日々是・頭韻 /b/-/b/ 荷役獣?

ローリングストーンズの

  ♬I’ll never be your beast of burden

で始まる歌のタイトルは頭韻を踏んだ

  ”Beast of Burden”。

俺は君の荷役獣にはならない、と唄っている。

beastはThe Beauty and the Beastの「野獣」。(おっと来た、これも頭韻。頭韻矢の如し)

「重荷の野獣」「荷役獣」

お疲れさまです。辞書に、

  an animal, such as a mule or donkey, that is used for carrying loads

ラバやロバ、などとありますが、その他大勢を加えると、

  elephants, donkeys, horses, yaks, oxen, mules, buffaloes, camels, llamas, reindeer, water buffalo

とか。みなさまお疲れ様。人使いの荒い話。荷役御免となりますよう。

日々是・頭韻 /k/-/k/ cookie-cutter

クキカラやクキカタに聞こえるクッキーカッターは頭韻を踏み、2語をハイフンで結ぶと「金太郎飴的、決まり切った、毎回同じの、似たり寄ったりの、新味のない」といった意味の形容詞に変化し、

  It’s one of those cookie-cutter station buildings.(あの決まり切った駅ビルのひとつです)

のように使います。

よく見れば、よく聞けば、「決まり切った」というのも頭韻ですね。それも切ってある。「似たり寄ったり」は脚韻です。

ファーザーグース

ウォーキングの途中の過日、カメラで撮れるはずもない実に立派な夕陽に恐れを知らずカメラを向ける私のような人物が道のあちこちでカシャ。
ニアライムもダメライムも混じって赤々とリズムあれこれウイルスに一句。Hadesは黄泉国。

Fire engine sunset,
burning bright
Painting the town red
 ere the night.
Cable wires on fire
 every car and tire
Burn, virus, burn,
 burn, virus, burn,
Burn, virus, burn
 to ashes in an urn
Get sent back to Hades
 and be nobody’s.

和風オープンサンド

急いでいるときは、これ助かります。

海苔半丈の半分を並べ、飯を載せ、鮭などあるものを載せ、小葉を載せ、カプ。早いぞ。お茶があればベスト。サンドだから珈琲もベスト。大葉と思って鉢に入れたら小葉だったのでフン! 名も小葉と付け放ったのだが、切らなくってよいんだからファン!に。2個など問題ない。

sandwichはeponym(名祖語)でイギリスの貴族がカードゲーム中に手を汚さず席を立たず中断せずに食するものを料理人に頼んだところ・・・ということで、料理人の名が付かなかったのが残念だ。多分雇用者よりは短い名だったろうから、今頃Do you want two joneses or just one?などとジャストシンプル英会話ができていたかもしれない。
しかしその伯爵がたとえばEarl of Northercumberlandだったとしたなら、こりゃもう話にも日本語にもならなかったに違いない。
だからといってsandwichが短いわけでは決してないのであって、スーパーなどではTunafish Sand.といった表記が増えている。cheeseよりもhamよりもsandwichのほうが長いのだから、今後の伯爵の運命を感じさせる。

日本では早々とサンドで、侯爵はほぼいない。

カサブランカ2

中でも有名なのが、北アフリカのモロッコ国の町に住む主人公で米国人のリックが、自分の経営する酒場に人もあろうに昔別れて忘れようとしている恋人が入って来たことを酔って嘆くセリフ。

Of all the gin joints in all the towns in all the world she walks into mine. 「世界中の町という町の酒場という酒場の中の俺の店に彼女が入って来てしまうか」

このリック・ブレインは、酔ってヒッと泣き声を出したり、ナチスに刃向かったりする幅のある人物。Here’s looking at you, kid.に超ロマンチックでややcringeyな訳を当てられて柄に合わず迷惑そうです。日本語訳のレベルまで行けないキャラとして在るのが彼のはずで、それはバンカラ風なこの元ゼリに感じられます。

とにかくこのカサブランカ現象、なぜ選りに選って自分の席の横に!と感じたら思い出し、ついでにこのセリフも思い出して、その場にあった言い方に英借文すると、少しは気が紛れるかもしれません。The Casablanca syndromeでした。

casa(家)の中のブランカさん。Come on in! 100数十円から100万ドルの姿になりました。A million thanks!

