北米でtoiletと言うと、生々しい印象があり、通常bathroomが使われます(bathがないのにbathroomという場合もあります)。こうした言い回しは、
euphemism「婉曲表現・婉曲語法」 /ゆーfァミzm/ (ひら仮名にアクセント)
と呼ばれますが、toiletを避る理由は、toiletが不浄の物というイメージがあるからです。この行に2回出ていますが、北米英語ユーザーが見ているなら、これで2度不浄感を味わっている勘定になります。
その訳は、toiletという音がtoilet bowlに直結するからです。
多くのスタンダップコミックが英雄視するレニー・ブルースは、言葉狩り的な時代の風潮に命を賭けて立ち向かった問題おじさんでしたが、If you take this toilet and boil it, it’s clean!という主旨の迷言を残しています。どんなに煮沸し磨いてもdirtyというイメージが消えないことを嘆いているようにも聞こえます。
英国でtoiletという呼び名が常用されるのは、toiletが、海峡のすぐ向こうで、化粧関連の用語として長く使われていたからです。例えば、
eau de toilette(オ・ドゥ・トワレ)(英語読みで)/オ(ゥ)ドゥトゥワれッt/
は、「トイレの水」でなく、「化粧(の)水」を指します。toiletを嫌う北米でも、ホテルで提供される歯磨き、歯ブラシ、石けん等のセットは、
toilettery /とィレトウリー/
と呼んで使ったり、集める人までいます。