リンクについて  once upon a time

初めて口にしたリンクする英語は何だったのだろう? 
リンクするとは、ある単語の最後と次の単語の最初が連結することで、中学でリエゾンと知ったが、このフランス語はフランス語の事情で生まれた用語で、英語ではlinkingという言い方がある。

例えば、at allが”atall”、the endが”the-yend”のように、atやtheのあとに息をつがずに次の語に繋げることで、そのぶん疲れないし省エネになる。

今のところだが、霧立ちこめるメモリーに分け入ってみれば、最初に口にしたリンクはOnce upon a timeだと思う。Once uponとupon aのそれぞれ2語が1語のように連結する。とても言いやすいという印象を持ったように思う。

ただ、例えばこの傑作映画のタイトルを日本語会話に取り込みたいときには、その邦題のように、

はよかったね、と言うのが”周囲に好かれる”かもしれない。「ワンサポナ」と始めると、20世紀風に言えばバタ臭い、21世紀では、ハーフですか? 日本人でしょう?とか言われてキャンセルされるのだろうか。グループによって臨機応変に使い分ける人が多いのだろうが。

椀巣亜本亜式で行くか、湾砂歩奈式を取るかは、英語オーバーコンシャスな大和の国にいる限り一度は通る道だ。何度も通ることもある。ただ、どうせ苦労して学ぶなら、湾砂舗奈式で面白がり、かつ英語のリズム感を身に付けていくほうが、分かりやすく言いやすい英語により早く近づく。

あなたの最初のリンク英語は? 思い出したらご教示ください。

頭韻矢の如し 英国議会 Stop-Sunak

Mordaunt backers are counting on ‘stop-Sunak’ MPs if Johnson falls

With the Conservative party bitterly divided, the leader of the Commons is seen as a unity candidate

Penny Mordaunt
Focus groups suggest Penny Mordaunt is more relatable to the public than millionaire Rishi Sunak. Photograph: Chris J Ratcliffe/Getty Images

From The Guardian

与党内ではSunak(「スーナk」)候補を阻止しようという動きがあり、もう1名の有力候補・下院議長のMordaunt(「モーダンt」氏は、ジョンソン氏が候補を断念した場合、この「ストップ・スゥナク」の動きに期待することになるという見出し。奇しくも語呂の良い頭韻スローガンとなったかに見えたStop-Sunakだったが効力無く、Sunak or later(地口の意図あり)首相の座につくと一部で囁かれていたスーナク氏がPM(prime minister)に選出され、Number 10(首相)となった。(官邸がダウニング街10番地にあることから)

格言Home is where the heart is.が「彼の家はアートがあるところ也」とひねられた

オランダの画家ピート・モンドリアンの伝記が出版され、その批評が異色の評論家からThe New Yorkerに寄せられた。モンドリアンは黒い線に原色の方形が配された絵で有名だが、これまでほぼ全く興味を持たなかったのだが、その記事に触発されて「Mondrian」とブラウザーに載せたところ

このArtsper Magazineというサイトの、「ピート・モンドリアンについて知るべき10のものごと」に行き当たった。ヤアーっとリストをスクロールダウンして、10番目で目に止まったのがこの小見出し。僕の持つ”症状”で、こうしたひねったものに目が行ってしまう。

10. His home is where the art is

Piet Mondrian in his studio-home
Piet Mondrian in his studio-home, 1930 © Charles Karsten via Het Nieuwe Instituut

Mondrian’s studio was also his home, a fusion of half-finished artworks and domestic furniture, and he often hosted fellow creatives and intellectuals in his workplace domicile. His apartments in Paris and London were wholly dedicated to his art, where he painted his walls white with sporadic red plains, rendering his home a fully-immersive, three-dimensional De Stijl artwork.

