今日の『ラジ英』 OO7 と THE LIVING DAYLIGHTS

今日のダイアログNo Training Wheels! 「補助車無し!」の最後は、

You scared the daylights out of me!

これは、You scared the living daylights out of me!とも言い、「あなたには本当にびっくりさせられた!」という意味です。

__

このthe living daylights(生きている日光?)の大元の意味は「両の目」。それが転じて「生命」を象徴することになり、「あなたは生命をびっくりさせて私の中から追い出してしまった!」、つまり「私は死ぬほど驚かされた」というイディオム表現になっています。

ちなみに映画007シリーズに『007 リビング・デイライツ』(原題The Living Daylights)があり、このイディオムをタイトルに使っています。その予告編(trailer)は、クルーザーに横たわる女性が、ここは退屈で仕方がない、ハッとするような男性がいないかな、とこぼす場面でスタートし、最後にボンド氏が空から降ってきて、彼女を本当にびっくりさせるという、イディオムを視覚的な落ち(visual punchline)に使っています。

www.youtube.com/watch?v=u3QtS3tL2Qw

今日の『ラジ英』 flammable と Great Scott!

★ややこしく危険なflammableとinflammable

今日のダイアログBurned Baconに、Bacon grease is highly flammable.(ベーコンの脂は引火性が非常に高い)という部分があります。

__ (1)

例えば火炎放射器をflamethrowerと言うようにflameは「炎」ですが、「炎を上げて燃える」という動詞にもなり、<flame+able>の組み合わせで、「引火性の高い」という形容詞FLAMMABLEにもなります。

一方、<in+flame>で「火照る、燃え上がる」という動詞inflameになり、それが<inflame+able>という組み合わせを経て、「引火性の高い」という形容詞INFLAMMABLEにもなります。次の等式が成立します。

FLAMMABLE=INFLAMMABLE

というわけで、inflammableと書いてあるからflammableの反対で不燃なのだ! という誤解は事故の元です。ちなみにinflammation(炎症)という医学用語にも”炎”が上がっています。

では逆義の「不燃性の」という語はというと、NON-FLAMMABLEになります。

★古めかしく新しくかつ使用安全な間投詞Great Scott!

ダイアログの別の箇所で、夫のJohnがパニックして叫ぶGreat Scott!(大変だ! 何てこった!)は、Great God!のminced oathだという説があります。mincedは「肉を細かく挽く」こと。minced meatなら「挽き肉」で、日本語化した「ミンチ」や「メンチカツ」の元です。ここでのoathは、聖なる者の名をみだりに使ってののしることで、それを”挽いた”、つまり婉曲的な表現がminced oathです。このGreat Scott!はその他の語源説もある中、1.5世紀ほど前から使われた末、outdated(古い)という烙印が押されたものの、1985年封切りの、1955年にタイムマシンで戻る傑作映画『バックトゥーザフューチャー』の傑作キャラクターDoc BrownがこのGreat Scott!を頻繁に使ったことから、現代に蘇った感もあります。卑語の一切ない大変上品な言葉遣いのブラウン氏の好きなGreat Scott!は、驚いたときに使って安全な表現です。彼の使用場面はこのサイトでチェックできます。

www.youtube.com/watch?v=8ACTIVntAKg

私などGreat Godzilla!はいかがかと思っていますが、十分ミンチされていない響きありでしょうか。

ちなみに、これも間投詞でOops-a-daisy!も「おっとどっこい! あれれ!」的な古めかしさがありますが、傑作恋愛コメディー映画『ノッティングヒルの恋人』のこの場面で効果的に使われています。www.youtube.com/watch?v=qwBeg2QfviE

 

 

 

新しいバケーション ステイケーション

V-A-C-A-T-I-O-Nのスペルアウトでスタートし、日本中を「部位、鋭意、恣意、泳・・・」と”リピート”させて一世風靡を果たしたのが、米国歌手コニー・フランシスのヒット曲Vacation(「バケーション」)で、それが1962年ということです。そして翌1963年には、英国歌手クリフ・リチャードがSummer Holiday(「サマーホリデー」)をヒットさせました。We’re all going on a summer holiday…. いやぁIt takes me back.懐かしや。これで「休暇」に当たる英語が、the Pondとも呼ばれる大西洋を挟んで違うことが立証、いや立唱されたわけです。ま、こうしたことは今になって思えばの話、That’s in hindsight.ですが・・・。ちなみに同じ1963年、the Channelとも呼ばれる英仏海峡の大陸側で、Vacance de L’Amourなるヒット曲が生まれ、日本では「恋のバカンス」としてザ・ピーナッツが大ヒットさせました。これで米英仏の「休暇」が約1年の間に勢揃いしたわけですが、日本では「バカンス」が「バケーション」や「ホリデー」を凌駕して流行しました。

