かしたことがあった。
祖父や母がキャラコ、キャラコと言うのを聞いて、最初は女の子の名、きゃらぶき、などを想ったが、calicoのことで、まあ昔の人はリスニング力があったというか、キャを高い音、ラコを低く脱力してごらんなさい、英語だから。あれも綿だった。
空を見ながらぼくの想念は空に浮かんでどこへ行く。おおい、想いよ、そのまま富士山の向こうへでもふわふわと行くのかい。

Cotton sky high
Then a cotton candy sky
As twilight draws nigh
KT

新刊のお知らせ 第5談

『遠山顕のEnjoy!英語クロスワード』は明日発売されます。巻末に35年前に作った15x15マスのオールイングリッシュクロスワードを掲載しました。では英語の海へRow , row, row your boat。お宅で漕ぎましょう。Happy Puzzling! AND keep on smiling!!

大統領予備選の時計表現2点プラス・ワン

米大統領予備選関連のニュースのヘッドラインに、時計clockを使った表現が2点使われています。どちらも主語はジョー・バイデンで、

1)Joe Biden turns back the clock(JB時計を巻き戻す)
2) Biden ‘cleaned Sanders’ clock’(B、サンダーズの時計を掃除)

1)は「JBがBS(バーニー・サンダーズ)の優勢をひっくり返して以前の力を取り戻した」ということ。こちらはイメージをつかみやすい。
2)は「BがSを打ち負かした」という意味。cleanには「叩く、打ち負かす」というスランギーな意味があったところ、clockの一部で、かつ一大特徴である時計のface(文字盤)と人間の顔とを連結。clockでfaceを表すことを暗黙の了解として、clean someone’s clockに、a)誰かの時計を掃除する、b)誰かを叩きつぶす、という重義を込めるという、隠語風な表現を誕生させたということらしい。
今ならfaceのない時計はざらにあるけれど、これは20世紀初頭に生まれた表現です。

なお、あるものの一部で全体を表したり、逆に、全体で一部を表すレトリックをシネクドキ-と呼ぶ。例えば、
  一部で全体:「手」で人間。the wheelsでcar。
  全体で一部:「鳥」で鶏。LiverpoolでFC。
今回のclockと言ってfaceを表すのは「全体で一部」式シネクドキ-の一種だけれど、どこか密やかなところがある。ただ現在は隠語的領域は脱したイディオムとなっています。

時計といえば、先週、掛け時計が遅れた。朝10時40分、まだ時間はあると思って悠々と台所へ行くと11時20分! 慌てて飛び出し間に合った。
締切狼や約束狼に囲まれることがよくある自分の現状を英語でこう言えるかも。
  It’s chronically a race against the clock.(慢性的に
  時間との闘いです)
日本語の「時間との闘い」に当たるのがこの「時計に対抗するひとつのレース(和訳)」だ。自分なりに長い間書いてきたのだから、次第にスピードがつくだろうと思っていたのは大間違いだった。
それはともかく、先週起こった時計の失速は、
  It was a clock against the race.(レースをぶち壊そ
  うとするひとつの時計)
であったような。これを
  My clock almost cleaned my clock.
と言ったらいかがなものか。

THE CULPRIT ご苦労さん

新刊のおしらせ 第4談

3月14日に「遠山顕のEnjoy!英語クロスワード」が発売されます。和英のカギに工夫があり楽しめまマス。サイズはテキストより大きくさらに読みやすく解きやすい。答えのマスにもナンバーが打ってあるので確認しやすく、簡単な解説もあるので学びやすい。雑学、文法基礎、語彙・表現、ポップカルチャー--英語と英語文化の海へ、お宅で。価格は「新刊のお知らせ 第3談」のどこかに。

老若男女のためのパズルなり  Happy puzzling!(と言います)

自己の世界初出の回文

インターネットにもう出ている。何だ。思い付いて損した。結局自分のアイデアなんてみんな誰かがもう考えついたものなんだと自分を見下げ続けないために「自己の世界初」を開発すべきだ。すぐにネットに行かずにまずブログるか携帯にメモり、そのあとネットに行く。そこにすでにあればあったと記す。そしてそれはそれ。こうして一瞬たりとも感じた喜び・驚き・跳び上がりが保存される。第2の脳(インターネットのことをそう呼んでいる私)は第1の脳(自分の脳をそう呼んでいる私)を支援するものだから。第2の脳は第1の脳を見下げるものではないものであるべきだから。おお元気が出る。自己満足すら出来ないなんて。考えることに、思い付くことに元気が出るではないか。そこで、 2020年2月17日携帯に記した自己の世界初出の回文作品。 

リスクはくすり

自己の世界初出回文へ自己よりの????!

で、本日これからインターネットへ。
あった。6000余のヒット。
やっぱり事故に遭ったような気もするが、まあまあの気分でもある。

まあまあでない周知の英語回文:
Able was I ere I saw Elba.(エルバ島を見る前の私は有能であった) 流刑のナポレオンが独白、というシチュエーション 詠み人知らず

Tattarrattat. ノックの音。ジェイムズ・ジョイス 『ユリシーズ』より  (トントトトントとか)

A man, a plan, a canal, Panama.(男、計画、運河、パナマ) 詠み人知らず

このパナマ運河の回文をスタートにAI操作で作られた世界一長い作品のサイトがある。これは自己の世界とは何百万光年も離れた、私には関係のない世界です。 https://www.dailydot.com/debug/worlds-longest-palindrome-sentence/

新刊のおしらせ 第3談

3月14日に「遠山顕のEnjoy!英語クロスワード」が発売されます。和英のカギに工夫があり楽しめまマス。サイズはこのようにテキストより大きくさらに読みやすく解きやすい。

クロスることもあるでしょうが。 ちなみにテキスト4月号は初春らしい装い。

”春”の早口言葉 日本語など

これは新石器時代に通った演劇スタジオで教わったもの。

新春シャンソン歌手の新春シャンソンショー!

sとshの共演。英語発音にも役立つでしょう。一息5回目標。

ついでに教わったフランス語のものがこれ。

Ciel, si ceci se sait ces soins sont sans succès.

意味は、春とは無縁。

Heavens, if this is known, these treatments are unsuccessful.

春の早口言葉 Thistle

歩道にて。昨年の葉を下げ咲くやアザミ花。

アザミthistleは、スコットランドの国花。t 無しで/ θɪsl /と発音。thの清音そして濁音の練習台のチャンピオンでもあり、
Thistle be a good exercise for some.
と勧めたく、以下どうぞ。

「この太いアザミはあの茂みに繁っておった」

This thick thistle thrived in that thicket.

一息3回。 THree times in one breaTH.