スーパーに行ってみると。
チョコレートやクッキーのスタックとその上にHappy Easterのバルーンにウサギ。その周囲の床の上に鉢植えのユリがグルリと。ユリを見て葬祭を想いがちな者としては、もっと高いところに置いてはと思ったり。この種のユリは英語でEaster lilyと呼ばれています。和名は「テッポウユリ」で葬儀には向かないかもしれません。とにかくこのユリ、英語圏ではイエス・キリストの再生を祝う祭りEasterのシンボルです。
4月5日日曜日がその祝祭の日イースターサンデーです。私の友人で20代でハワイに移り住み、大学で教えておられる尾崎幸雄さんは、クリスチャンの学校なので3日の金曜日Good Fridayが休みで3連休となったと、今日の電話で話していました。というわけで金曜に休む店舗もあり、日曜のみ休む店も多く、イースターはチョコやクッキーだけではないのです。
「揺り」が語源とよく言われる花の話に戻ると、我らがWikipediaのEaster Lilyのページに(http://en.wikipedia.org/wiki/Lilium_longiflorum): 米国は20世紀初期までバミューダ諸島からユリを輸入するも産地で病気が発生し、米国独自種の改良努力が始まる。その間、ユリの球根は日本に頼っていたが真珠湾攻撃以降、日本からの輸入が途絶え、「復活祭百合」という名の小型鉢植え用新品種が主流になった、と。
命名の由来に関しては、その美しさ、清らかさ、強さなどがひとつ。また、イエスの山上での次の言葉もそのひとつとのこと。「野のユリのことをよく考えてみよ。骨折ることも糸紡むこともなく育っていく。それでいて、皆心せよ、ソロモン王が栄華の極みでさえ、あの中の一輪ほどに着飾ることはなかったと」 Consider the lilies of the field, how they grow; they toil not, neither do they spin: And yet I say unto you, That even Solomon in all his glory was not arrayed like one of these.
liliesという部分、原義は「花一般」で「野の花」といったイメージだったとのこと。ただ、個人的には、映画『野のユリ』(1963 Lilies of the Filed)が日本でも公開され、聖書からそのままタイトルとして流用したという認識のまま、このスーパーKTAまで来て、「このユリ」に会いました。
余談ながら同映画の主題歌Amenが日本でも大ヒットし、「アーメン」でなく「エイメン」とも言うのだという発見も新鮮で(それまで子どもらは「アーメン、ソーメン、ヒヤソーメン」というライム風パスワードのようなものをチャンツしながら育っていったのでした)、替え歌「A~面、B~面」(レコードの表裏に掛けたもの)を映画・洋楽ファンが歌っていました。監督ラルフ・ネルソンはこの成功に気をよくして続編Christmas Lilies of the Fieldなるテレビ映画を作ったようで、この「クリスマスユリ」は、「イースターユリ」の白とは違い、ピンクや赤です。
「スーパーのユリ」に惹かれ、blongになりました。イースターの楽しき主役はウサギEaster Bunnyと卵Easter eggsですが、それはまたいずれ。
以前に、イースターは日本のネクスト・ハロウィーンになるか?と申しましたが、花に関しては、桜を鉄砲百合が撃ち止めることはまずないでしょう。