それから約半世紀後、あの1929年に起こったthe Great Depression(「大恐慌」)の発祥地米国でまたまた起こった、2008年のthe Great Recession(「大不況」)から生まれた言葉がstaycation(stay-cation)です。

これは、近場の観光スポットや娯楽施設に行って終日楽しみ宿泊は自宅で、という休暇の過ごし方で、現在その言葉と共に定着しています。このGWに例をとれば、During the Golden Week, we’re going to have a staycation. という手があるのです。

staycateという動詞まで生まれています。これはstaycationからの「逆成」back-formationで、staycationと共にメジャーな辞書に収録される日を待っています。

日本語にもなりそうでしょうか。 「イエケーション」などはいかがなものか。

__ (1)

これはハワイの航空会社が出したメール。ハワイ諸島の住民に、別の島への日帰り空の旅を勧めています。

今月の『ラジ英』 安全第一とrush

5月のテーマはSafety First「安全第一」です。久し振りに遠出をすると途中の地下鉄駅ホームで安全第一サインを見かけました。

134

rush into the trainは、ドア、窓、車体を選ばず、ダーッと電車に突入する感じがあります。

get on the trainというおなじみのフレーズがあり、I’m on the train now. I’ll call you back.(今電車の中なので、あとでかけ直しますね)のような断りの表現が日本の車中で使われるように、電車に乗っている状態は、onで表します。電車の床の上に立つというイメージです。そこで、rush onto the trainやrush on to the trainだと良く通じます。

ところでrush into … には、「十分に考えずに・・・に飛び込む・行動する」という慣用的な意味があり、例えば、I feel I rushed into an engagement/marriage/the decision.(私は急いで婚約/結婚/決定をしたような気がします)のように、人生の節目に関し伏し目がちに使われます。

RUSHと言えば何を思い出しましょう? ジャッキー・チェン、おお、Rush Hour 1,2,3,4,5,6,7まで行きましょうや? ちなみにジャッキーの苗字Chanは、ジャッキーちゃんとすれば可愛すぎるためチェンとしたのでしょうが、英語音にもとても近く、名カタカナイゼーション也。

私は愚者と天使を想起します。あの格言、

Fools rush in where angels fear to tread.(愚者たちは天使たちが恐れ踏み込まぬ場所へなだれ込む)

です。エルビスがCan’t Help Falling in Love「好きにならずにいられない」の中で、

Wise men say only fools rush in but I can’t help falling in love with you….(賢者たちは言う、愚者のみがなだれ込むと、でもどうしようもなくあなたを好きになってしまう・・・)

と歌っておられるのですが、これは、詩人アレグザンダー・ポープの18世紀のエッセーの一節が一人立ちし花も嵐も乗り越えて歩き続けるかの格言の一部を使っています。そう言えば、個人的にとても好きな有名パロディーもあります。

Fools rush in and get the best seats.(愚者たちはなだれ込み一番いい席を取る)

Go, go, go! ????

フキノトウは好きのとう butterbur shoot

富山のご夫妻とそのご友人からフキノトウを頂く。細長い箱の中、白い紙に包まれ、黄緑色の葉と花こんもり。

__

雪残る山の斜面から来たフキノトウ。食欲湧き起こるのはほろ苦い味が好きだから。さっそく茹で、花カツオ踊らせ、正油垂らし、頂く。 ほろ苦い! 煮bitterしでもいかしそう! アサリ汁にも入れてしまう!

__

ザルに残った少々をそのまま口に入れる、これまた、ほろ苦い! 春が来たべさ! 北海道生まれの小生の原風景の底にあるのが雪解け水、黒い土、そしてフキノトウさん。

フキは英語でbutterbur、burは硬い毛。そんな葉でバターを包んだのが語源とか。トウはshootで、butterbur shootとなるも、あちらのshootはピンク色。で、Japanese butterbur shootだとshootがあの黄緑色のものになり、やっとフキノトウになる。ただ、そう言ってそうそう通じるわけでもなく。やはりfukiとして前置き、an edible stalkとa large round leafがある、と説明し、そのshootがfuki-no-toです、とするのがよいかも。

御礼にKnock-knock jokeを一句献上。

Knock-knock.

