NYタイムズ・ミニクロスワードのカギにロバート・フロストの詩が・・・

霜の夜も雪の予報もいつのまにか消え果て、何だか初夏のような4月の朝、詩人ロバート・フロストのStopping by Woods on a Snowy Eveningの一節を空所にしたclue(カギ)が登場。さすが国民的詩人。

以前当ブログにアップしたその詩を以下ご参考まで。静かで深い詩に行く前にお囃子を三句。

霜さんと 馬と行きたや 雪の森
 霜さんの 馬になりたや 雪の森
  霜さんを 置いて行きたや 雪の森

Stopping by Woods on a Snowy Evening Robert Frost
雪の夕刻 森の前で歩を止める ロバート・フロスト

Whose woods these are I think I know.
His house is in the village, though; 
He will not see me stopping here
To watch his woods fill up with snow.

この森の持ち主が誰かは見当がつく
彼の家は村にあるのだが
彼には見えまいここで歩を止めた私が
雪で満ちゆく彼の森を眺めるのを

My little horse must think it queer
To stop without a farmhouse near
Between the woods and frozen lake
The darkest evening of the year.

私の小馬は奇態に思うはずだ
農家もないのに止まったことを
この森と凍結した湖の中間
一年で最も暗い夕刻

He gives his harness bells a shake
To ask if there is some mistake.
The only other sound’s the sweep
Of easy wind and downy flake.

彼は面懸(おもがい)の鈴を一度揺らす
何かの間違いではと問うために
音はといえばあとは吹き過ぎる
わずかな風と綿雪

The woods are lovely, dark and deep,
But I have promises to keep,
And miles to go before I sleep,
And miles to go before I sleep.

森は美しい、暗くそして深い
が私には破れぬ約束がある
まだ何マイルも行かねば眠る前に
まだ何マイルも行かねば眠る前に

チューリップの昼と夜と語源

2ヶ月ぐらい頑張ってくれると、なお良いのですが。

昼。曇り日の遅い午後。赤、白、黄色の黄色に惹かれがち。

八重咲き(double tulip)は立派だが、シンプルなものが好みだ。

夜はこんにゃくの田楽のようで美味しそう。

語源は、夜の様子からだろうか、昼の様子からだろうか、ペルシャ語のdulband(ターバン)だという。

https://www.etymonline.com/search?q=tulip

ヤマブギウギ

山吹。7歳で東京へ南下して住んだ家の庭に咲いていた見知らぬ花のひとつ。久々に行った樹ガーデンの長くて急な”Stairway to Heaven”(天国への階段)と命名した(^_^)石段の途中に枝垂れていたところをパチリ。天国自体は良いとこでまた一度といわず行きたい。

英語でkerriaとか。その名を聞いてAh!という方はいるのかな。ぼくはyamabukiで行こう。

Wikipediaより: ヤマブキの語源は、古くは「山振(やまぶり)」と書かれ、これが転訛したものとされる。 ヤマブリの由来は、細くしなやかな枝が、風に振られて揺れ動く姿にちなむといわれる。なるほど。

kerriaの名は西洋初の植物採集専門家ウイリアム・カー(Kerr)が名祖(なおや)。彼は英国のKew Gardens(王立植物園キューガーデンズ)から派遣され、日本のマサキ、アシビ、ナンテンなどを含む多くの植物を納めた。Wikipediaから抜粋した次の英文のthe vigorous shrub(発育のとても良い低木)がヤマブキのことである。初期には温室で愛でられたという。私がタイムマシンで彼より先にキューガーデンズに持って行けばkenniaになっていたろうに残念である。

William Kerr (died 1814[1]) was a Scottish gardener and plant hunter, the first Western professional full-time plant collector[2] active in China.[3] He also collected in Java and Luzon in the Philippines.[4] Among the plants he sent back to Kew Gardens was the vigorous shrub, at first cosseted in greenhouses, named in his honour, Kerria.[5]

”ジョン・ウィック”式でない不満の表し方

Iが縮小しているのはトレンディではあるけれど、それは置いておいて、これは前々回にHATE WHEN …と一緒に取り上げたHATE IT WHEN …の例です。人生を歩むうち、次第に笑えなくなるジョークですが(^_^)、ついでにもう一例。

『スターウォーズ エピソードII』で、話の腰を折って飛びだしていく弟子を師匠が嘆く場面です。名セリフのひとつにもなっているようで、「彼のこれが実に嫌だ」という気持ちです。

https://www.youtube.com/watch?v=-xTZhZcaCUg

「旅するラディオ」 ハカルワカル広場から無料の新ブックレットです

八王子市民放射能測定室「ハカルワカル広場」の代表で大学の英語劇でご一緒した西田照子さんが最新のブックレットを送ってくれました。

『旅するラディオ』

ウラニウムはどこからどんなふうにやって来てどのように使われるのかというプロセスを、子供にも大人にもわかりやすく、偏らず長くならず必要十分に興味深く絵入りで語ってくれます。

「ラディオ」とはおそらくRADIOACTIVE(放射性)のRADIOがベースになっているのでしょう。私も1981年から昨年まではRADIO-ACTIVE(ラジオで活動する、これは私用の造語ですが)だったわけで、彼の長寿には負けますが、この偶然を見逃さず紹介します。

このへんでウラニウムのことを一度シンプルに理解しておきたい、冷静にわかりやすく説明したい、月光が一瞬にして山全体を照らすようにわかりたい、絵入りで子供に語ってやりながら実は自分でも把握したい、分厚い本でないものがいい、無料ならなおCOOL! 、といった様々な考えの方々にピタリです。

