今日の『ラジ英』 マインドとハート

今年度も『ラジオ英会話』を担当することになりました。Katie、Jeffのお二人も一緒です。どうぞよろしく。今月は好き嫌いをどう表すかがテーマです。

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今日はハイクと俳句にはまっている女性と山歩き大好きの男性との会話です。最後に二人の明日の予定が同じだということがわかり、Great minds think alike!(偉大な頭脳の考えることは同じですね!)と女性が発します。この決まり文句は、偉大な頭脳を持たずに使えるユーモア表現で、例えば、あなたもグアムへ旅行を!といった場合にも使えます。また、仕事で互いにアイデアが同じという場合にも、讃え合うように、あるいは慰め合うように、使うことができます。

このmindという英語、個人的には子ども時代に遊びで習った「ドンマイ」(気にしない)が最初で、Never mind.が適切であることを高校の英語クラブに入って了解。名詞のmindは、中学時代、レイ・チャールズのヒット曲I Can’t Stop Loving Youの”So I made up my mind to live in misery…”という悲しい決心をするところで授業での情報を確認。日本語では「心を決める」、英語では「自分のマインドを作り上げる」で、マインドの場所はというと、She is one of the greatest brains/minds of the 20th century.と言うように、brainとmindが交換可能なことから、between your ears(頭の中)にあって、「頭脳、思考、記憶、知性」などを表します。

ただ、こうしたmindの持つ機能を、古英語の時代にはheartが司ると考えられていて、現在その唯一の名残りとして、learn by heart(暗記する)というイディオムがあります。ただ、heartにもmindの持つ機能があるという研究が現在なされているようで興味あるところです。いずれにしても、Put your heart and mind into learning! マインドとハートをフルに使って今年度も学びを!

3月去る

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これはエルビスファンである私が、メンフィスのお土産としてKatie Adlerさんからラジオ局のスタジオで頂いた免許証です。いつかどこかで出してみようと持ち歩いたりしていますが、チャンスは未だ来たらず。よく見るとEYESはBL(青)、HAIRは写真もBK(黒)だけれど、これは茶を染めたもので、黒人的な歌を歌う青い目の白人には正解だったかもしれません。35年1月8日が誕生日。毎年、あ誕生月だ、とエルビスを意識して新年がスタート。そしてもう3月も終わりです。早い、速い、Where does the time go?「この時間というものはどこへ行ってしまうのでしょう?」。新年度もあと数日。日本の「一月往ぬる、二月逃げる、三月去る」の文句どおりです。これは「いちげつ」と「いぬる」、「にげつ」と「にげる」、「さんげつ」と「さる」で、日本語には珍しい頭韻を踏んだ決まり文句。2月など「にげ」と「にげ」で濃い響き有り。「四月」はどうでしょう。どなたか挙手を!

英語ではこの3月に関する決まり文句に、March comes in like a lion and goes out like a lamb.があります。「3月は獅子の如く来て子羊の如く往く」。

これをMarch comes in like a lion / And goes out like a lamb.と2行にすると、行の終わりのlionとlambが(脚韻は踏んでいませんが)頭韻を踏んでいます。

ここで ものすごいスピードで去って行く3月に関して私からこれはどうでしょうか。

March is marching out!!!!

Easterはザ・ネクスト・ハロウィーン?

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米国でクロスワードが大ブレークした1924年のキャッチフレーズがThe Next Mah-jongg!でした。前年までは中国からの麻雀が大ブームでしたが、翌年からゲーム一番人気は、「次の麻雀!」、つまり、「麻雀に代わるもの」という意味のこのキャッチが目指すとおりになりました。人気は半端ではなく、図書館の辞典は1年でぼろぼろ、通勤電車の各車両の両端に辞書が用意され、乗客はパズル本に鉛筆という格好だったとのこと。ここから英語圏全域に広まり、以来、現在まで、クロスワードが毎日載っていない新聞はないという状態が続いています。さて駅ビルでみかけたこの画像、日本のThe Next Halloween!かな。

Photobombingの季節?

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記念写真やせっかくのショットを台無しにしてしまうbunny earsというジェスチャーがあります。Vサインを人の頭のうしろに立てるものです。その他、いたずらの方法は様々ですが、それらをまとめて表すphotobombing(フォトボミング・写真爆撃)という新語が生まれ、コリンズ英語辞典の2014年Word of the Yearに選ばれました。これは昨年東京九段で撮ったものですが、this otherwise impeccable pic(このそうでなければ非の打ち所のない画像)を中央で破壊している女性が残念なことに私の妻です。また櫻の季節がやって来ましした。

今日の『ラジ英』 華々しくスタートする

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復習日です。火曜日ダイアログGood Turnout「良い出足」にSally’s Electronics opened today with a bang!(サリーズ家電店が今日華々しくオープンしました!)がありました。

このwith a bangは「華々しく」という意味で、bangは、あのthe Big Bang(ビッグバン)にもあるように、大きな音を表し、start with a bang and end with a whimperという言い回しにも使われます。直訳すれば「ドカンで始まりクンクン(犬が悲しげに鳴く声)で終わる」です。これは「竜頭蛇尾」によく似た意味になり、例えば、The project started with a bang and ended with a whimper.(そのプロジェクトは鳴り物入りで始まりましたが振るわずに終わりました)と言えます。

華々しいと言えば昨日の夜の近所の公園のヒカンザクラ(カンヒザクラ)の画像です。(「の」続きです。祝詞のようでお目出度い感じが私的には好みです。) Spring has sprung!