Who’s there?

Fuki.

Fuki who?

Fukiyan find you better fuki-no-to than Taeko-san, Mitsuo-san and Harada-san?

MANY THANKS! まだ半分残っていま~す。

今月の『ラジ英』 everについて

4月2日のダイアログA for Apple Pieに、内容を強める役割を担うeverが2度登場しました。

__ (1)

まず、

C: Would you like another slice? /  R: Would I ever!

これはWould I like another slice? (私がもう一切れいかがですかですって?)という疑問形の形をとった「欲しいですとも!」という意味の反語です。これに「いつでも(always, at any time)」という意味のeverを加え、Would I ever (like another slice)!とかWould I (like another slice) ever!と( )内を省いて縮め、「欲しいですとも、いつだって(こういう美味しいものならば)」という気持ちで発します。

この疑問文であって疑問でないという言い回しは、古代ギリシャから始まった話し方の学問rhetoric(修辞学、レトリック)の1テクニックでもあり、「修辞(学)的疑問文」rhetorical questionと呼ばれます。おそらくこういう言い方は、その前からあったと思われますが。

それはともかく、Hungry?と尋ねられてAm I ever!などと応用できます。疑問文ではないので文末で抑揚を下げます。

もう1カ所は、

You’re the best cook ever!

これは、最上級+名詞+everの形を使ったもので、「これまで、今までのどの時点から見ても」、つまりat any time=everという理屈で、「あなたはこれまでで最高のコックさん!」という、やはり強調された言い回しになります。

We’re planning the largest ever job fair.(弊社では過去最大の就職フェアを計画中です)のように順番を変えて言うこともできます。

ここで、私の最大の弱点である、場をわきまえぬ言語遊戯をここでも披露させて頂ければ、Would I ever?は「欲しいですってever!」と訳せましょうや(無理でしょう)。

恩師から送られてきた「恩師」に関するクイズ

英語関連の分野で恩師と呼ばせて頂ける方々は少なくありません。故Richard Via先生もその1人で、60年代に、ブロードウエイの演劇人としての体験を生かし、日本のアメリカ文化センターを中心に学生英語演劇の指導をスタートされましたが、幸運にも参加できた学際英語劇連盟Model Productionでお世話になりました。ジョークを語ることもお好きで、卒業後もお目にかかる度に、I’ve got one for you.と仰って披露してくださり、また新世紀に入ってからは、インターネット上のユーモアやウィットに富んだ記事を元学生たちに送ってくださいました。その1つに、『ピーナッツ』の作者チャールズ・シュルツの作ったクイズがありました。導入部にあるように、各問題に無理に答えず読み続けていくと、最後に言わんとしていることがわかる(You’ll get the point.)という仕組みになっています。セレブリティーと市井の人に関する質問が6問ずつ用意されていて、最後にThe Lesson(教訓)が添えられています。お時間あれば。

2015-04-11 037

The following is the philosophy of Charles Schultz, the creator of the “Peanuts” comic strip.
You don’t have to actually answer the questions. Just read the e-mail straight through, and you’ll get the point.

  1. Name the five wealthiest people in the world.
  2. Name the last five Heisman trophy winners.
  3. Name the last five winners of the Miss America contest.
  4. Name ten people who have won the Nobel or Pulitzer Prize.
  5. Name the last half dozen Academy Award winner for best actor and actress.
  6. Name the last decade’s worth of World Series winners.

How did you do?

The point is, none of us remember the headliners of yesterday.  These are no second-rate achievers. They are the best in their fields.  But the applause dies.  Awards tarnish. Achievements are forgotten. Accolades and certificates are buried with their owners.

Here’s another quiz.  See how you do on this one:

 1. List a few teachers who aided your journey through school.
 2. Name three friends who have helped you through a difficult time.
 3. Name five people who have taught you something worthwhile.
 4. Think of a few people who have made you feel appreciated and special.
 5. Think of five people you enjoy spending time with.

 6. Name half a dozen heroes whose stories have inspired you.

 Easier?

The lesson:
The people who make a difference in your life are not the ones with the most credentials, the most money, or the most awards.
They are the ones that care.

Charles Schultz

IMG_0448

 

アロハ!オムレツ!