最後のDe Stijl(オランダ語デ・ステイル)は英語でThe Styleといった意味の芸術運動で、モンドリアン氏が主張したNeoplasticism(新造形主義)に基づくという。言語遊戯によってモンドリアン家まで来てしまったが、定規を使わずに線を描いたという同氏の10のものごとサイトにしばらく滞在して戻ることにする。
(間)
おお、1に「彼の筆名Piet Mondrianは、アナグラムすれば” I paint modern “になるとある。英語で来ていたのか。
Wat? 5 ヒトラーの退廃芸術展(英語でDegenerate Art Exhibition)に他の現代美術家と共に出品の”栄誉”を受けた。 
Wauw! 7 「スペイン風邪にかかり半年以上闘病したが自宅にこもって絵を描いたことが良かったのか生き延びた」ということだ。

頭韻矢の如し 英国議会

トラス首相の辞任を受けて、同じ保守党のジョンソン元首相が復帰するか?というニュースです。bounce backには「病気やダメージからすぐに立ち直り活躍の場に復帰する」という意味があります。

Bを冠した党員関連3連頭韻です。

トラス首相を破滅に追いやった(undid)24時間の総ざらいという記事です。見出し前半はイディオムall in a day’s work(厄介だがいつものこと)のもじりーーdebacle(瓦解)でdayと組み合わせたもの。「たった一日で瓦解した全てを」といった意味で、Dの頭韻です。

両記事ともThe Guardianより。

鶴文乃さんの本です

コロナ禍でキャンパスでの活動が出来ない留学生リナさんが、日本での思い出にと翻訳したのがこの和英対訳本で、フランク・プリジョンさんの校正のバックアップがあり、27年振りの再版となったとのことです。原爆で父や長男を失ったご家族(当時鶴さんは幼児)を支えたのが次兄で、靴が買えず下駄で通学し、毎日その緒が切れたので本の題名にある仇名が付いたということです。

本は見開きの片側に絵があり、もう一方の上下に和英のストーリーが帯のように続きます。各セットは短く、英訳を追いかけながら原文と対照したり、逆もまた正解です。主人公の医師と家族を支えたお兄様との接点が大変多いとのこと。ベトナム戦争とも関連させながら平和憲法を見据えた作品です。

羊羹 say that again.

姉よりイラスト入りの「品名(内容品)」欄付き贈り物がまた届いた。
 羊羹には美しいという字があったのか。羊はうメエからだろうと、言語面の症状が出始めたのを抑えながら拝見する。抹茶だろうか。いとも不作法な僕はこ抹茶うのだが、その隣は光の当たる部分を抜いた見事な羊羹ではないか。YOKAN’t always get what you want.とは哲人ミック・ジャガーの名言だが、このイラスト、YOKAN’t beat it.(勝るもの無し)である。僕なら白く抜くために送り状を何枚無駄にしただろう。さらに、いもみじくも楓の葉を一枚貼り付けて、「夜の梅」的暗き甘さとの均衡を保たんとしたはYOKANがえたものじゃと船端を叩いて感じたり。煎茶と羊羹で頂きます。

頭韻矢の如し このStay strongは困る

このパンデミックの下、メールやテキストメッセージの最後を
   Stay safe.
   Stay strong.
   Stay safe and strong.
と、2連、3連のSの字頭韻の挨拶で締める習慣が生じて久しい。
 そのstay strongをインフレの記事に使うセンスが嫌ですなあ、NYTさん。
 そのあと、
   stubbornly rising US prices「依然として(頑固に)上昇する物価」
をshow(示す)というところでまた、
   showing stubbornly ….
と、Sの字2連、計4連集中で読者の注意を引きつけんという見出し作戦なのだろう。

気色の悪いヘッドラインと煽るよなデザインの線グラフ(line graph)の記事掲載ご容赦。

なに? 米国消費者物価指数8.2%年内上昇とな? 大和の国では私の好きだった或るパンが、或る朝に、170円から230円へと目の覚めるような飛翔を行い、今も水平飛行中で在る。これが本当のパンデミックか。Stay strong.