カサブランカ現象

待っていたカサブランカが開き

雨が来る前に屋内へ。Casa blanca. well-known for its magnificent blooms and irresistible fragrance. 壮麗な花と 抗し難い芳香。Place of origin: Japanとある。日本原産の百合が、海外で交配された。トカラ列島のタモトユリも使われたとある。

このmagnificentは映画で覚えた初の長い英単語だった。映画は『荒野の七人』The Magnificent Seven。「マグニフィセンt」と覚えたが、センtよりスンtに近い。a、e、i、o、uをハッキリ読む傾向があったわけで。『七人の侍』のプロットとスピリットすべてを手本にしたこの西部劇。ただウエスタンにお決まりだった「主題歌」がなく、代わりにオーケストラの奏する「序曲」で始まる大作の風に圧倒驚く大画面。

百合に戻ると、夕刻から夜に香りが強くなるらしい。なるほどそのとおり。

話は大幅に飛んで質問。広い店やガランとした電車など、スペースがたくさんある場所なのに、すぐそば・すぐ横に”座られてしまうといことがありませんか。最近それがあり、好奇心に負けて、「なぜすぐ横に?」と尋ねてしまったのですが・・・無表情の青年は私を見て、静かにドリンクバーへと去っていきました。テリトリー面でこちらに問題があったのか・・・あるいは余人には計り知れぬ深い訳があったのか。とにかく私はこれをカサブランカ現象と呼ぶことにしています。ただ、このカサブランカは映画Casablancaです。



西沢杏子さんの本

詩人の西沢さんの新刊です。言葉の深さ面白さに満ち、読みやすい本です。

英語という「言葉を学ぶ」者として僭越ながら感想めいたことを。文字、音、意味が合体してひとつのメッセージを伝えるのが言葉だとも言いますが、ひとつの言葉にひとつの音、そしてひとつの意味という、例えば英語を学ぶ世界での「マメ単」的な言語設定は土台無理な話で、「ちょっと大きい辞書」を開いてわかるように、言葉同士は、さまざまに、おそらく無限に、その意味や音や文字がオーバーラップし合っています。というより、人間が脳内でオーバーラップをさせてしまう癖というか傾向を持っていて、例えば「し」と聞いて、詩、視、死、子、師、脂、氏、詞、市、士、試、四、歯、私、支、刺・・・と、その場、そのキャラにより、さまざまな文字、音、意味が、色、形、映像、香り、感情などをともなってあれこれ沸き起こり重なり合い、放っておくと、私と史が重なり私史となり、市史、四肢、志士、獅子、宍戸錠、頬、微笑み、エミリー、ビル・エバンズを聞こう、と、思わぬ場所や行動に出ることも少なくありません。これが我々の脳の現状であり、AIには気になるところかもしれませんが、人間にとっては、これがあるからI。独りしりとりができる、おしゃべりが進む、駄洒落が出る、キャッチコピーで稼ぐ、ライミングで見得を切る、詩歌が湧き出る、と、自由闊達。知らぬ間に父の音量、母の話法、〇〇弁や俳優XXの言い回しまで総出演・総天然色で、その人にしかない言葉の世界があるわけで、どこにあるかといえば、その人の脳でしょうか。というわけで私たちの脳は大文字のYESなのです。

西沢さんの作品は、そうしたYESを広々と感じさせてくれます。紙面にしても、たとえば二行で一本の花や草。すこし離れて一本の木や虫、また離れて人間がいるような、自由の中の形があり、リズムがあり、ライムすることで楽しさや悲しさを感じさせてくれたり、シリーズ名を超えて、大人の持つジュニアやシニアの部分、その中間あたりにも語りかけてくる。Writing free verse is like playing tennis with the net down.(自由詩を書くことはネットを落としてテニスをするのに似ている)とは、自由詩も沢山書いていたロバート・フロストの言葉ですが、西沢さんの形と自由のある作品集は枠の内外の往来がAll right.だと感じます。

日々是・頭韻/s/-/s/  規模と範囲

しみじみ眺めると、fast foodも頭韻を踏んでいます。

親しみやすい言葉の秘密のひとつ、それが頭韻です。

size and scopeは親しみにくいほうのレベルですが、

  size and scope of the package (deal) 一括法案の規模と範囲

について、共和党との同意が得られなかった米国大統領の前回の記事です。

順番ですが、scope and sizeとひっくり返して使うこともできます。