豚菜

沿道をまめに見ずとも目に入るこの花。
過日、当ブログを見た姉が教えてくれたこの花は「ブタナ」。これがそれ。「コノハナブタナヒメ」だ。

学名のギリシャ語が「若豚根」の意味とある。子豚の好物だったのか。
外来種に「ブタ」をつけて呼んだ始まりは「ブタクサ」か。いっとき大騒ぎになった外来魚のbass(バス)は「豚魚」と呼ばれずに済んだ。
7歳まで過ごした北海道の春はタンポポ大草原であるが、最近とみに気になっていたこの首の長いそっくりさんを私は揶揄を込めて「針金タンポポ」と呼んでいた。ただ「豚」付きの名で呼ぶには忍びない自分を発見。そこで正式?にこれを採用。ついでにdandelion(タンポポ)をベースに、

  樂名: ハリガネタンポポ longnecklion

とした。

dandelionは、そのぎざぎざの葉を「ライオンの歯」に例えたのが語源で、花をダンディなライオンに比したわけではないが、私はライオン部をいただいて「長首獅子」とした。

 日常の英語名はウィキピディアをチェックしたところ、

  false dandelion 「偽たんぽぽ」。ズバリだがブタナよりマシ也。
  catsear、cat’s-ear、hairy cat’s ear 「(毛深)猫耳」。うーむ。葉を(ふさふさした)猫の耳に比したとある。葉はタンポポに比して羽毛があり丸みもあるという。

  The leaves of dandelions are jagged in appearance, whereas those of catsear are more lobe-shaped and hairy. 

ただ、上のハリポポの画像は、その葉がタンポポと酷似。猫の耳には見えない。
原産はヨーロッパで、広く分布したというから、変種もあるのだろう。侵入性の雑草とされる場合もあるようだ。

  The plant is native to Europe, but has also been introduced to the Americas, Japan, Australia and New Zealand, where it can be an invasive weed.

春菊

バルコニアンがしばらく留守をして戻ると、春菊が菊になっていた。

眉を寄せPretty pretty!と、思わず語彙の少なさを露呈させるほどの綺麗さ。若葉を食するのが日本、西洋では鑑賞用でもあるとのこと。私がすき焼き店を持ったならこの季節は入口にこの花を飾らん。というわけで我流の命名。

  樂名: sukiyaki daisy  

英語名としてはウィキピディアに

  crown daisy 冠ひな菊。まさに鑑賞。
  garland chrysanthemum 花輪菊。daisy chainを連想。
  chrysanthemum greens 菊葉。食用の方向。
  edible chrysanthemum 食用菊。これはズバリ。
  chop suey greens チャプスイ葉。米国中華八宝菜に使われる。
  Japanese greens 日本葉。うん?

皆おもしろいが、横丁のご隠居さんを気取ってジャックさんやベティさんに講釈しても通じるほどの認知度はなさそう。自分はやはり樂名を採ることにする。

モーゼとインターネット

アメリカの三船敏郎といえばチャールトン・ヘストン、とはならないかもしれないが、ヘストン氏は歴史物、ウエスタン、現代物の大作に主演する、類を見ない俳優だった。さらに未来物の超問題大作『猿の惑星』の主役、そして聖書物の代表作『十戒』ではモーゼを演じているが、後者のスチールを使ったユーモラスな作品を見つけたので紹介します。雲(cloud)や十戒が刻まれた石版(tablet)という言葉に、現代テクノロジーでの意味が重ねられています。(モーゼはMoses「モウズィz」)

Mosesといえば、映画『雨に唄えば』で、その名を使ったナンセンス歌Moses Supposesが唄われているが、大元は早口言葉で、次のようになる。 

Moses supposes his toeses are roses;
Moses supposes erroneously,
For nobody’s toeses are roses or posies,
As Moses supposes his toeses to be.

