大杉正明さんの最終講義を拝聴しました

清泉女子大学で長年教鞭を執られ、「ラジオ英会話」や「いまから出直し英語塾」、そして現在「ラジオ深夜便」を担当されている大杉正明教授の最後の高座、いや講義に出席しました。1時間半、英語の誕生から英語の将来まで、星の数に迫らんとする勢いの駄洒落と共に語られて、満員の聴衆を楽しませていらっしゃいました。
当方が10月帯広での鼎談をすっぽかしたこともあり、お目にかかれて嬉しき限りでした。
ご退官後は、また別の素晴らしき面白人生が待っているのであろうなあ。
先生とのお話を待つ長蛇の列に割り込んで、「英語熟」のプロデューサー高柳光治さん、大杉先生、落語・英語落語の桂かい枝師匠とご一緒に。撮影は最近ジュエリー・アイスをテーマにした写真で世界に飛び出したJOYイングリッシュアカデミーの学院長で写真家の浦島さんです。
あれだけの駄洒落が並んでも、大杉るとぞ感じさせないところは、やはり名人です。

大杉先生、まずはお疲れ様でした!

 

大津幸一さんの本

こうした本を読みたかった、こうした本で学びたかった、というあたりを、わかり易く書くことで定評のある大津先生の新刊『カタカナ語 なるほど、そうか?!』です。

前回の『カタカナ語 目からうろこ』の続編で、現代の日本語に多く見られるカタカナ語の語源や英語での使われ方などが分野別に紹介されています。
大津先生は、石巻専修大学教授で、震災・津波後の復興にも活躍されています。

コウアクシデンス

昨年、偶然の一致という言葉では表現し尽くせない事件が米国のアイオワ州でありました。
これがその記事です。

要するに、脱線した貨物列車の車両が沿線にあるバーにぶつかったのだが、その店が「脱線」という名だったという事件。

被害に遭われた店には恐縮ながら、これはcoincidenceではなくcoaccidenceではどうかなどと考える私は元気になって来ているのかもしれません。

グラウンドホッグデイ

1週間前の今日はGroundhog Dayでした。毎日暦をきちんとめくらないとこういうことになる。
groundhogはリスの一種で、暦を見ると、

自分の巣を作るのに、(2ポンドが1キロ弱なので)700ポンドの重量の土を掻き出すという、タフなマイホームアニマル。
別名woodchuckで、ウッドチャックと辞書は読んでいますが、この名はおなじみ、次の早口言葉界の主人公。

How much wood would a woodchuck chuck if a woodchuck could chuck wood?

文が仮定法なのは、woodchuckあるいはgroundhogは、土を放るのであって、木材は投げないからでしょう。

groundhogはまた、この2月2日に、冬眠を終わって土の中から出て、自分の影を見たら冬はまだまだ長いが、影が見えなかったらそのまま次第に春になる、というドイツ移民のもたらしたfolk wisdom(民衆の知恵)の主人公でもあり、この「土ブタ」と直訳しては可哀想なほどかわいらしいところのあるマーモットは、英語圏の文化で活躍する結構大物なのだ。

上を言い換えれば、晴天だったらまだまだ冬、曇天だったら春は早いということ。元々、Candlemas聖燭祭という儀式(2月2日)が「節分」のポイントと考えられていたことが由来で、
If Candlemas be fair and bright,
Winter has another flight.
If Candlemas brings clouds and rain,
Winter will not come again.
といったゆかしきライム有り。ウッドチャックと鬼は別として、日本の節分と重なるところ大。

僕の好きな喜劇映画『恋はデジャ・ブ』は原題がGroundhog Dayで、


2月2日が延々と繰り返されるという、『ゴーストバスターズ』の名喜劇ライター、ハロルド・ライミスの脚本を、ビル・マレイとアンディー・マクダウェルが大変面白く盛り上げている。同じ日が繰り返される中、マレイだけが疑問を持ち、次に何が起こるかをやがてすっかり覚えてしまい、飽きてピアノを習ううち、なんとうまくなったり!という、継続は力的教訓が有りや無しや。リスニングの材料に持って来いかもしれず(同じ場面が繰り返されるので次第にわかってくるかも)、お勧めします。

最後の一葉

散歩でよく通過するツタの這う長い壁。

 

これが秋の終わり

これがつい先日

O・ヘンリー「最後の一葉」を想起。

人生唯一の傑作をレンガの壁に残して逝った無名の芸術家の姿が、
無一文で世を去ったNYCの人気作家と重なる。

それにつけてもそのタイトル、The Last Leaf、頭韻も踏んで、よぉ、ヘンリー、お見事。

井上宏さんの本 「井上宏の見ーつけた!笑いとユーモア」

院生活中に頂いた本をやっと拝読しました。

 井上先生は「笑学」という分野を開発された方で、この本にはKeep on smiling!への言及が2カ所もありました!
 笑いやユーモアの真髄は意外性に有りと常々思っていますが、意外なことが多々ある本です。
 「ラジ英」を愛聴頂き、さらに著書をご恵贈頂き、ありがとうございます。
 正に、笑いやユーモアに興味のある方にお勧めです。

今日のラジ英 Hauntについて

hauntは動詞だと、まず「幽霊が取り憑く・たたる」という意味があり、ひと昔前のホラーものには、
  I’ll haunt you! I’ll come back to haunt youuuuuu!
といった場面がよくありました。
  The ghost of the dead wife haunts the house.
といえば、ラフカディオ・ハーンの「葬られた秘密」The Dead Secretの状況です。
そうした家で、かつ大きい所は、haunted mansion(取り憑かれた屋敷、幽霊屋敷)と呼ばれ、ディズニーランドにも一軒あります。

 映画に、The Haunting(『たたり』1963年)というタイトルの作品があり、ぼくは1999年のリメーク(『ホーンティング』)しか見ていないのですが、立派な出来とは言えず、そのネガティヴな後味が、It haunted me for quite a while.でした。1963年版のフルムーヴィーがYOUTUBEにあるようなので、いつかチェックしようと思います。
 見えないものを感じさせるというのが”古い”映画の良いところでもあり限界にもなっていましたが、今はCGIを使って出来る限り見せるという方向があり、見せるものがそれなりに怖くないといけません。見えないものが見えないままで怖いという世界が懐かしい。ぼくがラジオ好きなのは、古い人間だからかもしれません。

 このThe Hauntingについて、Rotten Tomatoesという映画評のサイトのapproval ratingを見ると、
  オリジナル:86% https://www.rottentomatoes.com/m/1009277-haunting/
  リメーク版:17% https://www.rottentomatoes.com/m/1090789-haunting/
 と圧倒的な差があります。
 映画の批評家とアマチュアのコメントがアップされています。興味と時間のある方は是非。

 「スターダスト」は、小学生の頃、意味もよく分からずにナット・キング・コールと一緒に歌っていた曲ですが、その歌詞には、
  The melody haunts my reverie.
 という部分があり、「(去りにし恋人を思うとき)このメロディーが私の夢想につきまとって離れない」ということです。hauntを形容詞にして、
  It’s a haunting melody.
などと表すこともできます。この形容詞は「忘れようにも忘れられない」といった意味合いを持ち、美しい、あるいは忌まわしいメロディー・出来事・イメージなどに使われます。

 さて今日のラジ英のタイトルOur Old Hauntsですが、このhauntは名詞で、「よく出入りする所、よく行く店」を表し、「たたり」とは無縁です。oldがつくと、「昔よく行った所」のことです。やっと出ました、hauntに明るい用例があるのです。「よく出る」でなく「よく出たり入ったりする」ほうです。