今回、朝は頭韻横町のBuns in the Sunによく行き、lean omelet(野菜のみ)をwheat bread・コナコーヒーと一緒に頼みました。omeletは「刃、ペタッとした金属板」が語源。金属のplateをお皿のplateに載せれば・・・うーむ、contemplateしてしまいそうだ。

You can’t make an omelet without breaking eggs. とは「(オムレツは卵を割らずには出来ぬように)何かを成し遂げようとするには何かを壊さねばならない」ということ。In order to achieve something, it is inevitable and necessary that something should be destroyed.とは我らがWiktionaryに。

そんな立派なものに毎回、ケチャップで楽しい顔をと工夫するも叶わず。以下のような結果でした。食事中でしたら見ないほうが良いかもしれない。もう1つ、2つあるのですが、時間がない・・・。

2015-04-11 006

2015-04-11 030

2015-04-11 005

ほんとうに下手ですね、これは。テレビシリーズ『メンタリスト』の大ファンであるので、途中から「レッド・ジョン」を思いだしてしまい、ジョンに悪いので、Red Kenという名を付けざるを得ませんでした。シーズン8はないようですが、リズボンとジェインの両氏は結婚・・・? ネタバレ(spoiler)でもないのですが・・・。ケチャップのボトルが大きいのがいかん。チューブのものがない。残りのオムレツ画像に関してはいつの日かcatch upしたいと思います。

ALOOOOOHA!

頭韻の日常性 アリタレーション商店街

日本語頭韻表現界に燦然と輝くのが、

「飲んだら乗るな 乗るなら飲むな」。

これと同格の英語圏での標語が、

Don’t Drink and Drive

こうした頭韻(alliteration)を使って視覚や聴覚に強く訴える方法は、英語では大変多く、あるショッピングエリアに用があったので、ついでに、20メートルほど商店が並んだ一画に頭韻表現があるかどうかをチェックしてみました。

Buns in the Sunは朝食に四角いオムレツを出すパン屋さん、というかバン屋さんで、このところその形とあっさりした味にはまっています。店に入ってみました。その前に店名ですが、bunsとsunで不完全な脚韻を踏んでいて、これまた覚え易いのです。

2015-04-07 067

中に入りました。

2015-04-07 0742015-04-07 075

素朴です。ほぼ偶然の頭韻accidental alliterationでしょうか。お、これも頭韻です。

ちなみに、『スターウォーズ』の大衆文化(pop culture)への浸透ぶりをうかがわせる事例がレジ横にありました。

2015-04-07 070

あの物語での「悪の世界」はThe Dark Sideでした(です)ね。英語圏にはデザートで過度の砂糖摂取をすることをsin(宗教上の罪)と呼び、I made this chocolate sin cake!などと言って皆でむしゃむしゃと食べる風土がありますが、この”罪深い”世界をthe Dark Sideととらえ、あの”Come to the Dark Side”(ダークサイドへ来るのじゃ)というセリフを使っていざなっておいて、「クッキーがございます」と結んでいます。

もう一軒、アイスクリーム店Baskin Robinsへ。寒いので中へは入らず。まずドアに「ソフトクリーム」のサイン。英語では頭韻でこれです。

2015年4月3日コナ 109

やはりウィンドーにあったのが、クールな(cool)お決まり(classics)でCの頭韻、その下にFの頭韻。

2015-04-07 079

店の横の看板にはpick-me-up(シャキッとする飲み物)とperfectedとでPの頭韻。

2015-04-07 076

だめ押しに、M-Fというダブルの頭韻。More flavor, More fun.の部分です。

2015-04-07 077

このように、目を惹くため、覚えてもらうために、頭韻は頑張っています。よく見るとpre-packedもありますね。ちなみに、ほんの数例ですが、スパイダー・マンのPeter Parker、スーパーマンのClark Kent、超人ハルクのBruce Bannerなどは、超人だけでなく個人の名もしっかり覚えてもらおうという、作者たちの頭韻頼みの現れです。

おっと買い物袋にも・・・

2015-04-07 078

あっという間の頭韻ハンティングでした。頭韻矢の如し。このAlliteration Alley(頭韻横町)、まだまだありそうです。気を付けないとはまるかもしれませんよ。(Beware. You might get hooked.)。

2015-04-07 081

こんなところにも・・・

2015-04-07 082

非常口なので周りに何も置かないようにということですが・・・どこってKeep Clearの/k/音です。時事経済雑誌、新聞の見出しにも・・・今週の『ラジオ英会話』の火曜日にはGod’s giftが・・・。偶然のようで必然であったり・・・すべて偶然と決めつけず・・・ことわざにBetter bend than break.(折れるより曲がるが良し)もあることですから・・・これも頭韻・・・Come to the Dark Side….