日本語の「スポイト」はオランダ語が語源とある。Cambridge Online Dutch English Dictionary によるとspuitはsyrince(注射器)の意味。日本語への平行移動ができなかった節がある。
使い方のヒント: 「スポイトから1,2滴垂らす」を、pour one or two drops from the dropper。(drop one or two drops from the dropperと作文するアイデアはdrop the ideaするのが良い。)「スポイト1杯分」は a dropperful、複数は2通りあり、dropperSfulでもdropperfulSでもよい。
ちなみに a name dropperは、話の中に知人の有名人の名前を次々に落とす人。 jaw-dropperは、あっけにとられるような、腰を抜かすほど驚くような人や物事を意味する。It was a jaw-dropper!とか My jaw dropped!のように使われる。この <口あんぐり+顎がドロップする>イメージは、そのまま漫画で描かれることもある。
をしなくなって随分経つので、ここら辺でひとつと思い、ついこのあいだ試してみたところ、何とスイスイといった! それに(当然ながら)速い。速いにしんにょうを(もうひとつ)付けたように速い! The way to the top is long.(トップへの道は長い)と言われるが、これだとすぐだ。ゴールデンエージのこの喜びは、火星ミッションで月基地から飛び立った宇宙飛行士のようである。その心は? I’m over the moon.(大喜びを表すイディオム)!
「私は一段飛ばしをする」は例えば:I go up the stairs (taking) two steps at a time!と言える。
一段ずつならone step at a timeで、これは「着実に一歩・一段ずつ」というイディオムでもある。
この調子だとgo down the stairs two steps at a timeもいけるかなと思うのだが、そうしようとする度に、一度新宿か渋谷の駅で踏み損なって転んだことを(何世紀も前の話だが)思い出して逡巡してしまう。両方の駅だったかもしれないが、とにかく逡巡することが転びにつながるのがわかっているので、逡巡の代わりに順々に一段ずつ降りるようにしている。
逡巡。躊躇。見ただけで踏み外しそうな漢字と響き。ことわざに
He who hesitates is lost.(ためらう者は敗れる)がある。なぜいつもHeなのかは言い回しというやつで仕方のないところだろうが、現実にSheで一段飛ばしをしたり逡巡する人を見たことがない。
lostとライムするパロディーに、He who hesitates is bossed.(牛耳られる)、カードライバーには He who hesitates is honked.(クラクションを鳴らされる)がある。
two-stepperとかtwo-steps-at-a-timerとか自称して趣味にするのもよいかな。ただ、趣味のツーステッパーが増えてしまうと、駅の階段回りなどは、『戦艦ポチョムキン』や『隠し砦の三悪人』の大階段のように、超ダイナミックになってしまいそうだ。from time to time「時々」ぐらいにするのがよいのかも。
ニュースショーを見ていて最近気になる言葉がwalk back。このところ大揺れの米国(どの国も同じながら)では、言った言わない等の報道が連日相次ぐ中、この表現がよく聞かれる。X is trying to walk back Y.なら「XはYを言わなかったことにしようとしている」という意味になる。
walk one’s dogと言えば自分の犬を散歩させることだが、犬を引っ張ってある地点まで戻るようなイメージが浮かぶ。
OXFORD onlineに He has since walked back his opposition to the bill.とある。「 彼はそれ以降、法案反対の意見を撤回している」という意味になる。
walk backは自動詞+副詞として、どこかへ歩いて戻るというイメージが強い。個人的には1961年から強いようである。その年、Walking Back to Happinessというヘレン・シャピロの曲がヒットしたからだ。ウッパ~ウォ・イェ~イイェイという「やったぞ」的な掛け声(彼女の声からシャピロは男性だと思っていた時期がある。欲しい画像が手の平にスーっと入ってこない時代である。ついこのあいだまで、原始時代からおそらくズーっと、そうだったのである)と一緒にこの部分を「幸せに戻る」という意味と感じつつ覚えた。邦題は「夢見る恋」だそうだが覚えていない。したい邦題ではあるのだが、こうしたタイトルは懐かしい。