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今日の『ラジ英』 何々感がある

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毎朝一日の目標を立てる習慣のある女性が、常習的先送り派(chronic procrastinator)を自称する男性に、It gives me a sense of accomplishment.と説明しています。直訳すれば「それが私に達成感を与えてくれる」、砕いて「そうすると達成感を得られる・ある」。何か一言二言伝えたあと、それをitで受けて、It gives me a sense of …. というパターンを使えば次のようなことを伝えることができます。好きなものを選んでみましょう。

a sense of well-being(幸福感)、a sense of belonging(帰属感)、a sense of peace(安心感)、a sense of responsibility(責任感)、a sense of satisfaction(満足感)、a sense of comfort(快適感)、a sense of deja vu(既視感)、a sense of purpose(目的感、目的意識)、a sense of freedom(解放感)、a sense of security(安全感)、a sense of stability(安定感)、a sense of pride(誇り)、a sense of control(コントロール感覚)、etc.

さて、登場する男性バリー君は、先ほど言ったように、ものごとを先に延ばす傾向の強い人で、英語ではprocrastinatorと言います。自分が何故そうなのかをバリー君が説明するなら、こうなるかもしれません。

I’ll explain why I’m such a procrastinator…later.

 

元気一パイの広告

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機内雑誌の裏表紙にあったHula Pieという食品の宣伝です。広告界では人口に膾炙したイディオムやことわざをもじって大きな収益を上げる”ひねり技”がひんぱんに用いられます。これもその一例です。大元のことわざが、

You can’t have your cake and eat it, too.(ケーキを所有し、かつそれを食べることはできない)

要するに、持っていたいなら食べられないし、食べたいのなら持っていることはできない、ということで、moral(教訓)は矛盾する2つのチョイスは両立できない、You can’t have it both ways.(両方は無理)です。どこかつかみにくいことわざです。いっそ前後をひっくり返して、You can’t eat your cake and have it, too.と言うとよりわかりやすいのですが、老舗のしぶとさで、元の形が使われます。

この広告の写真を撮って、あるいは、QRコード(QR code)をスキャンし、メールで送ってもらったクーポン券(voucher)を指定店で見せれば、写真のフラ・パイ(Hula Pie)を無料でゲットして食べることができるという仕組みです。そのgetをhaveに掛けてHave (get) your Hula Pie and eat it, too.と言いたいのでしょう。何とか的に当たっていると思われます。

ところでジブラルタルの岩のような格好ですが、実際の大きさはどうなのでしょうか。

 

今日の『ラジ英』 負けるもんですか

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今日のダイアログIron Will「強固な意志」に、けがをして全力を出し切れなかったテニス選手が、A little injury isn’t going to defeat me.(軽いけがなどに負けてはいられないわ)と言うところがあります。… isn’t/aren’t going to defeat me. / … won’t defeat me.という元気の出るパターンなので、覚えてみたいものです。

私は歌で覚えました。大学時代、映画『明日に向かって撃て』のテーマ曲が好きで、ギターをジャラジャラ鳴らしながら(strumming my guitar)よく歌いましたが、特にその中の、「雨粒が頭に落ちて来るばかりだが、ただひとつ確かなことがある。連中が送りつける憂鬱な気分に俺は負けないということ。幸せが挨拶しにやって来るのもそう遠くない」という部分が好きでした。日本公開は1970年。明日に向かって何を撃てばいいのか、当時夢中になっていた芝居を打つことだけは分かっていたのですが、今ひとつ掴めない私は、それまでの映画になかった主人公たちの登場とその友情や生き様、そして映画の撮り様に、目を見張った覚えがあります。

次はその歌の部分です。映画公開が迫る中、歌手B・J・トーマスは風邪を押して録音したため、映画バージョンでは声がかすれがちということです。別バージョンと聞き比べると分かります。

Those raindrops are fallin’ on my head, they keep fallin’. But there’s one thing I know. The blues they send to meet me won’t defeat me. It won’t be long till happiness steps up to greet me.

 

名前が何よ? What’s in a name?

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ドイツの小さな町を歩いていたところありました・・・これで医院でしょうか。いやそれらしい清潔で綺麗なたたずまいでしたからそうなのでしょう。

食べ物の名に関しては、ハンブルグ港から多くの移民がニューヨークへ向かったことと、「ハンブルグ市民」という意味であるHamburgerとが、かすかに接点があるという説もあります。まあ、この写真のHamburgerは人名ですから、別の由来があるのでしょう。「たかが名前」What’s in a name?という定番表現もあり、まあ大騒ぎするようなことではないかもしれませんが・・・。ちなみに・・・。

悲劇の主人公ジュリエット・キャプュレットは、敵対する家族の息子ロミオ・モンタギューを想い焦がれて「モンタギューて何よ?それって手でも足でも腕でも顔でも男の体の他のどの部分でもない。ねえ、他の名になって!たかが名前じゃない?私たちが薔薇と呼ぶものは他のどんな言葉で呼んでも甘い香りは変わりはしない」と独白しますが、このWhat’s in a name?は単独で会話や文章に使われています。このドイツの場合はうまそうな物が入っているわけですが・・・。

What’s Montague? It is nor hand, nor foot,
Nor arm, nor face, nor any other part
Belonging to a man. O, be some other name!
What’s in a name? That which we call a rose
By any other word would smell as sweet. (Act II Scene II)
400年前の芝居のセリフが現代でも頻繁に使われている例は、このWhat’s in a name?以外にも数多くあります。英語遺産は多いです。しらざあ言って聞かせやしょう、あとで。
ちなみに『ロミオとジュリエット』はイタリアのベローナが舞台ですから、ドットール・スパゲッティとかやはりいらっしゃるのか~な・・・。