エヴァー・ギヴン丸 

スエズ運河につっかえた(stuck in/across the Suez Canal)コンテナ船(container/cargo ship)のThe Ever Given丸がやっと解き放たれたというニュースを見ました。仕事を請け負う会社のCEOが”Freeing the ship might take weeks.”と言ったばかり。欲張り超大vesselの存在に驚嘆し呆れ続けた1週間は終わりそうでまずは一息。

それにしてもwordplayを愛好する者として、この超重現象から何が言えるかと問われれば、
  The Ever Given might assume the new name: The Never Forgiven.
でしょうか。砂塵嵐(dust storms)は強まるばかりのようです。

会話に出ない英単語「蒲焼き」

ウナギの蒲焼きに当たる英語として、
  spitchcock
があり、辞書にちらほらと、

・an eel that has been split and grilled or fried 裂かれ、直火や強火で焼くか揚げられたウナギ
・Split and grill or fry (an eel or other fish). (ウナギや他の魚を)裂いて焼く、あるいは揚げる。

・Until October 1st, the spitchcock exports to Japan recover after stopping two months.(2ヶ月とどこうったあと、日本への蒲焼き輸出は10月1日まで持ち直す)

のような説明や例文があるが、認知度は低いので、使うと恐らく質問が来ます。grilled eel、あるいはkabayakiあたりで言い出すのがよいでしょう。

鶏を開いて焼く「鶏の観音開き」は火が通りやすい焼き方ですが、英語にspatchcockがあります。これも知る人ぞ知るレベルです。

語源面では、spitchcockが15世紀で、spitchがspitかstick(両者とも「串」)、cockはcookか? この「串」ですが、日本の蒲焼きの語源はウナギをぶつ切りにして串に刺して火の周囲に立てた様子が蒲に似ていたことで、西の方角でもやはりそうしていたのかという疑問が湧きます。
spatchcockは18世紀で、dispatchの原義「急ぐ」(火が早く回る)とcockは「鶏」? といった説がありますが、定かではない。

では最後にwordplayの基本、knock-knock jokeでカバーしましょう。

Knock, knock.
 Who’s there?
Eel.
 Eel who?
Eel meet again!

フキノトウを頂いてライム

春風に乗って富山から届けて頂いたフキノトウを

味噌炒めに。

この苦み。余菜をもっては代えがたし。美味しくいただきました。

おゝ、蕗の薹 
吾は問う
春の苦さはそなたしか
醸し出せぬをご存知か

Oh, bitter hukinotoh,
Did you know
You’re not replaceable
With any other vegetables?

三月桜咲く

近隣にある山桜。2度楽しめることに気付いて一句。

若葉萌えて 染井吉野か 山桜 

散歩の途中で気付いてもう一句。

山にあれば ひときわ白し 山桜

英語の名が桜と合わない、という気持ちが年ごとに強くなっている、cherry treeと聞いてサクランボが成るイメージが強くなるにつれて。
 早く、

  木は cherry tree から sakura tree、
  花は cherry blossom から sakura blossom や sakura

に、全世界的に成長してもらいたいものです。一部の辞典では咲き始めたようですが。

山中のものは大島桜かもというご指摘あり。グーグれば、おびただしい数の変種変異のあることよ。クラクラとしそうで今後は錯乱坊の雅号を自ら命名。

英語のgo-toとは

go-toには、「自分が行くべき、いつも行ってしまう、行って損のない、迷ったときに頼れる」という形容詞的意味があり、

This is my go-to dictionary.(これが私のgo-to辞書です)
That’s my go-to bag.(あれが日常どこへでも持って行ける私のgo-toバッグです) 
She’s/He’s my go-to person.(彼女/彼は私が頼りにしているgo-to人です)
Udon is my go-to food.(うどんがあればいつでもOK、私のgo-to foodです)

