最上級の最上級考

He is the tallest boy. in my class.

最上級で表すものごとは一人かひとつか一個なのだぁと覚えた。

いくら伸び盛りとはいえ、tall, taller, tallest、short, shorter, shortestと慎重さを欠くよなレッスンを受けて学んだ最上級が、そのあとたとえば

She is one of the best American story writers.

と使われているのを見聞きして、「ぼかすな」「ハッキリ一人にしろ」とイライラし、苦々しく感じて何十世紀。

「なるほどね、事情や都合があるわけだ」と大人しく納得したのは20代で、以降一応気にならなくなって幾星霜。つい先日、星降る夜にテレビのリモコンでchannel surfing/hopping/zappingをしている最中に、こんな番組案内が画面に現れた。

調べれば、超最高級品を取り上げてワイワイという、私には全く興味のない番組内容だが、タイトルには目がいきました。こうやって聴取者を増やすわけですね。

ルイス・キャロルの小説でアリスがCuriouser and curiouser.、「不思議er、不思議er(語訳は筆者)」と言って読者を驚かせるのを思い出す。

そういえば、と言うのも野暮なほど、

He was my bestest friend.

That was my worstest experience in my life.

と言葉遊びをする者絶えず。これを見聞きし眉ひそめ、

He was my very best friend.

That was my worst experience ever in my life.

と言い換えるもよし。ただ、

A: I love her way more than you. I love her most.
B: I love her mostest.
A: I love her mostestest.

と遊びに拍車が掛かるのは見過ごすほかあるまいぞ。

というわけで、たとえば、

I’m my bestest friend.

と独りごちて、「ふふ悪くないかも」と感じる方もいるのでは?

「いやこんなこと言うべきではない」と思ってしまう方もいるかも。

これ、一つのa fork in the road(分かれ道)であり、このとき、

Take the fork.(分かれ道を行く)

という第3の選択もあります。世の中は広い。使わずとも、お茶目な視座も持っておいては。

Maybe this is the most unimportantest tip for English learners.

英語島の夜 コキガエルを見つける

モンステラの中にカエルがいる。

There it is! A tiny little coqui!

3cmほどの小サイズながら、夜、大デシベルで鳴くのでなんとか見つけることができる。

「泰平の眠りを覚ますコキガエル たった数匹で夜も寝られず」。

泰平ではないにしても、熱唱中に恐縮ながらこちらにも事情があるわけで、この好機を逃さずbaking soda(重曹)で眠ってもらうことになります。

情報: The coqui is a small tree frog slightly larger than 2.5 cm (1 in) long, with colors varying from light yellow to dark brown. It has a round body shape and a broad rounded snout with obvious toe pads. They also make a distinctive “ko-kee” vocalization that can be easily heard. They are found on ground level and in trees and bushes, but their calls are primarily made from 1-2m (3-7 feet) high.

https://dlnr.hawaii.gov/hisc/info/invasive-species-profiles/coqui/

最終号の表紙の言葉

down the road

「この道を下ったところに」と道案内するなら、It’s down the/this road.と言えるわけですが、「平らな道」の場合、その方向へ指を差し、さてどんな前置詞を持って来ようか、となると・・・・・・

alongかdownになります。downにはalongと同じ「沿って」という意味もあり、「この先に」という表現にも使えます。

ややこしいぞという反応をなさる方。慣れると楽で、down this way(この方向に)、down the/this streetなどの形でと会話でよく使います。

「楽習」10月号は最終号となりましたが、表紙のメッセージで使われている

  See you down the road.

の場合、(this roadではない)the roadは「人生という道」を、down the roadは「この先で」という未来の漠然としたある時点を表しています。

やや渋い言い方であり、人生を旅する者が同じ旅人に掛ける言葉とでもいいましょうか。

フランシス・マクドーマンド以外に主演はいないと感じさせる映画Nomadland『ノマドランド』の最後のセリフが、

  See ya down the road.

でした。

ちなみにこの映画を見て、J.R.R.トールキンの言葉を想っています。

  Not all those who wander are lost.(さまよう者すべてが道に迷っているわけではない)

ゲッコーの卵を初めて見て一言

家人の指摘でベランダに出るとゲッコーの卵が。やや欠けているのでしばらくそこにあったのか。

で素直に一言: This is a first for me.

これはThis is a first time for me.という表現のtimeを省いた分、first timeにあった驚き・とまどい・喜びなどの感情がfirstで半分にならず逆に増幅される、改まらない場の、フレンドリーな雰囲気でいきたいときの表現。その場でThis is a first!と言うことも可。

もう一言、というよりこれは引用なので、卵関連のひとquote:

A good friend is someone who thinks that you are a good egg even though he knows that you are slightly cracked.

良き友とは、あなたがすこうしひびが入っているのを知っていて、かつ「いい卵」(いい人物)だと思っている人を指す.

good eggは古めの(いつカムバックするかは他の古熟語同様不明ですが)イディオム。「頼りになる奴」という響きがあり、英文中のsomeoneをheが受けています。

ついでに、もうひとquote: 

A hen is only an egg’s way of making another egg.(メンドリは卵がもうひとつの卵を作るための方便に過ぎない)

Hmmm.

