a phrase to remember: 皆一緒なんです

大岡山の東宝コーパで見た総天然色『地球防衛軍』は、共通の敵を相手に世界がひとつになって戦うという、私にとって、そして多分日本映画史上でも初めての作品ではなかったか。会社が違うこともあり頼んでも無理だったろうが、小津安二郎は原節子が主役にならなければ絶対に撮らなかったろうし、 溝口健二は田中絹代と大船に飲みに行ったかもしれない。東宝の 黒澤明・三船敏郎コンビだって首を振ったろうし、大映の勝新太郎は俺一人で防衛するなら考えると言ったに違いない。
ゴジラやラドンは東京とか福岡など日本を狙ったが、話はそんなレベルではなかったし、あっという間に完成したパラボラアンテナみたいな最新兵器から、得も言われぬ音と共に光線が出る場面ではワクワクドキドキしたものだ。

いま、キュルキュル、バリバリ、ピロピロピロとはいかないのが辛い。そしてまとまりが崩れそうになるたびに 、ニュースキャスターやコメンテーターや知事や市長や市民は、

We’re all in this together.

と言う。言葉の綾もイディオムの妙もない、シンプルでファクチュアルな一言。間違いなく。

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