のように使います。

名詞的意味もあり、次のニュースのように、「頼りになる方法・物事・秘訣」を表します。英語は、形を変えずに、色々な品詞になるので、決めつけず、Let it be. Let it slide.という方向がベストです。

https://www.nbcnews.com/shopping/bedroom/best-sleep-products-n1261616

頼りになる3つの睡眠法に興味のある方は上のリンクへ。

ちなみに大和の国の外食促進運動標語は、イートを複数eats(パーティーなどに出す料理)にすれば、go to eatsで、そうした料理のあるところに行け、go-toとハイフンを付ければ、頼りになるパーティー料理といった、かなり霧に包まれた場所へ漂着しそうです。

ちなみにを重ねれば、例えばシェイクスピアの作品にはGo to!というフレーズが使われています。意味はNo more of that.という意味で、反対やいらだちを表す間投詞です。有名な『ハムレット』の3幕1場「尼寺へ」の部分には、Go to, I’ll no more on’t;とあります。「 もう〜堪忍がならぬわ」は坪内逍遙の訳で、「もう~」がGo toに当たります。

もの・物・者?

利用者が激減しているニューヨーク市の地下鉄の起死回生策は?という記事です。見出しに、(不振の続くNYCの)地下鉄を本当に救う唯一のTHINGはRIDERS(乗客)だという言い回しがあります。「物」と「人」との呼応がぎごちない感じがしませんか。

日本語だと、「唯一の”もの”」と言えば、「者」にも通ずるからスムーズですが、英語でそう言いたい場合、物も人も、THINGで表すことができます。そしてその「唯一のもの」が、人であろうと物であろうと単数であろうと複数であろうとすべてTHINGが面倒を見てくれるというわけです。

会話に出ない英単語

AIはAIですが、aiは「ミツユビナマケモノ」。
私は後者のファンであり、太古、新宿の大ナマケモノ展にゆっくりと向かったことがあります。

thawは「雪解け、雪・氷が解ける・解かす」の意味なのですが、同じ意味の言葉にunthawがある。後者はun-が逆を表せるので「解ける・解かす」でなく「凍る・凍らす」ではないかと頭をかしげる(英語ではscratch your head)ところです。

たんぽぽに見る私のフォークエティモロジー

たんぽぽはひらがなで書くほうがしっくりする花で、生まれた町の空知川支流の斜面に溢れんばかりに咲き誇っていた初春の花。その上に寝転んだり、花輪を作った遠いぼんやりとした真偽の定かでない思い出のようなものがあります。
 (X) dandylion
と思い込んでいた花でもある。「ダンディリオン」から「ダンディライオン」へと言い方に進化はあったが、スペルの思い込みはより長く続き、やがてdandelion「獅子の歯」と知って驚いたのも懐かしい。 

湘南にも春が来て、たんぽぽもちらほら。
online Etymology Dictionaryに、古仏語のdent de lionからとある。tooth of lion(ライオンの歯)。「ライオン」は花のことに違いないが「歯」はというと「葉」。ライオンの歯のようだということで、あの「かっこいいライオン」はお呼びではなかった。
 こういう手前勝手に推量した語源を、folk etymology(民間語源)と呼ぶ。僕など子供の頃から日本語・英語両分野でフォークの旗手だが、好き勝手にあれこれ考えるのは人間に与えられた(AIには持てない、だろう)貴重な自由だという考えなので特に問題はない。
 ちなみにdent は歯車の歯を表す英語になっている。

 ついでに古でなく現在のフランス語でたんぽぽはpissenlitと言い、その元は英語で表すならpiss in bed(ベッドで小をする)。葉をゆでたものに利尿効果が大という。さらにここからpissabedという英語名もある。

つまるところ、「葉」が「花」よりずっと実用面で大切だったことがわかるべきなのだろう。「花」がライオンかどうかも怪しい。小生のフォークブームはまだまだ続くかもしれない。

とにかく、たんぽぽが咲き出した草地に寝転びたいのを抑え、shadowじゃとばかり横に!