英語圏のポップカルチャーには聖書が様々な形で浸透している。

三船敏郎の星

The Hollywood Walk of Fameには、Makoや早川雪洲のほかに、三船敏郎の星が埋め込まれている。

豪放磊落かつ繊細な演技と、類を見ない存在感に、ファンとなって久しい僕は、ありがとうのタッチをしてきた。

https://m.imdb.com/name/nm0001536/quotesにある彼のQuotesより。

黒澤明監督について。

  [on Akira Kurosawa] I am proud of nothing I have done other than with him.

映画『羅生門』について。

  Rashômon (1950) was a failure in Japan. We had no idea that it had been submitted to Venice. Kurosawa didn’t go to the festival, neither did I. And hardly anyone knew it won the grand prize. There was a small article in a Japanese newspaper, that was all.

英語のセリフについて。

  [on speaking English] I can’t speak English, Instead I memorize English lines by the sounds of the words.

日本語での明解な語り口が伝わってくるようです。

The Hollywood Walk of Fame  

映画好きの自分にとって、ハリウッドの「名声の歩道」は、Walk of Lifeのようで、星を踏みつけるのがもったいないほど。星たちの8割方がクリックしたものだから、インスタグラムのミームより速く、思い出が浮かんでは消えていく。立ち止まって誰だっけも楽しく、同行のかみさんや娘と旦那が少し先で振り返ることが度々。

神まで。

と、じらしました。

記憶に自信がないけれど、おそらく自分が最初に見た日本映画(1954年)の主人公。

円谷プロの特撮も含め、あちこち本物だと思ったことがある(今も白黒画面の迫力は変わらない)。『シンゴジラ』は光線がすごかったな。

次回は、スクリーンを見て役者でなく本物の人物だと初めて思った俳優の星へ。

皆さんお揃いで

散歩の路傍に春の雑草トリオが待っていました。

ハルジオンはphiladelphia daisyさん

野芥子はwild poppyさん

そして勝手に針金タンポポとよぶ茎のながいタンポポ風の花。

朝7時、仲良くてよいね。レイシズムも、セクシズムも、ジェンダーディスフォリアも、まだ聞こえてこない、ダイバーシティーのあたたかさ。シュークリーム、食べる?

読者のYuji Imaiさんから頂いたコメントに

  “What is a weed? A plant whose virtues have not yet been discovered.” - Ralph Waldo Emerson  

なるほど。高名な思索者の良い引用ですね。

一介の散歩者に過ぎない自分は、weedたちの、どこにでも生えてしまう、ジャガイモのような明るさを敬愛する者です。

Personally, I love the way they grow and thrive most anywhere. Also I adore the frailty they show when we take them inside to appreciate them. To me, they’re ineffable.

Can’t Help Myself 

どうしてもこうなるときがあるので仕方ありませんね。自制心が砕け散り、ユーモアとも呼べない薄いもやに包まれて浮揚するともう堪らずアップに至りました。Obiriさん、おめでとう。

Congrats, Obiri-san and Chebet-san!

脚韻享受 /u:p/ /u:p/ 犬の散歩者のための仕掛

散歩中に路傍に立っていた仕掛けです。scoopは「すくう」、poopは「うん*」である。上部のディスペンサーからバッグを一枚引き出し、poopをscoopし、下部に落とすというもの。

拡大すると、[ ]括弧内では、犬が

  Thanks for picking up after me.

と謝辞を述べている。pick up after …は「・・・が落としたものを拾い上げて整頓する」という意味で、子供(や大人)の部屋などに冠詞、Please pick up after you.と母親から注意される。犬の場合はpoop中心である。

すくうシャベルをpoop scoopとこれまた脚韻で呼びますが、日本語では?

日常語 食パン一斤の両端 

食パンのスライスの端を「耳」と呼ぶのが日本語、crustが英語になります。

「地殻」もcrustです。

一斤の端はどうでしょう。

HEELと呼ばれます。「かかと」です。通常一斤に「かかと」は2個です。

  Does anyone want a heel?

トーストを焼くときによく使われます。

日本語では?