オーストラリアのオリンピックダムから出発して八王子の町角に至るラディオ君の旅を絵解きで追いかけてみては。

詳しくは: https://hachisoku.org/blog/?p=9611

『旅するラディオ』刊行記念朗読&お話会
どなたでもご参加になれます。参加費は無料
*とき:5月7日(土)10時~12時
*方法:zoomによるオンライン方式(ハカルワカル広場にても参加可)
*参加方法:オンラインでの参加は次のURLよりご参加ください。
 URL:https://us02web.zoom.us/j/87925295352?pwd=SERQMUFaT2JBMFVIUlZsWHlMQ1NEZz09

桜⇒リス⇒犬⇒イディオム

過日、初めて行った青木神社の拝殿の前に立っていると櫻のはなびらがはらはらと。見上げると樹上にリスがいて花を食べている様子だがはなびらのはらひらと落ちること落ちること。食べるなら食べる、落とすなら落とすとはっきリスべき。
外に出ていらした宮司さん、親切にあれこれ説明頂きインスタント学問所となる。英単語はこちらが付与。

リスは木の皮をはぐ(BARK)とその下の樹液(SAP)を飲むらしい。ポカリスエットがあるだろう。歯がかゆいのかもしれない。ケヤキもやられていた。白い枝があちこちにあるのを教えていただく。

余談1。Wiki売りをすれば、ケヤキは日中韓台中心で英語名はラテン名のみ。KEYAKIでよいでしょう。なかなか風情のあるスペリング。車の名にもなりそう。

余談2。BARKの入ったイディオム。bark up the wrong tree 見当違い(の非難)をする、お門違いである

ただし由来は「猟犬が獲物を木に追い上げ、別の木に逃げ移られたにもかかわらず、下からその木の上方に向かって吠える」というのもの。ここでのBARKは「吠える」。

君、櫻の木の皮をはぐとは一体どんな了見なのだ!と怒ってStop barking (up) the wrong tree.と意見をすれば、ある程度洒落にはなるけれど、He’s not リスning.

寡黙な”ジョン・ウィック”氏の不満

俳優キアヌ・リーブスの言葉です。演じるジョン・ウィックのセリフではないようです。ちなみに同名の映画シリーズは、codes「掟」を破れば深刻な結果となるThere are consequences.というテーマで、ギリシャ悲劇のようなおどろおどろしさがあるといわれ、物語はウィック氏自身の掟がからみながら重大な結末へと向かうわけで、テーマを意訳すれば「ただでは済まされない」ということ。

ただ、ここで済ませたくないのは上の最初の文型

  I hate when …. 「・・・というときが嫌だ」

です。

I hate English. I hate studying English. I hate to study English.は、名詞や名詞句をHATEの対象に持ってきています。(LOVEでも同じことが言えますが)

そして、when ….という節は、やはり同じHATEの対象として、SVOのOとして使われています。

LOVEも同様に、

  I love when he smiles at me.

と言えます。

  I HATE IT/LOVE IT when ….

という形が標準と言われ、IT付きのほうが形が良いと思う方も多く、IT無しは米国英語に多くみられます。ただHATE/LOVEの部分に、REMEMBER、FORGET、KNOWといった動詞を持ってくると、

  I still remember when he ate up three bowls of gyudon.「彼が牛丼を3杯平らげたのをまだ憶えています」
  I can’t forget when our team won the contest. 「私たちのチームがコンテストで優勝したのが忘れられません」
  I know when she’s leaving for Canada.「彼女がカナダへ行くときを知っています」

というのはごく自然で、これらもやはり節を対象として、Oとして扱っています。「彼が牛丼を3杯平らげたとき私は思い出す」という意味ではないわけで、

  HATE/LOVE when ….は、REMEMBER/FORGET/KNOW when …と同じパターンに属する

と考えても理屈は通るはずです。

毎日、巨大な数の英語通信がインターネット上で行われる中で、このアメリカ英語に多いHATE/LOVE when ….(おっとLIKE when …. もあります)の言い回しはHATE/LOVE/LIKE IT when ….と肩を並べ、世界を駆け巡っています。

確かに米国人のリーブス氏から広くはハリウッド等の英語まで、米語の影響は大いにありそうで、私もどこかで学び、スタンダードとされていたI LOVE/ HATE IT when …. のITをドロップしてしまう人々が若者を中心にこのところ急増しています。

ドキュメンタリーのお知らせ

『いっしょうけんめい きょうまで生きてきたと!  長崎県立養護施設「向陽寮」の元寮生たちの手記』(ファミネット刊)の編者でもある作家の鶴文乃さんからお知らせが来ました。昨年NHKETVで放送されたドキュメンタリー、

   「ひまわりの子どもたち~長崎・戦争孤児の記憶~」

英語版が4月2日(土)午前10時10分からNHKワールドで放送されます。以下のような内容です。

原爆投下後の長崎で、GHQの指示を受け設立された戦争孤児収容施設・向陽寮。寮長の餅田千代が育成記録を残していた。千代は、盗みや乱暴が染みついた孤児たちと風呂に入り、自立のための教育に奔走する。やがて、千代を“お母さん”と慕う子どもたち。高度経済成長期、就職して社会に飛び出すが、待っていたのは戦争孤児への差別や偏見だった。60年ぶりに開かれた同窓会。焼け跡の孤児たちの知られざる戦後を見つめる。

こうした知識をベースにして番組を見ると理解が増すと思います。