ゲッコー卵に、禁じられたミント、forbidden Mentos、という名を付けた人もいるようだ。なるほどそう言われればである。

日々の頭韻 /w/ – /w/ 待った甲斐が・・・

It was worth the wait.(待った甲斐がありました)のように使われる頭韻表現。

 be worth the 名詞 (・・・の/・・・する甲斐がある)

の形で、be worth the try(やってみる甲斐がある)、be worth the effort(努力する甲斐がある)、be worth the time spent(時間をかける甲斐がある)のように使います。

 It was worth waiting for.

という形もOK。このヘッドライン3語全文字大文字で写真の助けもあって「甲斐があったぁ」という意味横溢です。

 

コロナで1年待って野球の殿堂入りを果たしたジーター選手が中心の記事。New York Yankees icon Derek Jeter was finally ushered into baseball’s Hall of Fame on Wednesday after a year-long wait to enter the sport’s pantheon of greats following the COVID-19 pandemic.

殿堂入りの決定は野球記者の投票による。397票中396票を獲得したことについて、“Thank you to the baseball writers – all but one of you – who voted for me,” Jeter quipped on Wednesday.とquip(ちらりと皮肉を言う)した。

カナダ出身のラリー・ウォーカー選手も殿堂入りし、カナダ国旗を振るファンに、“I share this honor with every Canadian. I hope for all you Canadian kids out there that have dreams of playing in the big leagues that seeing me here today gives you another reason to go after those dreams.”

日本人選手もやがて・・・いや次々と・・・。

be well worth the …(・・・の甲斐が十分にある)の形もある。例えば今回のヘッドラインを(紙面がもう少しあれば)、

 WELL WORHT THE WAIT

と3連頭韻フレーズにすることもできます。

私の知っている人の知っている人がブラッド・ピットを知っている

こんがらがりそうでこんがらがらないリアルな日本語の物言い。英語ではまず

 I know someone who knows ….

という形をベースにして、それを

 I know someone who knows someone who knows ….

と伸ばします。このあと人物名を入れて出来上がりです。

 I know someone who knows someone who knows someone who knows ….

とsomeoneも3人目あたりまで行くと不条理absurdとなるかもしれません。

 ともあれ、この形を使って題名を英語にすると

 I know someone who knows someone who knows Brad Pitt.

となります。

ちなみにsomeoneをsomebodyにすることは勿論可。入れ換えて声に出すと、someoneのあっさり味から、ややこってりした響きになるかもしれません。

それと、2人のsomeoneは違う人たちだから、someone oneとsomeone twoとか、someoneとsomeone elseにしようとか苦悩しはじめた場合は、日本語の持って行き方をチェック。「人」使いが荒い、というよりスムーズでは。

 

西芽亜莉さんのブログで新刊を持ち上げてもらいました!

昨年『遠山顕のEnjoy!英語クロスワード』に挑戦していただいた英語講師・翻訳家・ブロガーの西さんが、新刊の第2弾Challenge!版にも・・・チャレンジしてくれました。有り難き幸せ。持っていき方が楽しく、持ち上げ方も軽々で、思わずやってみようかと思えるほどでした!

こーんな意味があったのかと面白がる西さん。しばらくこの本で遊んでいただければ幸甚です。

ある関西の方が英語で感謝しようとしてつい Thank you very large.

と言ったというのは創作ですが、実はこれ、遠山の義父の決まり文句だったと最近知って、さすが大恐慌時代に育った人物。枠の外で考えるしかなかったのだろうと呆れつつも感動。ここは義父の利を借りて、

西さん、Thank you so very large!

仮定法は4歳児にだってわかる ひとっ走りして4歳児を一人見つけて来なさい

このタイトルは米国屈指の喜劇人グラウチョ・マルクス(我が国ではグルーチョ)の名あるいは迷セリフ

  Why, a four-year-old child could understand this report. Run out and find me a four-year-old child. I can’t make heads or tails out of it.(なあんだ、このリポートは4歳児にだってわかるじゃないか。ひとっ走りして4歳児を一人見つけて来なさい。私にはちんぷんかんぷんだ)

をひねったもの。

仮定法なんて試験をパスすればあとは要りません。現実の話こそ・・・という話をよく聞く。

 I wouldn’t go to the event.(私ならそのイベントには行かないなあ)

 I won’t go to the event.(私はそのイベントに行く気はない)

最初が仮定法の物言いで、私がその立場だったら、という設定をした上での話であることがわかる。冒頭の

  a four-year-old child could understand this report.

のcouldに、ここに4歳児がいたとしたなら可能なのだが、とか、4歳児に見せたとしたら可能なのだが、といった気持ちがまとわりつている。

 機内での飲酒による蛮行が問題視されているUSA。ニュース番組がそれを取り上げ、子どもに意見を伺うというクリップを作った。これはsubtitle(大和の国でテロップ)付きの、その反応だ。

この方たちはfourより少し上かもしれない。というわけで、トピックが現実か仮想かを気にしながら話すことが英会話で不要な誤解を避ける大きなポイントになります。

鍛冶さん逝く

2016年10月の 拙ブログ「やっと果たせた約束」に登場頂いた数独SUDOKUの名付け親で、世界一大きなクロスワード(日本語)を見せて頂いたニコリの鍛冶真紀さんが逝去された。鍛冶さんは同パズルや他の日本発の作品を世界に広めた方でした。ご冥福をお祈りします。思い出の写真を再度。私の復調最初の外出でカミサン付き添いの楽しい一日でした。

サムズアップサインをされているのが鍛冶さん トゥーサムズアップが遠山 当時副社長の後藤さん ニコリ製世界最大のクロスワードパズルを囲んで